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腰痛とコアトレ

2008年08月19日


長野重美

日本人の10人に1人は、 腰痛の悩みを抱えている」という統計(厚生労働省「国民生活基礎調査」1998年)がある。腰痛に加えて、膝関節痛を抱える人も入れると3000万人以上とも言われている。今後さらに高齢化が進むと、腰痛など筋骨格系の痛みに悩む人の比率が増え続けるとの予防医学研究者の声も出ており、腰痛・下肢関節痛はメタボ以上に深刻な問題ともいえる。

腰痛は、ヒトが二本の足で「直立歩行」をするように進化したために起こった、「 宿命的な症状である」といわれ、椅子に座る時間が長くなる傾向にある現代生活では、立位姿勢に比べて座位姿勢では椎間板に加わる負荷が大きいことが大きな要因とのことだ。加えて運動不足などから筋力低下が進むとともに、姿勢の悪さによる体の歪みにより、腰痛や下肢関節痛という現象につながってきて、ますますこの問題は深刻になる。これらの症状が経年変化によりさらに悪化し、やがて杖の厄介にもなり、そして寝たきりへのプロセスにつながりかねないという問題にもなってくる。

また、電車に乗っていると気になるのは、若い学生などでも座っている姿勢が極端に悪いというのが目立つが、これは親が小さい頃子供に注意しないことによるのだろう。そんなことから、高齢社会とは関係なく、今の若い人も含めて腰痛人口が増大する可能性が多くなり、彼らの活動が大きく制約されるということにもなる。そして、一度腰痛になると医者にかかってもなかなか治らないということから、医者も再発防止のために腰痛体操による腰周りの筋肉強化をすすめるというのが通例だろう。

そこで注目されるのは、コアトレとかコアエクササイズ(コアエクサ)といわれる、コア、つまり体幹部(内部筋肉と背骨、および股関節や膝関節まわりの)のエクササイズである。コアについては、このコラムでも何度か取り上げているが、コアエクサは最近フィットネス運動としても再注目されてきている。

先日、ボランティアで「足づくりの会」というのを主催されている方からの依頼で、全米アスレチックトレーナーズ協会公認トレーナー資格をもつ稲葉晃子氏を迎えた「コアエクサ体験会」を開いたが、ここでも40名の参加者のうちほぼ3分の1が腰痛、あるいは下肢関節痛持ちだった。

コアエクササイズの難しさは、体を正常な状態(背骨と尾骶骨を正常な生理曲線にするニュートラルポジション)に保った上で、エクササイズがやれるかどうかにあり、そこが成果への大きなポイントになる。そのために稲葉さん開発のコアヌードル(長さ110cmほどのクッション性をもつ道具2本を並べたもの)を使うことになる。この上に寝転ぶと、容易にこのニュートラルポジションを保つことができるために、専門家が横にいなくても、コアエクサを大変有効に行えるというものだ。

そして、いきなりコアエクサをやるのではなく、エクササイズの最初では骨盤と腰周りのストレッチを十分に行ってからやるのだが、腰痛や下肢関節痛の人は例外なくストレッチをするとどの部分の筋肉類が硬いかが端的にわかる。そして、そのことが筋骨格系の痛みに繋がっているということが理解されるようになる。ストレッチの後、参加者の運動レベルに応じて内部筋肉のトレーニングを行うのだが、体験前に痛みをかなり感じていた人も、約1時間の体験後には痛みがかなり軽減されるようになるという、きわめて優れもののエクササイズである。

冒頭の3000万人ともいわれるこれら腰痛と下肢関節痛の人に、この「コアヌードル」を使った「稲葉式コアエクササイズ」を知ってもらう機会を作り、できるだけ多くの人に痛みからの解放ができるようにし、いつまでも元気で活動できるようになってもらいたいと願っている。


ご参考: 「腰痛には腹筋運動は危険!」

<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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2本のポールを使って介護予防

2008年07月25日


長野重美

最近注目されだしたのが、2本のポールを使って歩くノルディックウォーキング
誰でも、簡単に、そして楽しく理想的な健康運動ができることから、元気学校ではその普及を前提にできるだけ多くの人にも紹介しようとノルディックウォーキング体験イベントをこれまで横浜中心に開いている。<横浜根岸森林公園ウォーキングの様子>

しかし、3ヶ月ほど前にテレビでそのイベントの取材があり、放映されたのち多くの方から問い合わせが殺到した。しかし、80歳以上の高齢者からの質問や、あるいは杖をついてしか歩けないが大丈夫かとという問い合わせが多いため、それらの人達を対象に特化した体験会を開き始めた。

その参加者の多くは、杖にすがってやっと歩けるとか、体を自由に動かせないような人たちなので、ノルディックウォーキングよりもっと簡単で、かつ杖の延長のように扱えるポール(ただし両手に持つ)を活用した「ポールウォーキング」をお勧めすることにした。

ノルディックウォーキングがヨーロッパ生まれで、アスリートのトレーニングから発達した道具であるのに対し、高齢者、特に杖でも十分に歩けないような人にも使えるポールウォーキングは、日本生まれのもので、ウォーキングを医科学的見地から研究した結果生まれたものだ。

その開発に携わったのは、安藤整形外科松代クリニック院長の安藤邦彦先生(医学博士、整形外科専門医、公認スポーツドクター、リウマチドクター)と、フィットネスインストラクター教育に長年携わった後、現在メタボ対策など、特に運動しない人を対象に、健康とスポーツをテーマに、新たな指導者育成事業を始めたインストコープ社社長の杉浦伸郎氏

安藤先生がポール開発にあたって目標としたことの一つは、運動器不安定症の人でも使えるようにすることにあったそうだ。つまり、単なる運動用具としてだけなく、脊椎圧迫骨折、脊椎変形、下肢骨折、骨粗鬆症、変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症、脊髄障害、神経筋疾患、長期臥床後などといった運動器不安定症といわれる人のリハビリ用途、そしてリハビリ後の日常歩行支援、さらにその後の日常運動にも使えることが最大の特徴でもある。

先日、東京都内で、杉浦氏が講師となり体験会を開催。そこに来られた人にポールを使った簡単ストレッチ、軽度の筋肉強化運動、そしてポールウォーキングをしてもらった。人口関節の方や、足腰が相当弱っている人など、最初は皆さんこわごわとポールをもって、不安な様子でストレッチ運動の後、歩く練習をしてもらった。

1時間強の講習後には、ポールを持つと楽々歩けることが実感されたようだ。これまでほとんど散歩も思うようにできなかったため、ますます体が弱っていくことを日ごろ感じていたことから、ポールを使うと自信をもって毎日自分で歩けるようになると大変喜ばれていた。体験会場に来た時は、なんとなく不安げで、下を向いてしか歩けなかったのが、参加者全員が顔を上に向けてにこにこして歩く様子が実に印象的だった。

75歳以上は後期高齢者ということで、その扱いを巡っていろいろ問題になっているものの、その数現在1270万人とほぼ人口の1割にもなり、今後さらに増加が見込まれ、その結果介護人口が増加するなどの点から、社会の制度や対応面でいろいろ考えていかなければならない。その一つとして、なんとしても要介護人口の増加を食い止めるために、介護予防の充実という緊急、かつ大きな課題があるはずである。

しかし、介護予防という面では、国の制度や支援はまだまだ手が回らない状況にあり、制度や支援をあてにはできないことを前提にして、まずできるだけ自分で介護の世話にならないための工夫と知恵が必要になる。

