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安楽死よりは…犬を山に放ったら餓死の運命に
【サラリーマン大失敗物語】
●今週の失敗者=松田信二さん(仮名)、30歳、人材派遣会社勤務
「僕は某都市の保健所近くに住んでいて、散歩しながら近くを通ると、時折、犬の飼い主が、犬を車から降ろす場面に出会ってしまいます。犬は殺されるのが本能的にわかるのか、両足を踏ん張って必死に抵抗している。そんな姿を見るたびに、何かしなければと思っていました」(2004.11.24掲載)
それで松田さんは、ある日、犬を処分場に運ぼうとしている飼い主に「どうして捨てるのですか?」と声をかけた。
すると、ある若い女性は「ビーグル犬は流行に合っていないのよね。これからはやっぱチワワでしょう」と笑い、別の中年男性からは「おまえに聞かれる筋合いはないよ。俺の物なんだから、焼こうが煮ようが勝手だろう!」とすごまれた。
「もう嘆かわしいです。飼い主に忠誠を誓ったペットをこんな形で捨てるなんて。僕はこの中の1匹でも2匹でも助けられればと、行動を起こしたんです」
松田さんは仲間5人を集めて保健所と交渉し、成犬6匹を引き取った。ところが、メンバーは全員アパート暮らしで、自宅でペット飼育は禁止されている。里親探しをするも、子犬ならともかく、成犬では貰い手もすぐには見つからない。
そこで松田さんは、近県の山奥に犬を放すことを思いついた。そこは野犬がいることで有名な場所。犬はうさぎ、キジなどをハンティングし、夜は里に降りて人間の残飯を漁りながら生きている。環境は厳しいが、処分場で殺されるよりも、野良犬として生きてほしいと考えたのである。
「僕らは何度も犬たちの頭を撫でながら、「しっかり生きるんだぞ」と言って放しました。犬たちは何度も何度も振り返りながら、山奥に入って行ったんです」
ところが、1カ月後、様子を見に山に入ると、とんでもない結末が待ち受けていた。ガリガリに痩せた犬3匹が、山道奥で身を寄せ合いながら死んでいたのである。
「僕は「許してくれ」と言いながら、その亡骸にすがって泣きました。餓死するくらいなら、まだ保健所で安楽死させられたほうがよかったのかも。僕らの考えは浅はかでした…」
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●教訓
救いの手を差し伸べた先が、必ずしも幸せになるとは限らない。
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