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目の前に黒い影…「飛蚊症」、中高年なら早めの対処を
【[病気]】
目の前に黒い糸くずや蚊のようなものが浮いて見える症状を『飛蚊(ひぶん)症』というが、中高年になって突然自覚したら早めに原因をハッキリさせた方がいい。原因によっては、放置したままだと次第に視野が狭くなり、治療しても回復が難しくなる可能性があるからだ。(2004.08.10掲載)
造船関連会社に勤める君塚三男さん(仮名、52歳)が眼科の診療所を受診したのは、もうすでに左目の視野が欠け始めてからだ。「細かい糸ゴミみたいなものは、もう半月ぐらい前からチラついていました。それに暗い所でもチカチカ光を感じる症状(光視症)もあったのですが、疲れ目程度にしか思ってなく、あまり気にしなかったんです。そうしたら急に足下の方から見えなくなってきたんです」。診療所で『網膜剥離』と診断された君塚さんは、病院を紹介され手術を受けた。
治療を担当した東邦大学医学部付属大橋病院・眼科の竹内忍教授は、この病気と飛蚊症の関係についてこう話す。
「飛蚊症には特に問題のない生理的なものがありますが、目のフィルムの役目を果たす網膜に裂け目ができる網膜裂孔でも現れます。飛蚊症や光視症は網膜列孔の特徴的な症状で、この時点で治療を行えば通院で治すことができる。しかし、放置すると網膜がはがれる網膜剥離を起こす恐れがあり、とくに中高年の場合は急速に広がり、著しく視力が低下します」
中高年の急変は目玉の中にあるゲル状の線維組織(硝子体=しょうしたい)が、加齢現象により液化することが大きく影響する。手術でもこの硝子体を除去し、網膜裂孔をふさぐことが主体になる。
「目玉に3カ所穴をあけ、器具を入れて硝子体を刻みながら吸い込む。後はガスを注入して膨らませ、裂孔は内側からレーザー光凝固でふさぎます」(竹内教授)
術後、苦労するのは自然にガスが抜けるまで入院中の4、5日下を向いていなくてはいけないことだ。退院後1カ月、君塚さんの視力は順調に回復に向かっている。
竹内教授は「網膜剥離が黄斑部という場所まで進んでいると、元通りに回復するのは難しい。約15%が両眼なので、もう片方にも裂孔があればレーザーでふさぐ必要がある」と語る。
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<<君塚さんが「網膜剥離の手術」でかかった入院治療費概算>>
◎初診料(病院・時間内、紹介患者加算含む)/4,050円
◎再診料(退院後の通院72点×3回)/2,160円
◎指導料(薬剤管理指導、退院時服用指導など)/4,000円
◎検査料(眼底検査、超音波検査など)/40,200円
◎画像診断料(胸部単純X線1枚)/2,590円
◎入院料(6人部屋9日間、看護料など含む)/169,170円
◎処置料(術後の創傷処置など)/3,460円
◎注射料(輸液、抗生物質の点滴など)/11,020円
◎手術料(硝子体茎顕微鏡下離断術、麻酔含む)/215,690円
◎投薬料(抗生物質、ステロイド剤の点眼薬)/4,180円
●合計456,520円
◎社保・本人3割負担(10円以下四捨五入)/136,960円
◎食事自己負担(780円×9日間)/7,020円
◎病院窓口支払金額合計/143,980円
※支払金額がひと月に72,300円を超えた場合、申請すれば返還される
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