1本の杖より、2本の“杖”(ポール)を使うポールウォーキングは、自分でできる介護予防方法の一つとして、今後極めて大きな存在になりそうだ。

関連記事:「親を元気に! ポールウォーキングで転倒予防」


★写真
 [元気学校のポールウォーキング講習会から]
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<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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石巻でのバーベキューパーティー

2008年07月14日


長野重美

先日石巻に居を構えた知り合いの方からバーベキューパーティーをやるので来ないかと誘われた。石巻とあらば、きっと美味くて珍しい魚介類も出るに違いないとついつい食指が動き、はるばる東京から石巻まで出かけてきた。

石巻といえば、一般には大衆魚の秋刀魚(サンマ)の水揚げで最大の漁港というくらいしか認識がなく、どちらかといえば影が薄い存在かもしれない。しかし、世界3大漁場のひとつである金華山沖漁場も近く、親潮と黒潮とが激しくぶつかり合い、北上川のミネラル豊富な水が流れ込むため、最高の良質の魚が獲れるし、また水揚げされる魚介類の種類も実に多いそうだ。

しかし、知名度があまり高くないことから、水揚げされる殆どの魚介類は、他のブランド産地の名前に変えられて市場に出回っているという。例えば、たらこを例にとると、全国の市場に出回っているたらこの原料の多くのものは石巻で調達されており、北海道産か福岡産ブランドにすると高値で売れるのだという。最近では毛がにでさえ、函館などで販売されているものの多くが石巻産だとか。そして、養殖牡蠣は多分日本一の品質だと思えるものだが、それもブランド力のあるお隣の松島産となるそうだ。

石巻でコンピュータソフトの会社を経営している知人から、上記のような石巻の漁業関係の実情についての話をずいぶん前に聞いたことから、3年前に健康によい新鮮な牡蠣をテーマにした「アンチエイジング・ツアー」を地元の方々の協力で仕掛けたことがある。その時に地元で魚介料理をいろいろ味わう機会があったが、確かに絶好の漁場に恵まれた地元で獲れる新鮮なものは、東京では味わうことができない(高いお金を払えば別だが)ものばかり。普段美味い魚にありつけなくてストレスにさえなっていた僕は、久しぶりに堪能することができた思い出がある。

しかし、石巻も近年はご多分にもれず漁獲量がどんどん減り、昔のような賑わいもなく、その影響で商店街もどんどんシャッターを閉めている姿が目に焼きつく。本来フレッシュな魚介食の摂取がアンチエイジングに欠かせないが、全国でのこのような現象が著しくなることで、一般の国民の食生活から新鮮で美味い日本食としての魚介摂取がめっきりと少なくなることにもなる。これでは、ますます肉食摂取に偏り、メタボの蔓延にもつながってくることにもなってきている。

ところで、今回のバーベキューパーティーはというと、肉卸を経営されている方が来られた関係もあり、バーベキューらしく肉類がどんどん焼かれる。バーベキューで一番美味いのは豚の第4肋骨より上の骨付きばら肉(スペアリブ)だとかで、見たこともないような大きな塊の肉汁たっぷりのスペアリブを次々と焼いてくださった。確かに、牛肉より臭みもなく、ジューシーで美味い。また、スペアリブなのに、油も少ないので健康にもよいそうだ。そして、前に書いたように飼料高騰、さらに大量のゲップと糞によるメタンガスを発生させ、自動車以上のCO2排出源となっている牛肉と違うので、豚のバーベキューの方がはるかに環境問題にはよいことになる。もちろん、今が最高に美味いといわれるかつおのたたき(マグロよりはるかに美味い)なども味わうこともできた。

集まったのは、地元をもっと活性化したいという人達15名ほど。食関係の方も多く、話題も金華山沖で獲れた魚をもっと美味い調理法にできないかで延々と議論したりと、食の話が大好きな僕も久しぶりにその話の輪に入って楽しむことができた一日だった。

いつものように、コア・トレーニングを、酔っ払った皆さんにもやっていただき、おおいに場が盛り上がったことを付け加えておこう。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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洞爺湖サミットと肉牛食(後編)

2008年07月11日


長野重美

洞爺湖サミットでは、多くの議題の中でCO2削減や食料の高騰問題が取り上げられることになろうが、この二つに直接関連するものとして、実は肉牛食による大きな問題がある。

肉牛食に絡む問題は三つあり、その第一の問題は、牛が食べる飼料の量の問題だ。

実は、全世界には13億頭の牛が飼われ、なんと世界のトウモロコシ生産の半分をこれらの牛が食べているという現実があり、肉牛食を世界全体で半分にすることで、トウモロコシ価格の高騰をかなり防げることになるだろう。さらにこの分をバイオエタノールにまわせば、CO2排出量が1.3億トン減るという計算になる。この数値は、京都議定書のCO2削減目標である6億トンの4分の1の削減効果につながるという、驚きの数字を前回ご紹介した。

そして、第二の問題は、"牛のゲップや糞゛から出るメタンガスの問題で、第一の問題である牛の食べるトウモロコシの数字より、もっと驚くような数字がある。

牛1頭のゲップや糞からは、なんと年に100キログラムのメタンガスを出すとのこと。13億頭の牛全部で1.3億トンのメタンを出しているという計算になり、それをCO2に換算すると26億トン分という途方もない数字になるという。もし、肉牛飼育を半分に減らすことができれば13億トン分のCO2削減ということになり、これなら各国が必死に取り組んでいる削減目標が十分達成可能になる。

第三の問題点は、水問題だ。
実際のデータはないが、牛が飲む水の量、そして飼料に必要となる水の量は相当なものだと容易に想定される。今世界で水問題の深刻さが急激に大きくクローズアップされているが、飼育する牛の量を減らすことで、水問題の打開策にもつながることになると考えられる。

このように、世界全体の牛の飼育には地球環境問題にとり、想像する以上の大きな問題があるしかし、実際には肉牛を食べる量を半分にしろといっても、牛肉食中心の欧米諸国などは賛同しないだろうし、また焼肉大好き人口が増えている多くの日本人も賛同しないだろう。さらに、乳牛をどうするかなどという問題もあり、簡単には実現は難しいことになる。しかし、サミットのような世界注目の中で、もしこのような具体的で効果的な提言ができれば、世界の食料とCO2問題はもっと違った方向になるに違いない。

「牛肉食の摂取を控えることで、トウモロコシの価格高騰を抑えられ、そして、われわれ自身が地球温暖化にも貢献できる!」ことを訴えて、この危機問題を打開することはできないものだろうか?また、肉食を減らすことで、われわれのアンチエイジングと健康のためにもなることも!


