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3代続く経験と技術で「甲状腺がん」見逃さない
【名医・名薬はコレだ】
東京・原宿の表参道に面して建つ伊藤病院は、68年にわたって甲状腺疾患に特化した治療を行ってきた日本有数の甲状腺専門病院だ。同病院の伊藤公一院長は、創業者である祖父から続く三代目。「生まれた瞬間から甲状腺の医者になることが義務付けられていたので…」と笑うが、同院で年間1500件前後も行われる甲状腺手術の大半にかかわる、日本を代表する甲状腺疾患専門医の一人だ。(2005.04.18掲載)
伊藤病院のロゴマークには「チョウ」が描かれている。のど仏の下にある小さな器官の甲状腺が、チョウが羽を広げたような形をしていることに由来する。この器官は人間の元気を支配するホルモンを分泌するが、そこに異変がおきると、何もしないのに汗をかいて心臓がドキドキしたり、反対にまるで元気が出ずに鬱(うつ)病のような症状が出たりすることもある。
甲状腺疾患というと、女性がかかる病気─と思い込んでいる人は意外に多い。しかし男性にも甲状腺はある。たしかに橋本病(甲状腺機能低下症)は20対1と圧倒的に女性が多いが、バセドー病(甲状腺機能亢進(こうしん)症)は4対1、甲状腺がんも7対1の割合で男性に起きている。
甲状腺がんには乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様がん、悪性リンパ腫、未分化がんの5種類があり、日本では甲状腺がん全体の9割以上が乳頭がん。甲状腺にできるがんの大半は進行が遅く自覚症状がないことから、「がんに気付かずに10年以上過ごしていたというケースも珍しくない」(伊藤院長)というほど。
甲状腺がんの手術について伊藤院長は、「専門医がいない病院では一般外科の医師が手術を行うことになります。しかし、甲状腺の周囲には声帯の動きを支配する反回神経など重要な臓器が多く、豊富な経験と熟練した技術が必要。経験が少ない医師ががん組織を取り去ることだけを優先するあまり、必要以上に組織を切除してしまうと、術後のQOLが大幅に低下してしまいかねない」と語る。
しかし日本には甲状腺専門の病院も医師も少なく、そのために伊藤病院を目指して全国から患者が集まってくる。
同病院の存在を知って転院してきたという都内に住む40代の女性患者は、「腫瘍が悪性化していないか定期的に検査しなければならないのですが、首に注射針を刺して細胞をとる検査なので、正直言って怖いんです。以前の病院ではこの検査に時間がかかってつらかったのですが、ここに来てからは手なれた感じであっという間に終わってしまうので恐怖心も少なくて済みます」と語る。
伊藤院長も検査には絶対の自信を見せ、「2―3ミリのがんでも100%見逃しません」と言い切るほどだ。
また同病院では、最近まで手術以外に有効な治療法のなかった良性の甲状腺腫に対して「PEIT」という最新の治療法も導入している。
「甲状腺にエタノールを注入することで、腫瘍をつぶしてしまう治療法です。安全性が高く入院の必要もないのですが、エコーを見ながら腫瘍の中の目的の場所だけに針を刺すという非常に細かな作業を伴う治療法なので、ここでも経験が治療成績や患者さんの身体的な負担の大きさまでも左右することになります」(伊藤院長)
日本人の大規模病院志向や大学病院信仰は根強いが、「甲状腺治療だけをする病院」と「甲状腺治療もする病院」では、内容の充実度に違いが出るのは当然だ。わずか60床の小規模病院でありながら、同病院が全国から患者を集めている事実を見れば、病院は規模だけで選ぶものではないことは明白だ。
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■いとう・こういち 1958年東京都生まれ。83年北里大学医学部卒業後、東京女子医科大学大学院修了。シカゴ大学病院内分泌外科などを経て、95年伊藤病院。98年から同院長。現在、東京女子医科大学と筑波大学で講師、日本医科大学で客員教授を務めている。医学博士。著書に「甲状腺の病気の治し方」(講談社刊)など
<「甲状腺の病気の治し方」→>
<「甲状腺の病気―バセドウ病・橋本病・甲状腺腫ほか」→>
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■病院情報
東京都渋谷区神宮前4ノ3ノ6(地下鉄銀座線、千代田線、半蔵門線「表参道」から徒歩1分、JR「原宿」から徒歩10分)。電話03・3402・7411。診療科目・外科、内科、放射線科。60床。
平成15年の診療実績は、来院患者数約20万600人、年間手術数約1500件。疾患別割合は甲状腺(せん)腫30%、バセドー病27%、橋本病16%など。
昨年、名古屋市中区に提携クリニックとして甲状腺疾患専門クリニックの「大須診療所」を開設。
URL(http://www.ito-hospital.jp/)
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10年も、気づかないなんて。考えさせられますね。考えさせられるといえば。。。
トラックバック時間: 2005年05月09日 00:08

