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脳動脈瘤を切らずに抑える「コイル塞栓術」とは?
【[病気]】
クモ膜下出血を引き起こす脳動脈瘤の治療に、特殊なコイルを使って治す「血管内手術(コイル塞栓術)」が日本に導入されて7年。メスを使わないため体への負担が軽く、社会復帰も早い。患者にとっては治療の選択肢が増えるなどのメリットがあるが、手術の実際を知っている人は少ない。そこで日本神経脳血管内治療学会認定医が全国で250人を超えたのを機に、この新タイプの脳外科治療を広めようとの動きが活発化している。(2005.01.11掲載)
●コイルによる新治療法
塞栓術が普及している欧米では従来の開頭手術(クリッピング)との比率は5対5。日本では塞栓術はまだ15%だ。その第一人者で日本脳神経血管内治療学運営委員、坂井信幸・神戸市立中央市民病院脳神経外科、脳卒中センター医長は、こう説明する。
「足の付け根の血管からカテーテルを入れて頭の中の動脈瘤まで誘導します。次に、カテーテルを通して細くやわらかいプラチナ製の医療用コイルを脳動脈瘤に運び、順次、瘤の中に詰めていく。これで動脈瘤への血液の流れが遮断され破裂を防ぐのです」
未破裂で見つかった場合、直径が10ミリ近くまで成長した脳動脈瘤が破裂する確率は年に1%前後。これが25ミリの巨大動脈瘤では10%と跳ね上がる。破裂すれば、クモ膜下出血を引き起こし、約5割が死に至る。初回出血が軽く済んでも、怖いのは再出血だ。
「1回目の破裂から72時間以内に起きることが多く、再出血で死亡したり重い後遺症を患う人が目立ちます。社会復帰できるのは3割しかいません」(坂井さん)。

●外科医と専門医のダブルチェックを
この“脳内の爆弾”を抑えるには、未破裂脳動脈瘤を早期発見し予防につとめることだが、「MRI検査だけでは不十分。脳血管造影検査も受けることです」と坂井さん。
大事なことは、要治療の極めて危険な瘤が発見されたときの対応だ。
「破裂する前の段階では、どちらの治療法を選ぶかを考える時間があります。外科医だけでなくコイル塞栓術の学会認定の専門医・指導医にも相談して決めることをすすめますが、いずれにしても担当医の説明を良く聞いて判断しましょう」
●学会のHP活用
専門医などを探すには、学会のホームページ(http://www.jsnet.umin.jp/)にアクセスし、「専門医制度」-「専門医名簿/指導医名簿」をクリックして251人(昨年12月1日現在)を調べ、最寄の病院まで足を運ぶといい。
「クモ膜下出血の症状は突然の頭痛、吐き気、けいれんなどが特徴。救急病院へ一刻も早く搬送して、72時間以内に適正な処置をしてもらうのがカギです。とくに1回目の治療が肝心で、そのためにも事前に専門医などがいる病院を知っておくことですね」
血縁にクモ膜下出血で亡くなった人などがいる場合は要注意。心当たりのある人は一度、検査をしておこう。
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●コイル塞栓術術が向く人
・形状がコイル塞栓術に適した脳動脈瘤
・従来のメスによる開頭手術ができにくい場所にある動脈瘤
・重症のクモ膜下出血
・高齢者
・心肺機能が低下して体力的に開頭手術ができない人
・短期で職場復帰したい人
・頭髪をそりたくない人など
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