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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洞爺湖サミットと肉牛食(前編)

2008年07月02日


長野重美

洞爺湖サミットが近づいてきた。今回ほど地球規模での多くの共通問題がクローズアップされたサミットはなかったし、また、われわれの身近な生活環境や地球の将来に密着した重要テーマが目白押しの形となったこともないので、開催を控えて関心も高くなる一方だ。

CO2削減や地球温暖化を中心とした環境問題、急激な石油高騰などを背景にした世界経済の同時下降問題、アフリカ問題、そして食料と水問題など、議題となるテーマは目白押しで、議長国日本の福田首相の責任は重大で、首相も肩の荷が重過ぎるという思いだろう。しかし、それぞれが具体的進展を見せないと、10数年足らずのうちに果たして人類はどうなるのかと心配になりそうな問題ばかりである。果たして3日間でどれだけの成果があるのかを見守るしかない。

くしくも7月7日は七夕の日。この日だけ会うのが許された織姫と夏彦のように、3日間だけ会うことができたという言う訳にはいかず、継続したサミット後の各国の具体的な協調が期待されるところだ。

ところで、CO2削減と食料の高騰問題に直接関連する、意外で身近な話題がある。それは食肉、特に牛肉問題だ。今石油高騰が大問題だが、この高騰に連携して、食品価格の高騰が家計を圧迫してきつつある。

原因は、ご存知の通りトウモロコシ、大豆、麦といった主要穀物相場の急騰。特に、全世界のトウモロコシ生産量6億~7億トンの内、その大部分が飼料に使われることにある。さらに追い討ちをかけて、ガソリンに代わるべく急遽登場したトウモロコシなどを原料とするバイオエタノール燃料へのシフトもある。

実は、CO2削減と食料高騰問題に絡んで、肉牛飼育には3つの問題が存在する。

牛を太らせるには、豚や鳥を飼育するのに比べ、圧倒的に多くの飼料が必要となるという点が問題の第1牛は体重を1キログラム増やすのに約10~11キログラムの飼料を必要とするという。飼料効率という指標があるが、この指数は一定の重さの肉を生育するのにどれだけの飼料を必要とするかという数字だ。その飼料効率を使うと、肉牛の場合の飼料効率はわずか10%という指標になる。(豚の場合の飼料効率は25~33%、ブロイラーは46%

全世界には13億頭の牛が飼われている。それらから取れる食用牛肉生産量は、6千万トン.弱であり、この量を半分に減らせばトウモロコシ飼料もちょうど半分の3億トンという計算になる。

われわれ(世界中だが)が食べる肉牛を半分に減らし、この分をバイオエタノールにまわせば、CO2排出量が1.3億トン減ることになり、京都議定書のCO2削減目標である6億トンの4分の1の削減効果になるという。

CO2削減効果だけでなく、肉牛の量が半分に減れば飼料としてのトウモロコシ価格の高騰も当然抑えられるはずであり、肉牛食を控えることは一石二鳥となる。

長くなるので、第2、第3の問題は後編で書くことにしよう。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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水着騒動と脱メタボ・パンツ

2008年06月25日


長野重美

 北京五輪を前にして、競泳界を揺るがしていたスピード社の水着騒動が長く続いた。しかし、北島康介選手がスピード社の水着を着けて世界新を出すとともに、他の競泳種目でも日本新が続出するなどで、日本水連の記録重視から決着したのはご存知の通りだ。その結果、日本の競泳陣も今度の5輪での活躍が期待されよう。まずはめでたし。そして、われわれはこの水着の威力をまざまざと見せつけられた形だ。

 ところで、北島選手の感想では、この水着相当“キツイ” らしい。女子選手にいたっては、なんと3人がかりで着ることになるそうだ。

 さて、この水着、どこかで見たようだなと思っていたら、メタボ対策をうたい文句にする某下着メーカー製の男性パンツ、「脱メタボ・パンツ」に似ているのを思い出した。“キツさ”の程度は多分違うだろうが、少なくとも締めつけることだけは同じだ。締め付けが“キツイ”ということは、メーカーによると、大腿部の筋肉への締め付けにより、膝を伸展させる大腿四頭筋が活発化し、自然に「歩幅が広がる」という効果がある構造という。

 このパンツの着用方法がサイトで紹介されているが、スピード社の水着同様、そう簡単にはいかないようだ。つまり、履くのはかなり大変そうだ。朝の忙しい出勤時など、余裕をかなりみておかないとパンツを履くのに時間がかかってしまい、遅刻という羽目に陥りかねないという、笑うに笑えない光景が目に浮かぶ。

 実は、「歩幅が広がる」ことによる効果は、確かにウォーキングでも同じだ。できるだけ歩幅を広く、手を前後に大きく振って歩くと、エキササイズ効果が高まることになることから、メーカーのいう宣伝文句もそれなりの裏づけはあるかもしれない。しかし、高い(3千円以上)下着に頼るより、安いパンツで歩幅を大きくするだけでも同じ効果が出るはずだ。とはいえ、何せメタボブームにのる大手メーカーのやる商魂たくましい戦略ゆえ、かなり売れ行きもよさそうだ。

 ところで、下着と健康に関する話では、「鋭パンツ健康法」という本が出版され、パンツをつけないで寝ると健康によいというのが一時広まったことがある。また、寝るときには裸で寝るのが健康によいという考えも昔からあるが、この健康法の理屈は、肌が直接空気に触れ、それが皮膚呼吸や発汗作用をさかんにすることで、睡眠中に皮膚の呼吸と代謝が十分に行なわれ、免疫力が強まるという図式にもとづくもののようだ。確かに一理あるような気もするが、裸で寝ると、少なくとも圧迫感から開放され、ストレスのない質のよい睡眠をとることにつながる要素もあるかもしれない。

 一部の地方では、昔からこの考えが根付いていたようだが、最近はどうなんだろう?また、英国などでは若い女性も裸で寝るのが当たり前と聞いたことがあるが、この理由は健康のためなのかどうかは定かでない。

 寝るときは、パンツを脱いで快適に寝る。そして、朝起きると“キツイ”パンツを着け、日中動き回るというのが、メタボ族の健康法になる可能性も否定できない。どこかの大学でこの二つの実証研究でもやり、効果が確かめられればブームになるに違いない。それに、いつも夫婦が裸で寝れば、少子問題解決の糸口にも??


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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よく理解しておきたいメタボ検診の意義(前編)

2008年06月13日


長野重美

メタボリックシンドローム対策を前提にした特定検診が始まった今では、新制度にもとづく検診をすでに受けた方や、これから受けようとする方も多くなってきているだろう。

病気になってから医者にいくというこれまでの行動様式は、このメタボ検診制度を契機に、徐々に変わってくるものと期待されているところである。この制度制定によるメタボへの認知が進むことで、日ごろから自分の健康管理にさらに関心をもてるようになることや、定期的に検診を受けることになるという制度は、公的医療費削減効果という面だけでなく、自分の病気予防にも大変重要なことだ。

つまり、生活習慣病の大きな要因は、欧米風の食生活、そして体を動かさない生活習慣がもたらす現代文明の浸透によるものが大きいと考えられ、今や大きな社会問題のひとつでもある。新制度のスタートは、多くの国民が抱える生活習慣病の病気予防への道が、あらたに切り開かれたという点に大きな意義があるといえよう。

これは、アンチエイジング社会を目指す上でも画期的なことでもある。

ところで、すでにご存知の方も多いかもしれないが、この際メタボリックシンドロームについて、その名前が生まれた経緯をあらためて以下にご紹介しておこう。

メタボリックシンドロームという概念が生まれた経緯を遡ると、1951年米国の医学会で男性型肥満が心血管疾患の原因になることが指摘された。その後1981年、同じく米国の研究で、正常体重でも肥満の人と同様に心血管疾患になりやすい人が存在し、これが高インシュリン血症によるものであろうと報告された。

さらに、1988年、インシュリン抵抗性(注)を基礎にした研究の集積結果から、生活習慣病の三大要素(高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常)が心血管疾患を引き起こすという学説が、「Syndrome X」として報告され、その翌年に男性型肥満を加えて「死の四重奏」と命名され、それを契機に、インシュリン抵抗性症候群の研究が盛んとなった。

そして、1993年には肥満とインシュリン抵抗性の間に明らかな関係性があることが指摘され、5大陸63カ国が参加した「国際腹部肥満測定デー(IDEAO)」のデータ解析の結果; 1998年にWHO(世界保健機関)は「肥満がグローバルな規模の問題」であるとし、『メタボリック症候群』という名称でその診断基準を発表した。

