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ツーカーS、人気の秘密は「巣鴨の声」
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【デジタル家電ニュース】
メールや写真撮影、ボイス録音に音楽再生など、最近の携帯電話の機能は007の小道具に勝るとも劣らない。取扱説明書のぶ厚さも辞書並みだ。ところが、その“取説”が付かない携帯電話が人気を呼んでいる。「携帯電話は操作が難しい」と敬遠しているシルバー層向けに先月発売された「ツーカーS」=写真左=だ。(2004.12.20掲載)
写真でご覧のとおり、ツーカーS本体には数字キーと「通話」「切」のボタン、スライド式の電源スイッチしかない。液晶画面さえ付いていない、ある意味で常識破りな携帯電話だ。
この製品を開発した京セラ移動体通信機器統括事業部マーケティング部の矢島孝之氏(32)=写真右=は「最初に決まったコンセプトは、“説明書がいらないくらいカンタンな通話専用ケータイ”でした。ただ、本当に需要があるのか、僕らも半信半疑でした」と語る。矢島氏はこれまで「自分が欲しいものは他の人も欲しいはず」という考えで携帯電話を開発してきた。そんな矢島氏にとってツーカーSはまったく未知の商品だったのだ。「そこでまず、ユーザーの声を聞こうと巣鴨に出かけたのです」。
東京・巣鴨といえば、「とげぬき地蔵尊」参りなどに高齢者が多く訪れる“おばあちゃんの原宿”。「その巣鴨に4回ほど調査に行きました。発泡スチロールでモック(模型)を作って、道行くお年寄りにどう思うか聞いたり、ベンチに座っているおじいちゃんとお茶を飲みながら携帯電話について語ってもらったのです」(矢島氏)。
通常、携帯電話の開発で調査に割く時間はわずかだが、今回は開発期間の約半分を調査に充てたという。
その結果、液晶画面やメモリダイヤル、アドレス帳など、説明が必要な機能はすべて排除した。ボタンの長押しで電源をオンオフするという携帯電話の“常識”も採用せず、電源はスライド式のスイッチに変えた。携帯電話メーカーとして一番抵抗があった「マナーモード」ボタンも、巣鴨シルバーたちの「使わないときには電源を切るね」という話を聞いて、割り切って削除することができたという。こうして機能を削ったことで部品は少なくなり、その分バッテリーを大きくすることができた・結果として、携帯電話としては破格の連続待受時間約35日の長時間も実現した。
ツーカーSは他の携帯と違い、プレゼント需要が高いのが特徴。離れた場所に住む年老いた両親に子供たちが贈るケースが多いという。矢島氏もこの年末、実家に住む祖父母への手土産として持って帰る予定という。
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