この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
遺産相続争い回避、8つのポイント
【サラリーマンとおカネ】
お盆休みは、久しぶりに親兄弟や親戚が一堂に顔をそろえる。「我が家の遺産相続」について考えてみる絶好の機会でもある。相撲の若貴兄弟や、人気漫画家・中尊寺ゆつこさんの遺産を巡る争いなどが話題になったが、一般家庭にとっても他人事ではない。遺産相続などのスペシャリスト、高村定憲弁護士に、遺産相続争いを回避するための8つのポイントを聞いた。(2005.08.12紙面掲載)
■(1)「遺言書ナシ」が骨肉の争いに火をつける
開口一番こう警告する。
「私の扱った事件の多くは、兄弟姉妹間の骨肉の争いです。若貴兄弟の争いよりもっとひどいことは多々あります。争いを回避するには、被相続人(財産を残す人)が、きちんと遺言書を作成しておくことです」
トラブル回避の第一歩は、遺言書の作成というわけだが、遺言書があっても、モメめることがある。次のケースを見てみよう。
■(2)「遺留分」も火種になる
遺言書に書かれていなくても、配偶者や子、親は、遺言で侵されない「遺留分」が認められている(ただし1年以内に請求することが必要)。遺言書に遺産を渡さない、と書いてあっても、「遺留分」の相続は主張できる。そのため、これも親族間の火種になる。
反対に、「遺留分」によって相続争いを回避できることもある。それは、夫が死んで、妻と夫の兄弟姉妹が相続争いになるようなケースだ。
「亡くなった方の兄弟姉妹には遺留分が認められていません」(同弁護士)
仮に遺言書に「妻のみに相続」と書かれていれば、「遺留分」が認められてない兄弟姉妹は、それに従うしかない。兄弟姉妹に遺産を相続させたくないときには、遺言書を書いておくことだ。
■(3)法定相続以外の「寄与分」は、証拠が決め手
親の介護をしたり、家業に協力した場合、民法で定められている「法定相続分」に加えて「寄与分」が認められることがある。つまり、プラスアルファの遺産だ。
「〝寄与分〟は相続人の中で被相続人の遺産が減るのを防いだ、あるいは、増やした場合に認められます」
たとえば介護したことによって老人福祉施設に入る費用の出費を防いだ-などが対象。単に、親の面倒を看ていたからというのではダメ。
「大事なのは証拠作り。領収証や日記、家計簿は証拠として役立ちます」
■(4)遺産は速やかにオープンにして
ひとたび遺産をめぐる〝骨肉の争い〟が始まると、被相続人の同居人は、「遺産隠しをしたのではないか」と、別居している他の相続人から疑心暗鬼の目を向けられがちだ。
「被相続人が亡くなったときに、同居人していた相続人は、資産負債を速やかにオープンにすることです。時間がたてばたつほどあらぬ疑いをかけられ、モメる可能性が高くなります」
■(5)遺言の日付に〝吉日〟は認められない
自分で遺言書を作るときには、全文、日付、氏名を自筆で全て書き、署名の下の押印(できれば実印)が欠かせない。
「日付に『何年何月吉日』と書いたため、裁判で無効になったケースがあります。日付はきちんと書きましょう」
「吉日」など余計な文言を入れてはいけないのだ。また、ワープロやビデオ、テープでの作成も無効になる。
■(6)公正証書で、争いを回避する
自筆の遺言であっても、「同居人が書き換えさせた」「不動産の書き方が間違っている」など、後々、問題が生じることがある。どうすればいいか。
「法律家である公証人による『公正証書』の遺言であれば、争いは最小限に食い止めることができるはずです」
公正証書は、全国の公証役場で作成することが可能だ。
「遺言を公正証書で作成した場合でも、遺言の撤回は自由です。ただし、いったん公正証書で作成した遺言を撤回して自筆で書き直したときは、その有効性が相続争いで問われることがあるのでご注意を」
■(7)遺言書は勝手に開封しない
亡くなった親の遺言書が見つかったときは、勝手に開封してはダメ。仮に封書に入っていない紙キレ1枚のものでも家庭裁判所で検認を受ける必要がある。
「検認前の開封では、偽造などの疑いが持たれ、相続争いに発展する可能性があります。また、5万円以下の『過料』を課せられます」
■(8)事が起きる前に弁護士に相談する
親が借金をしていたり、連帯保証人になっていたりするときは、亡くなってから3カ月以内に「相続放棄」や「限定承認」を受けることができる。
遺産がプラスになるのかマイナスになるのか不明なときには「限定承認」が適切。放っておけば、負債を丸々相続してしまうケースもあるからご用心。
「資産や負債の調査など、亡くなった場合には把握しなければならないことが、山ほどあります。スムーズに相続を行うのであれば、まずは弁護士にご相談ください」
------------------------------
■…高村弁護士は、第二東京弁護士会高齢者・障害者財産管理センター運営委員会の副委員長を務める。同弁護士会では、法律相談センターを設置し、さまざまな情報をホームページ(http://www.niben.jp/)で公開している。
トラックバック
私どもも。相続関連業務を、させていただいております。 あなたが、想像なさっているよりも。 もっと。 相続は。 奥深いもので。。。
トラックバック時間: 2005年08月20日 17:00
「遺産相続」・・・、なんて言われるとまだ先の話だからいいよ!! って思われると思うのですが、意外にそうでもなくて、生前にそれなりの準備はしたほうがいいようです...
トラックバック時間: 2005年09月16日 20:23