(注)インシュリン抵抗性とは、インシュリンが分泌されても血糖が下がりづらい体質かどうか、を示す言葉として使われ、空腹時の血糖値測定によりおおまかなインシュリン抵抗性を知ることが出来る。一般には食後2時間での血糖値の基準が140mg/dlを上回った場合には、このインシュリン抵抗性が高いと疑われ、インシュリン抵抗性の精密な検査を進めることになる。

ところで、メタボリックというのは、日本語では「代謝」である。「代謝」とは人間の生命の営みを維持する上で必要な基本の作用、つまり細胞レベルでの本来の機能が働いているかどうかをあらわす言葉でもある。
極論をいえば、「代謝」がうまくいっているかどうかが、健康状態かどうかであり、また「代謝」がアンチエイジングを左右するといっても過言ではないだろう。ダイエットが成功するかどうかさえも、この「代謝」作用を良く知り、これをうまくコントロールすることが不可欠でもある。

僕流の解釈では、肥満を含めその人の健康状態の基本を示す代謝状態の要因は、その人のインシュリン抵抗性に大きく左右されるものである。そのため、メタボ検査結果の値が、「代謝」という生命の基本作用を中心にして不具合を生じるようになる現象をもたらす一連の状態のことを「メタボリックシンドローム」ということになる。
よく考えると人間の健康状態を示すための言葉として、「メタボリックシンドローム」とは、実によく考えられた名称だと僕は考えている。

新制度による特定検診では、特にこの「代謝」作用が一定レベルに働いているかどうか、すなわち自分の生命の基本機能がうまくいっているかどうかという判断にもなり、その点で基本の健康管理として大変重要な診断でもあるということになる。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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コア(体幹筋)を鍛えることはアンチエイジングに必須

2008年06月04日


長野重美

女性の間ではヨガを発展させたようなフィットネスや、フラダンスのような腰振りダンスがフィットネススタジオで流行しているなと思っていたら、もう次のフィットネスがトレンドになりそうだ。マドンナがやっているという「キネシス」というのが話題になってきており、これを変形した「ジャイロキネシス」というのが女性の次の注目フィットネスになるらしい。

昨年大きなブームになった「ビリーズブートキャンプ」という激しいフィットネスから、再びスローなフィットネスへと回帰したことになるが、カッコいいハリウッドセレブ達につい魅せられてしまうといういつものパターンだ。

女性の、体への関心の多くは、ダイエットによるおなか周りの引き締めと骨盤の歪みだという統計があり、この「キネシス」は特にその関心事に訴求できる点からも流行ることになるかもしれない。

ところで、この「ジャイロキネシス」というフィットネスの基本はコア部のトレーニングによる美しい姿勢の維持回復とバランス力強化に重点がある。このことは、コアを鍛えることの大切さを世の女性の多くは理解してきているということにもなるが、これは好ましい傾向だ。

前回プロテニスプレーヤーのクルム伊達公子さんが11年ぶりにプロ復帰できた秘訣として、コアトレーニングに励んでいることをお伝えしたが、このコアトレーニングは美を求める女性だけでなく、以下の点から誰にも必須なことを知っていただきたい。

1.姿勢が悪いのは椅子に座る時間が長い生活習慣にあり、そのため足の付け根付近の筋肉類が凝り固まり、「く」の字状態になってくる。そのことが骨格に影響を与えてくる。特に骨盤と背骨が歪むという結果を生じ、体全体のプロポーションに影響を与えている。さらに、そのまま姿勢が悪いのを放置すると腰痛やひざ関節痛、外反母趾などにつながる。

解決策としては、硬くなっている両足付け根周りの筋肉をまずストレッチでやわらげるとともに、骨盤と背骨の正しいポジションを保つ必要がある。このためには、コア筋肉としての腹横筋(深層部にあるコルセット状の筋肉)を特に強化することが必要となる。

2.両腕を後ろ側にする動きが日常的にはきわめて少なく、そのために両肩が前にきたり、猫背の状態になっている。これが、肩こりや背中の懲りの大きな要因となっている。

解決策としては、両肩付近の筋肉類をやわらげるストレッチにより、肩が動きやすい状態に保つことがまず必要で、その上でコアトレーニングにより両肩を正しいポジションに保つことで、上半身の姿勢をよくする。

3.いくらダイエットをしても、また腹筋などの苦しい運動をしてもウェストサイズが思うように小さくならない、あるいは下腹部分がたれさがり、お腹がもっこり状態になっているのは、腹部の内臓を取り囲んでいる腹横筋が弱くなっていることに大きな原因がある。いくら腹筋運動をしても、内蔵類はお腹の中の下横側にずれるだけで、お腹まわりは引っ込まないという状態になる。

この解決策としては、1.と同じように腹横筋を強化することが大前提であり、そのためのトレーニングが必要となる。

4.体の老化が進むと、よくつまづいたり、転びやすくなったり、場合によってはよろめくなどバランス力が低下するという現象がおきるが、これはコアが弱いということに他ならない。また、ジムに通って筋肉モリモリの体でも、コアが弱いと逆にバランスがうまくとれず、怪我をしやすかったりするが、これはコアと外部(表層)筋肉類のアンバランスに起因する。

以上、4つのポイントがあることがあることがおわかりいただいたと思う。
これは以前ご紹介した元実業団バレーボールのキャプテンをされ、今は米国の大学でスポーツ医学を研究されている稲葉晃子さんから教えていただいたことである。

これら4つの解決策があれば、だれでも美しいプロポーションを保て、さらに腰痛・下肢関節通の解消やご老人の転倒防止にも役立てることができるはずであり、このことは体のアンチエイジングの基本ともいえる。

4つのポイントを中心としたコア強化策として、以前ご紹介した稲葉さんが開発された「コア・ヌードル」を使った簡単メソッドを今後広く普及させていきたいというのが僕の夢でもある。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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クルム伊達公子さんのプロ復帰

2008年05月28日


長野重美

 この4月に旧姓伊達公子さん(今はドイツ人の元レーサーと結婚しクルム姓)がプロテニス界に復帰し、復帰後いきなりビッグトーナメント大会ではないにしろ、準決勝まで進むという快挙をやってのけたのにはびっくりした。

 1996年のアトランタオリンピック出場直後の引退発表では、世界ランク上位に位置する日本選手がいない状況の中、25歳で世界ランク8位での引退とあって、それまで応援し続けた者として彼女の引退報道に随分がっかりした覚えがある。

 伊達さんの現役での世界ランクは最高4位(日本人として史上初の10位以内)にまでなったが、世界ランク4位というポジションがどれほどのものかを推測するひとつの例がある。
例えば世界10位になった同じくプロテニスプレヤーの杉山愛さんが、ポルシェが欲しいとついもらしたところ、すぐにメーカーからポルシェが贈られたというほどで、4位とあらば想像を絶するようなビッグな待遇をスポンサーなどから受けることになっていたはずだ。

 話がついそれてしまったが、伊達さんの引退からその後11年以上も経ち、彼女の37歳という年齢からくる肉体的限界などを考えると、厳しいプロに復帰するのは並大抵の努力ではなかったはずだ。その限界を乗り越えられる秘訣は何だろうと考えていたところ、どうもその答えはコア・トレーニングにあるということが先日あった夫婦でのテレビインタビューから知った。

 つまり、アンチエイジングの見地でいえば、体を動かす基本となるコア部の衰えを再活性化するために、彼女はコア・トレーニングをしているということになる。

 前にも女子プロゴルファーとして長年女王の座に君臨していたアニカ・ソレンスタムのことを書いたが、彼女が長年トップを続けてこられた最大の秘訣はコア・トレーニングだと明快に語り、その方法を具体的に伝授してくれたテレビ取材のことをご紹介した。

