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官僚優遇、地方切り捨てが小泉構造改革の実態だ!
【森永卓郎「サラリーマン塾」】

総選挙まで10日あまりを残すだけとなった。総選挙は政権が行ってきた成果を国民が評価する機会でもあるので、小泉構造改革が日本経済に何を残したのかを整理しておきたい。
都合のよいことに04年度のGDP統計が発表されたので、小泉総理が政権を担当した01年度から04年度の間に何が起きたのかを、実際の数字でみていこう。(2005.08.31紙面掲載)
まず経済全体の大きさがどうなったかだ。01年度以降の名目GDP伸び率は、01年度▲2.4%、02年度▲0.7%、03年度0.8%、04年度0.8%と、政権の後半はプラス成長を達成している。しかし、実額でみると、政権発足前00年度の名目GDPが513兆円だったのに対して、04年度は506兆円と、経済全体の大きさは就任前まで戻っていないのだ。
一方、「小さな政府」を実現するという官の改革はどうか。GDP統計に掲載される「公的固定資本形成」は、土地取得費を除いた国と地方全体の公共事業費だ。04年度の公的固定資本形成は00年度と比べて実に32.3%も減っている。小泉内閣が公共事業に大なたを振るったのは間違いない。
ところが、政府が使った経費と人件費の合計である政府最終消費は、04年度が00年度と比べて5.4%増えた。年度ごとにみても、伸び率は01年度2.5%、02年度0.6%、03年度0.5%、04年度1.7%となっている。小泉内閣発足以来、政府を小さくした年は一度たりともないのだ。
これが、小泉総理が行った「官」の改革の実態だ。抵抗勢力の利権の温床となっている公共事業を削減して勢力を弱らせる一方で、政権を支えてくれる官僚には効率化を求めない。ただし、それでは国民が納得しないので、あたかも行政改革が進んだようにみせようと、国立大学や国立病院などを独立行政法人に模様替えする。
ところが、その後も独立行政法人のコストを負担するから、政府最終消費は増え続けるのだ。しかも、独立行政法人になると国のコントロールが利かなくなるため、給与は下がらない。実際、総務省が7月29日に公表した04年度の独立行政法人の給与水準は国家公務員よりも7%も高かったのだ。
一方、サラリーマンに支払われた給与や賞与の合計である雇用者報酬は00年度の275兆円から04年度の263兆円へと、12兆円減っている。名目GDPは7兆円減っただけだから、資本家の取り分は5兆円増えているのだ。
つまり、この4年間に政府がやったこととは、公共事業カットで地方経済を切り捨てる一方で、公務員には甘い汁を吸わせる。民間サラリーマンの年収を下げる一方で、資本家をもうけさせるということだ。GDP統計の数字はそのことを雄弁に物語っているのだ。
(UFJ総合研究所客員主席研究員)
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