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「ヒジキからヒ素」説に大反論-むしろ大腸がんの予防に効果
■旭利彦「食養生訓」
地味ながら栄養豊富な海藻として知られるヒジキ。発がん性が指摘される無機ヒ素が高濃度で含まれていた-と英食品規格庁が衝撃的な発表をした。日本の厚生労働省では、珍しく素早い対応で、ホームページ上で、「リスクは低い」と反論している。本当に安心して食べられるのか。専門家を直撃した。(2004.08.05掲載)
平安時代から日本人が食べていたヒジキ。健康食にくわしいノンフィクションライターの旭利彦氏によると、「ノンカロリーで食物繊維を豊富に含み、便秘気味の人やダイエットをしたい人にもってこい」と現代でもスグレ物の食品だ。
さらに、「甲状腺ホルモンに使われるヨード分や、血液の循環や脳の機能維持に役立つマグネシウムが多く、日本人に最も不足しているカルシウムは牛乳の約13倍も含まれている」といいことづくめ。
なぜ英食品規格庁が噛み付いたのか。報道では、日本産のヒジキをサンプル調査したところ、無機ヒ素が、他の海藻に比べ高濃度で含まれていることが分かったとして、先月28日に発表。国民に食べないように勧告している。
これに対し、日本の厚労省はHP上で、摂取量の試算を基に、リスクが極めて低いことを告知。魚のDHA研究などで知られる東京海洋大学大学院の矢澤一良教授(農学博士)も、過剰反応を一笑に付して、こう解説する。
「この手の話はよくある。マウスレベルの話であって、人間が魚のコゲでがんになるためにはトラック1杯分のコゲを食べなければならない-ことと同じ。実験で無機ヒ素が検出されたことは事実だろうが、その量でがんになる危険性を憂えるのと、ひじきを食べないことによる健康面での悪影響を危惧するのでは、どう考えても後者のほうが深刻である」
矢澤氏は、むしろ効用を強調する。
「ヒジキは食物繊維などの宝庫で、食べることによる大腸がんの予防効果の方が大い上回る。どんどん食べるべきだ」
「現代においてはどんな食品も、詳細に分析すれば何らかの悪玉因子が検出されることが考えられる。その量を人間の一生で食べる量に換算してその悪影響がどの程度のものなのかを、十分に考えて発表するべき。消費者側にもそれを見抜く力が求められる」