 伊達さんが具体的にどのようなコア・トレーニングに励んできたかは伝えられていないが、ネットなどの情報によるとピラティスをトレーニングとして採り入れているようだ。仲のよい二人はニューヨークのセレブの間で流行っているといわれるパートナー・ピラティスなども、多分やっているのかもしれない。

 ジムに通われている方はご存知だと思うが、ピラティスはもともとリハビリのために開発されたメソッドで、そのため体に大きな負担をかけずに特にコア部の筋肉類を活性化させるものなので、伊達さんのように特に長年選手生活から遠ざかっていたようなケースでは、まさにリハビリ的なことから始めるということが必要になったのだろう。そして、現役に復帰しても体のコンディションを最高の状態に維持しておくためには、コア・トレーニングは彼女のようなアスリートには欠かせないトレーニングでもある。

 ところで、トレーニングはいつも夫婦が一緒にというのが基本のスタイルだとテレビでも語っていたが、この夫婦をみていると単に夫婦でのトレーニングというだけでなく、人生のパートナーとしてもすばらしいものをお互いにもっているようだ。

 そのことは、彼女のオフィシャル・サイトを見ても十分伝わってくるものがある。


クルム伊達公子の「新たな挑戦」 ~プロテニスプレヤーとして~
 

 夫のミハエル・クルム氏がフォーミュラ・ニッポンへの5年ぶりの参戦チャレンジをする姿から、人生では勝った、負けたということより、目標を持ってチャレンジすることの大切さがあることを彼女は夫から学んだそうだ。そして、そのことが、引退後テニスから離れていた彼女の心を現役に復帰するという思いに至らせる最大の要素となったということが、サイトで紹介されている。

 さて、コア(体幹筋、あるいは深層筋)を鍛えることは彼女のようなアスリートだけでなく、一般人にも大変重要なことだということはかなり理解されてきてはいるが、なぜ必要なのかを次回にお伝えすることにしたい。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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クルム伊達公子さんのプロ復帰

2008年05月28日


長野重美

 この4月に旧姓伊達公子さん(今はドイツ人の元レーサーと結婚しクルム姓)がプロテニス界に復帰し、復帰後いきなりビッグトーナメント大会ではないにしろ、準決勝まで進むという快挙をやってのけたのにはびっくりした。

 1996年のアトランタオリンピック出場直後の引退発表では、世界ランク上位に位置する日本選手がいない状況の中、25歳で世界ランク8位での引退とあって、それまで応援し続けた者として彼女の引退報道に随分がっかりした覚えがある。

 伊達さんの現役での世界ランクは最高4位(日本人として史上初の10位以内)にまでなったが、世界ランク4位というポジションがどれほどのものかを推測するひとつの例がある。
例えば世界10位になった同じくプロテニスプレヤーの杉山愛さんが、ポルシェが欲しいとついもらしたところ、すぐにメーカーからポルシェが贈られたというほどで、4位とあらば想像を絶するようなビッグな待遇をスポンサーなどから受けることになっていたはずだ。

 話がついそれてしまったが、伊達さんの引退からその後11年以上も経ち、彼女の37歳という年齢からくる肉体的限界などを考えると、厳しいプロに復帰するのは並大抵の努力ではなかったはずだ。その限界を乗り越えられる秘訣は何だろうと考えていたところ、どうもその答えはコア・トレーニングにあるということが先日あった夫婦でのテレビインタビューから知った。

 つまり、アンチエイジングの見地でいえば、体を動かす基本となるコア部の衰えを再活性化するために、彼女はコア・トレーニングをしているということになる。

 前にも女子プロゴルファーとして長年女王の座に君臨していたアニカ・ソレンスタムのことを書いたが、彼女が長年トップを続けてこられた最大の秘訣はコア・トレーニングだと明快に語り、その方法を具体的に伝授してくれたテレビ取材のことをご紹介した。

 伊達さんが具体的にどのようなコア・トレーニングに励んできたかは伝えられていないが、ネットなどの情報によるとピラティスをトレーニングとして採り入れているようだ。仲のよい二人はニューヨークのセレブの間で流行っているといわれるパートナー・ピラティスなども、多分やっているのかもしれない。

 ジムに通われている方はご存知だと思うが、ピラティスはもともとリハビリのために開発されたメソッドで、そのため体に大きな負担をかけずに特にコア部の筋肉類を活性化させるものなので、伊達さんのように特に長年選手生活から遠ざかっていたようなケースでは、まさにリハビリ的なことから始めるということが必要になったのだろう。そして、現役に復帰しても体のコンディションを最高の状態に維持しておくためには、コア・トレーニングは彼女のようなアスリートには欠かせないトレーニングでもある。

 ところで、トレーニングはいつも夫婦が一緒にというのが基本のスタイルだとテレビでも語っていたが、この夫婦をみていると単に夫婦でのトレーニングというだけでなく、人生のパートナーとしてもすばらしいものをお互いにもっているようだ。

 そのことは、彼女のオフィシャル・サイトを見ても十分伝わってくるものがある。


クルム伊達公子の「新たな挑戦」 ~プロテニスプレヤーとして~
 

 夫のミハエル・クルム氏がフォーミュラ・ニッポンへの5年ぶりの参戦チャレンジをする姿から、人生では勝った、負けたということより、目標を持ってチャレンジすることの大切さがあることを彼女は夫から学んだそうだ。そして、そのことが、引退後テニスから離れていた彼女の心を現役に復帰するという思いに至らせる最大の要素となったということが、サイトで紹介されている。

 さて、コア(体幹筋、あるいは深層筋)を鍛えることは彼女のようなアスリートだけでなく、一般人にも大変重要なことだということはかなり理解されてきてはいるが、なぜ必要なのかを次回にお伝えすることにしたい。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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メタボ対策ブームとWiiFit

2008年05月23日


長野重美

 メタボ対策商品が続々と世の中に溢れてきだした。医療制度改定に伴う新制度としてこの4月から始まった特定検診、そしてこの秋から実施される特定保険指導をビジネスチャンスとばかりに各社が一斉に市場に投入した形だ。

 広告の数からいうと代表格はトクホと称される健康機能食品類だが、つい先日派手な広告がJR車両の片側全部にあり、よく見ると某家電メーカーの健康器具だった。

 メタボ対策用の代表格の健康器具といえば、歩数系や体脂肪計などがあるが、これらはパソコンに計測データを入力してというスタイルで、成果をあげるにはまず生真面目にデータを取りながら別のメタボ対策や健康管理をしなければならないという点で、面倒くさがりの僕には苦手なタイプだ。

 昔からヒットした健康器具を買ってみては長続きせずホッタラカシというのが常だったこともあり、健康器具はなんといっても継続できることが第一と最近は買うのを控えている。それでも、性懲りもなくこの半年についつい宣伝文句につられて2つほど買ったものがある。それらもいざ使うとなるといろいろ手間がかかり、その上楽しくもないとあってはいつものホッタラカシ癖がでるのは当たり前ということだろう。

 せめて楽しみながらできそうなのがあればと狙っている筆頭候補は、なんといっても任天堂のWiiFit(ウィーフィット)だ。つい先日メーカーから発表された数字では、つい半年近く前に発売したというのに、なんと200万台を突破するという驚きのヒット商品になったが、この数字達成スピードはWii本体を上回るスピードとなる。

