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「おれにまかせろ」法律事務所―出張でたまったマイレージで夏休み旅行しちゃダメ?
【サラリーマン実用辞典】
Q 仕事で出張が多く、ほとんど飛行機を利用しているのでマイレージがどんどんたまります。そこで休みの際、マイレージを使って沖縄に家族旅行しました。ところがその後、会社から「マイレージは会社で管理する」とお達しが来て、使った分は個人で弁償しろと言われました。マイレージには自費で旅行した分も含まれているし、他の会社ではそんな話あまり聞きません。(会社員、42歳、東京都大田区)(2005.08.15紙面掲載)
A まず自費で旅行した分のマイレージを家族旅行に使ったことは、当然のことながら会社への弁償義務はありません。さらに仕事で出張したマイレージについても会社との特別な約束や規則がない限り、会社に対し弁償義務はないとみてよいでしょう。
出張の際の飛行機代の性質は、一般的には、予算が決められて所定の標準的な実費が会社から支給されると思われます。その際、出張を命じられた社員が早割りなどの割引切符を購入するか、はたまた金券ショップで格安な航空券などを使うかは、社員の自由な判断にまかせられているのが実態でしょう。
同じように、マイレージ登録をして結果的に経済的利益を得ようが、逆にマイレージの登録は面倒だから初めから関心外で利用しない人もいます。これもまた社員の自由にまかせられている現実をあらわしています。
ですから、ご質問のように出張の際のマイレージをこつこつ貯めて、個人の楽しみのために使うことは一般に許されるとみてよいと思います。
また、マイレージをためられない部署の社員と比べて不公平にならないかという問題があります。しかしJR、私鉄、バスなどを利用する場合も、多少の差はあれど割引や格安切符などが出回っています。また、部署ごとの独自性による損得は形や多少の差はあってもお互い様と考えられます。従ってこの程度の損得の差は一般的に見て許容の範囲とみられることが多いでしょう。
ところが出張時のマイレージは会社に帰属するという約束や規則があったら話は別です。経費節減に血眼の会社も少なくないことも事実です。総務部長や経理部長がしっかり、経費節減策を規則化している会社もあることでしょう。
例えば、飛行機代は早割り切符か格安チケットのうち最安値の切符購入しか認めない。マイレージも後日、金銭に換算して会社に帰属させる、という規則があったらどうなるでしょうか。社員にこれらの約束や規則を守る義務が生じます。
理論的には以上のような考え方でいいのですが、労務政策からは極めて疑問です。このような、特にマイレージ分まで償還させるルールを作ると、いかにも貧しい経費節減策というイメージをほとんどの人が持つのではないでしょうか。このようなセコイ節減策を強行すれば、社員の士気は低下し、大きな目で見るとかえって会社の損害がふくらみかねません。
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●回答者:青木孝弁護士
あおき・たかし 弁護士。昭和18年、埼玉県生まれ。昭和41年明大法学部卒。42年司法試験に合格し、55年青木法律事務所を開設。法律扶助協会本部審査委員長、日弁連法律相談センター監事などを経て、現在は東京都技術専門学校特別講師や自治体、シンクタンク、商工会議所などの法律セミナーを多数担当。著書に「トラブルを防ぐ相続と贈与の手帳 」、「相続と贈与これで安心」、「法律を味方にする60の知恵」など。
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