 任天堂のDSシリーズで「脳トレ」がヒット商品になったが、テレビゲーム機器でも任天堂のWiiが他社を圧倒してリードし、こちらは発売後1年半で600万台を突破するという記録的な販売スピードだというが、WiiFitはこのスピードよりさらに上を行くということになり、メーカーの、時代を見越した商品化の着眼点の素晴らしさだろう。

 このゲーム機器のヒットの要因は、従来のゲームの基本操作方式だったリモコンでのボタン操作の概念を覆し、リモコンを振り回してゲームができるという新しい概念、つまりストレス発散にもなるような体の動かし方で操作するというのが受けた大きな理由だろう。

 Wii本体にワイヤレスで結ばれるWiiFitでは、体を動かしてリモコン操作をするという概念をさらに拡張し、ボードに乗ってさらに積極的に体全体を動かすというエクササイズ目的のプログラム&ゲームが中心だ。

 エクササイズとしては、ストレッチ、ヨガポーズを含むコアトレーニング、有酸素運動、体全体を使うゲームなど40種類以上も含まれるものだが、これらは大メーカーが専門家の指導のもとで開発したこともあり、ちゃんとやると運動不足解消にもつながることを消費者に容易に連想させるというのが憎い。その上、なんといっても楽しみながら家庭内で運動不足解消できそうな気にさせる。それがメタボという時流に乗って大ヒットともなったのだろう。まさに、新医療制度サマサマというのがメーカーの本音だろう。

 残念ながらまだ持ってないため具体的な感想は書けないが、いずれ買ってしまいそうだ。その時にはあらためてご報告したいと考えている。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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新しいヘルスケア・サービスを巡る動き(後編)

2008年05月16日


長野重美

4月から始まった新医療制度(特定検診・特定保険指導)に伴い、メタボリックシンドローム対策に対する国民の認知と意識が急速に高まりつつある中で、メタボ対策向けの各種のサービスが登場し、携帯やPCでの健康データ分析と専門家によるアドバイスなどが受けられるようになっていることを前回書いた。

新たに登場している各種の健康管理サービスは、新医療制度の主眼の一つでもある予防医療への転換に伴い、顧客が主体となって健康管理をするという新たな土壌とそれに伴う新しい市場ニーズが増大することを想定したものだといえる。

一方米国の健康管理サービスに目を転じると、米国では日本のような公的医療保険制度が発達していない背景もあり、国民(とはいえ知識層が中心)は、自分で判断していかに健康管理をするかという意識の点では逆に一歩進んでいるかもしれない。

ちなみに、米国の保険制度は、日本のような国民皆保険制度とは違い、 一般には民間の医療保険が主体となっており、公的保険は、主として低所得者、慢性疾患をもつ患者や高齢者を対象にしており、国家としての医療保険制度としては多くの課題があるようだ。そして、民間の医療保険に加入していても、医療サービスを受ける上での条件が厳しかったり、また保険に加入していても医療を受けること自体が高価であるなどもあり、自衛のために自分で健康管理をするという意識が強くなった面もあるようだ。

こんな中で、米国では健康管理サービスも各種のユニークなものがある。特にユーザの選択も厳しいことから新しいサービスが生まれやすいこともあって、「Health2.0」とも呼ばれる新しい健康サービスが米国の巨大ネット企業から相次いで登場し、話題となっている。それぞれが革新的でユニークなサービスを提供しようとしていて注目される。

特に注目されるのは、今やYahooやMicrosoftを押しのけてネット界の主役の座についたGoogleだ。この2月に開催されたHIMSS(ヘルスケア情報管理システム協会)の年次大会では、新しい健康サービスであるGoogle Healthを発表した。Google社は昨年末個人向けのゲノム分析サービス(唾液を郵送すると999ドルで実に多用なDNA鑑定情報が得られるもの)をする23andMeの買収で話題となったばかりであり、このゲノムサービスとの連携サービスが注目されるところだ。自分の遺伝的特性による疾病の可能性分析結果に応じた具体的な対応方法などの情報や、アドバイスなどを得られるサービスなどで、健康管理もより目的に沿って具体化できるだろう。

その他では、この「ヘルス2.0」としての参入を発表したのは、AOL創設者によるRevolution HealthやマイクロソフトのHealthVault、仮想世界セカンドライフ内にIBMバーチャル・ヘルスケア・アイランドという島を開設すると発表したIBMなど、ネット関連企業の進出が相次いでいる。これらは、米国の国民の間でも新たな健康管理意識が急速に高まってきているからだろう。

ユーザは自分の好みでサービスを選択できるという点で、どれも同じようなサービス内容の日本とは大きく違っていて、それぞれの健康意識のもち方にも差がある国民性を反映しているということなのかもしれない。

また、注目されるのは、Carolという個人医療向けのマーケットプレイス(医療サービスでの提供者と利用者の双方が情報を交換する場)の登場だ。米国のように自由診療が中心の場合には、治療行為の品質や価格の透明性が大変多きな要素になるが、これらを前提とするこのシステムは医療提供側の競争を促すような環境をも生み出す可能性もあり、この新しいサービスは画期的なものだといえよう。

米国を始め他の先進国では電子カルテなどの医療データのネット化が進んできた背景もあり、医療情報がかなりオープンにされている。このような環境から自分がかかった診療結果のカルテやCT画像などもシステムに連携することができることにもなる。ユーザ中心のニーズの流れが「Web2.0」へと進んできたことと同様、いわば健康管理の新しいニーズの流れが「Health2.0」へと進化してきたともいえよう。

これに対し、医療情報のネット化が遅れ、かつ閉ざされた日本の医療情報システム環境の中では、「Health 2.0」ような革新的な健康サービスの登場は日本では当面お目にかかれないかもしれない。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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新しいヘルスケア・サービスを巡る日米の動き(前編)

2008年05月09日


長野重美

メタボリックシンドローム対策と生活習慣病対策、および長期的視点での医療費の削減を背景とするこの4月から始まった新医療制度(特定健診・特定保健指導義務化)は、ご存知のようにこれまでの医療制度にない予防医療への方向転換という新しい側面がある。

予防医療への転換ということの意味合いは、究極的には自分の健康はできるだけ自分で守るということでもあり、特にこの秋から実施される特定保険指導というこれまでにない病気予防重視の制度がスタートすることは実に画期的なことだ。

この制度の対象となるのは、40歳以上75歳未満の約4500万人という大規模なものだが、そのうち何割かは特定保健指導の対象者となる。これだけ多くの対象者を生活指導するためには、クリニックなどと連携した企業や行政の手による運用だけでは果たしてうまく機能するのかどうかに課題がある。

一部の大企業などでは社員向けに、この特定保険指導への対応準備も進めている。しかし、資金面や人材面で余裕がない多くの企業勤務者や主婦層、そしてリタイアしたシニア層の家族など、大部分の人は行政も手が届かないようなことになりはしないか。彼らこそが、まさに自ら自分の健康管理に努めざるを得ないということになる。

このような巨大なメタボリックシンドローム市場は、2010年には3兆6千億円とも見られる。その巨大市場を目指し多くの企業がビジネスに既に参入している。その中で、企業や行政では対応しきれない人達に対し、個人向け健康管理サービスがどのような形で普及するかが注目されるところだ。

個人向け健康管理サービスの多くは、ネットを活用し、自分の体の状態をシステムに登録しながら、必要に応じて専門家のアドバイスを得られるような仕組みを持っている。しかし、どれもほぼ同じようなサービスで、これならサービスを受けてみようという気になる有効でユニークなサービスはまだ少ないように思う。

また、シニア層の多くはネット環境にも馴染めないというハンディーもあり、日本ではネットだけでなく、地域のコミュニティーをうまく活用するような新機軸のユニークなサービスが登場することが期待される。

次回は、米国でのネットによる健康管理サービスの最前線をお伝えすることにしょう。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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素人にもできるソレンスタムのコア・トレーニング(後編)

2008年04月25日


長野重美

 近年は体幹筋とか深層筋とかいわれる内部筋肉であるコア部の筋肉トレーニングの重要性が見直されるようになったため、最近のトップアスリート達はコアトレーニングを重視したトレーニングをしている。プロ選手だけでなく、一般の人にとっても体のコア部を鍛えることは、体の動きをスムースにし、姿勢やバランスのよい体を作るうえで大切であることを前回書いた。

 そしてこのコア・トレーニングを中心にしたトレーニングをやっているのが、テレビの番組でも取り上げられたスウェーデンの女子プロゴルファー アニカ・ソレンスタムだ。彼女は自分のすべてを公開し、ゴルフの普及に役立てるために、ゴルフ・アカデミーを主宰している。ここでは、彼女のフィロソフィーから、コースマネージメント、ゴルフの実践までの講座があるが、ここでも特に力を入れているのがコア・トレーニングを主体とするフィットネスだということをテレビで語っていた。

 番組で語られていることを集約すると、彼女のフィットネスに対する考えは以下の3点に集約される。

・表面にある腹筋などの筋肉トレーニングは体のバランスを悪くし、また他の連動する筋肉類の連携動作をカットした状態になり、激しい運動では怪我することに繋がるために彼女の開発したコア・トレーニングを中心に行う。(実際彼女は過去毎日1000回もの腹筋運動をしていたが、今はやっていない)

・ マシンを使ったトレーニングは、一部の筋肉を使うことになるのでむしろやらない。

・ 体のバランス維持のためには、右利きでも左利きでも左右平等のトレーニングが必要。

以上の考えのもとでのコア・トレーニング方法は、プロ・アマを問わずにやれる次のようなごく簡単な方法だという。

・ 両足を肩幅に広げて、膝を軽く曲げ、腹筋の下部を引っ込めて力をお腹にいれて立つ。

・ 手にダンベルなどの重しを握り、腕をまっすぐにしてへその下から肩の横上にゆっくりと呼吸しながら持ち上げる。その時肩を十分に広げるようにし、そのまま同じ軌跡で手を元の位置にもどす。(両手を交互に、繰り返すが頭の位置は動かさないよう注意する)

これがすべてという実に簡単なものだが、これで脚から腰、そして背中、腕の筋肉類の連携を強くするトレーニングが一度にできるそうだ。この結果、体の軸がしっかりするとともに、安定したアドレス、安定したスイングを作るための体の調整機能を向上させることができるという。

「シンプル・スイング」と称されるソレンスタムのパワフルで、安定したスイングの秘密もまたこの簡単なコア・トレーニングの繰り返しによるものだそうだ。

これは実に理にかなったトレーニング方法だと考えられるので、ゴルフやテニス好きの読者にはぜひおすすめしたい方法だし、また一般の人にとっても体の衰えを活性化し、姿勢をよくするためのコア・トレーニングとしてお奨めといえるだろう。

ちなみに、彼女のモットーは「ラーゴン」だという。この言葉は彼女の出身であるスウェーデンでは「人生はバランス」という意味だそうで、夢を持ちながら一生懸命取り組むこと、そして忙しいなかで新しいことを学び、それが毎日を楽しくするものだとし、彼女はそれを毎日実践しているという。一人の有能なゴルファーの枠を超えた、実に素晴らしい考えをもつ人物だ。

「アニカ・アカデミー」は、宿泊、ラウンド、朝昼食事つきで2日間2500ドルから。直接彼女から教えてもらいながら一緒にラウンドもできるとのこと。ご興味ある方はサイトをごらんください。「ANNIKA Academy」 


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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素人にもできるソレンスタムのコア・トレーニング(前編)

2008年04月09日


長野重美

一昔前までのアスリートのトレーニングといえば筋肉、それも表層部の筋肉づくりが基礎トレーニングの中心だったが、近年は体幹筋とか深層筋とかいわれる内部筋肉としてのコア部の筋肉トレーニングの重要性が見直されるようになった。最近の例では、男子スケートの高橋大輔が1昨年みっちりコア・トレーニングを採用した結果、昨年から世界ランクトップに定着し、ご承知のような見事な成果をあげるようになった。

今やアスリートがトップの座に長く君臨するには、選手寿命を延ばすこと、怪我を少なくすること、かつ敏捷性やバランス力を保つことの3点から、コア部のトレーニングを鍛えることが秘訣だとも言われるほどになってきた。

しかし、アスリートだけでなくわれわれ一般の素人も体のコア部を鍛えることは、体の動きをスムースにし、姿勢やバランスのよい体を作るうえで大切なことだ。また、現代生活環境の中では体を動かすことが少ないため、特にコアの筋肉類が衰え、姿勢も悪くなり、足腰痛の原因ともなる。その結果体の老化度を早めることになるため、体幹筋の強化が必須だということは既にこのコラムでも何度か取り上げてきた。つまり、体のアンチエイジングにはコア部の強化がどうしても必須ということになる。

ところで、実際のプロのトレーニングについては、今まで具体的な方法がどんなものか知らなかったが、ご存知の女子プロゴルファーアニカ・ソレンスタムのことが先日テレビで紹介され、その中で彼女が実践する具体的なコア・トレーニングのことも紹介されていた。

ソレンスタムといえば、この2年は脊椎ヘルニア(実際には頚椎の故障だという自身の話)で低迷していたが、今年は復調の兆しも見え、5年以上続いた女王の座を復活することが期待されている。そして、多くの女子プロゴルファーにもお手本のような存在だとかで、かの宮里藍ちゃんももっとも尊敬するゴルファーだそうだ。
彼女は数年前に、「ゴルフとフィットネスに対する情熱を分かち合いたい」という考えから、プロ・アマを問わず彼女のゴルフのすべてを公開し、ゴルフを楽しみながら学べる「ANNIKA Academy」を開いている。

アカデミーでは、彼女のフィロソフィーから、コースマネージメント、ゴルフの実践までの講座があるが、特に力を入れているのがフィットネスだということをテレビでも語っている。

番組で語られている彼女のフィットネスに対する考えとコア・トレーニングについての考え、さらにその実際方法は実に理にかなったものであり、また素人にもそのまま応用できるものだ。

その話は長くなるので続きは次回に。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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素人にもできるソレンスタムのコア・トレーニング(前編)

2008年04月09日


長野重美

一昔前までのアスリートのトレーニングといえば筋肉、それも表層部の筋肉づくりが基礎トレーニングの中心だったが、近年は体幹筋とか深層筋とかいわれる内部筋肉としてのコア部の筋肉トレーニングの重要性が見直されるようになった。最近の例では、男子スケートの高橋大輔が1昨年みっちりコア・トレーニングを採用した結果、昨年から世界ランクトップに定着し、ご承知のような見事な成果をあげるようになった。

今やアスリートがトップの座に長く君臨するには、選手寿命を延ばすこと、怪我を少なくすること、かつ敏捷性やバランス力を保つことの3点から、コア部のトレーニングを鍛えることが秘訣だとも言われるほどになってきた。

しかし、アスリートだけでなくわれわれ一般の素人も体のコア部を鍛えることは、体の動きをスムースにし、姿勢やバランスのよい体を作るうえで大切なことだ。また、現代生活環境の中では体を動かすことが少ないため、特にコアの筋肉類が衰え、姿勢も悪くなり、足腰痛の原因ともなる。その結果体の老化度を早めることになるため、体幹筋の強化が必須だということは既にこのコラムでも何度か取り上げてきた。つまり、体のアンチエイジングにはコア部の強化がどうしても必須ということになる。

ところで、実際のプロのトレーニングについては、今まで具体的な方法がどんなものか知らなかったが、ご存知の女子プロゴルファーアニカ・ソレンスタムのことが先日テレビで紹介され、その中で彼女が実践する具体的なコア・トレーニングのことも紹介されていた。

ソレンスタムといえば、この2年は脊椎ヘルニア(実際には頚椎の故障だという自身の話)で低迷していたが、今年は復調の兆しも見え、5年以上続いた女王の座を復活することが期待されている。そして、多くの女子プロゴルファーにもお手本のような存在だとかで、かの宮里藍ちゃんももっとも尊敬するゴルファーだそうだ。
彼女は数年前に、「ゴルフとフィットネスに対する情熱を分かち合いたい」という考えから、プロ・アマを問わず彼女のゴルフのすべてを公開し、ゴルフを楽しみながら学べる「ANNIKA Academy」を開いている。

アカデミーでは、彼女のフィロソフィーから、コースマネージメント、ゴルフの実践までの講座があるが、特に力を入れているのがフィットネスだということをテレビでも語っている。

番組で語られている彼女のフィットネスに対する考えとコア・トレーニングについての考え、さらにその実際方法は実に理にかなったものであり、また素人にもそのまま応用できるものだ。

その話は長くなるので続きは次回に。


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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三浦雄一郎さんとDNAチップ

2008年04月04日


長野重美

アンチエイジングを代表する人の名前を挙げるとすると、まず思い浮かべるのはプロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんということになろう。

その雄一郎さんが次男の豪太さんとともに、2度目のエベレスト(今回は中国側から登るのでチョモランマという名称になる)登頂に先日出発されたが、前回の70歳という最高齢記録を5歳上回り、今回はなんと75歳の最高齢者として世界最高峰の登頂に挑まれることは既に先日の記事でも紹介されている。

この75歳という年齢は、8000mを超える山頂付近では酸素不足からくる肉体生理学的な影響から、なんと150歳の体力に相当するというのだから、本当にすごいことだ。150歳を生き抜いた人物は存在しないので、どんな体力なのか想像することはできないが、100歳くらいだとある程度は想像できるかもしれない。例えていうと、元気でも100歳にもなると歩くのはヨチヨチ歩き、ちょっと歩いては休んでまた動きだすという動作の繰り返しになるのが当たり前ということになろうが、低酸素状態の山頂ではこの状態に加えてさらに酸素不足からハアハア息をするという状態が続き、体を動かすこと自体が苦痛の連続で肉体的には極めて過酷そのものになると想定される。

ところで、雄一郎さんの驚異的なアンチエイジングの要素として考えられるのは、父上の敬三さん(一昨年101歳で死去)の遺伝子を引き継いでいるからだとされているが、個人のアンチエイジング度合いは遺伝子要素が2割くらいだとされ、残りの8割がライフスタイルによるものだとされているので、雄一郎さんの驚異的なアンチエイジングの2割は遺伝的要素も確かにあるだろう。

雄一郎さんは自分のやろうとする無謀ともいえる夢について「これはアンチエイジングへの挑戦だ!」と常々仰っているが、遺伝子だけでは登頂はできない。専門化の支援をもとにした常日頃からの厳しいトレーニング努力の成果とともに、その夢に向かった不屈の精神に支えられての登頂ということになろう。

三浦一家のアンチエイジングを医学的に検証しておられるのが順天堂大学の白澤先生だが、雄一郎さんの遺伝子状態を逐一解析するために特別に開発されたDNAチップが使われているとの先生の話だ。

このDNAチップにより、同時に2万5千の遺伝子の状態を解析でき、雄一郎さんの遺伝子研究スピードを飛躍的に高めることが可能となっているそうだ。そして、今回の雄一郎さんのトレーニング中もこのDNAチップを使い、例えば低酸素状態での遺伝子の変容を探るなどの研究をしているとのことだ。

DNAチップについては、ヒトゲノム解明プロジェクトの成果として、2000年に人間の遺伝子は2万5千程度あることが判明したという発表の際に、その存在をわれわれは知った。この際使われたDNAチップとは、30億から成る人の全DNA配列を解析するのに必要な膨大な演算処理のために使われる半導体チップのことで、今では医学やライフサイエンス各分野でもさまざまなDNAチップが活躍している。

その例を挙げると、癌やアルツハイマーなど各種疾病の基礎研究や臨床分野、医薬品の毒性・副作用・薬効を確認する治験分野、そして食品タンパク質の分析、農薬の安全効果など実にさまざまな分野での利用が挙げられるようになり、今やわれわれの健康とアンチエイジングには欠かせない存在ともなりつつある。そして、われわれのアンチエイジング度合いを測定するサービスもあり、そこでは遺伝子要素分析や老化度を判定するためにも使われたり、あるいは遺伝的要素から個人の肥満状態を測定し、ダイエットの指針にするなどでも使われているとのことだ。

DNAチップの利用を背景として、今後は各種の研究が進むとともに、病気にならない体質への転換や、癌や糖尿病、アルツハイマーなど直りにくい疾病治療分野へのさまざまな進展が進み、われわれのアンチエイジングも飛躍的に高まることが期待される。

三浦父子のチョモランマへの無事登頂と、雄一郎さんのアンチエイジングへの挑戦の夢がかなえられることをみんなで応援しよう。

080404nagano.jpg
[写真説明]三浦雄一郎さんと父の故敬三さん(c)ミウラドルフィンズ


<ロング(元気学校アンチエイジング・サロン コラムニスト)>


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「ワクチン・ギャップ」

2008年03月28日


長野重美

ウイルスの突然変異による新型インフルエンザの脅威として、「パンデミック(感染症の蔓延)」の脅威が迫ってきているということを1ヶ月ほど前に書いたが、この対策としてもっともわれわれの身近な感染防止策として期待できるものはといえば、やはり有効なワクチンの接種ということにつきる。

新種の抗インフルエンザウイルス薬や鳥インフルエンザ(H5N1)に対するワクチンとしてのプレパンデミックワクチンの備蓄計画としては、すでに備蓄済みの効き目が定かでない1000万人分、新たに開発される製造中の1000万人分と合わせ、3000万人分のワクチンが備蓄されることがようやく決まったが、先進国のように全国民を対象とする備蓄計画は製造体制の問題や予算問題から今のところ無理な状況のようだ。

一方、欧米諸国では既に全国民を対象としたプレパンデミックワクチンの早期備蓄を1年以上前から着々と進めている。
さらに、新型インフルエンザ発生に対する対応体制として、行政と医療関係者だけでなく、交通機関や食品関係などライフライン従事者、製薬会社、従業員向け対策を進める企業、市民団体などを連携する緻密なアクションプランを作り、また医療関係者や国民への予備訓練もすでにすすめているというように、新型インフルエンザ問題をまじかに迫った切実、かつ最大の国家的リスクと捉えて行動している。

これに対し、日本はワクチン対応の遅れだけでなく、「パンデミックへの脅威」に対する取り組みに対する国家としてのリスク管理としての対応姿勢が懸念される。

まず必要となるワクチン対応としての行政の姿勢としては、これまでのワクチン接種でおきた事故や感染症に対する誤