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体内時計のリセットで「夜食で太る」を撃退
【働き盛りのための健康法】
秋の夜長を楽しんでいるうち、つい小腹がすいてくる。だが、夜10時すぎの飲食には要注意! 「夜食は太る」のメカニズムが、このほど日本人研究者によって明らかになった。カギを握るのは「体内時計のリセット」だ。(2005.10.11掲載)
★脂肪をためる物質とは
夜遅く食べると太る仕組みを学術的に突き止め、9月に科学誌・米国アカデミー紀要に発表した榛葉(しんば)繁紀・日本大学薬学部専任講師(以下同)が説明する。
「体内時計をリセットするBMAL1(ビーマルワン)と呼ぶタンパク質が、脂肪細胞に脂肪をため込み、肥満の原因になることを確認した。しかも、それが大量に作られるのは午前2時をピークに、午後10時から午前6時ころまでということが、わかりました」
BMAL1はブレイン(脳)・マッスル(筋肉)・アーント(遺伝子の名前)・ライク(のような)の英語の頭文字で、1は1番をさす。
BMAL1は、体内時計をリセットする役目のタンパク質だ。つまり、生物には、自分に合った生体リズム(周期)を刻む、体内時計がセットされている。人の体内時計は脳にあり、そのリズムは1日約25時間。
「地球の24時間リズムに合わせてリセットするのが、BMAL1の本来の役目です」
ところがBMAL1にはもう一つ、体内の脂肪細胞に脂肪をため込む働きがある。
肥満のカギを握っているわけだが、まだ実験で確認されていなかった。
★危険な深夜
実験は今年の初めまで、7年がかり。
マウスの脂肪細胞に遺伝子操作をし、BMAL1がない状態にし、そこに栄養を与えたら、「1つの脂肪細胞も脂肪をため込んでいなかった」。
ところが、もともとBMAL1がないマウスの細胞に、遺伝子操作でBMAL1を作らせるようにすると、「しっかりと脂肪をため込んでいました」。
さらにいくつかの実験を重ね、BMAL1が脂肪細胞に脂肪をため込む働きを確認した。
次に何をしたか。
「マウスの脂肪細胞中のBMAL1の量が、時間とともにどのように変わるのかを調べました」
マウスの脂肪細胞を調べるためには、解体しなければならない。そこで榛葉氏のグループは、徹夜しながら4時間ごとに丸2日間、1回につき10匹ずつ、計120匹を解体して脂肪細胞を調べた。その結果、おもしろいことがわかった。
「暗いうちは増え、明るくなると減る。最少時と最大時の量の差はざっと20倍もあります」
BMAL1の量は午後3時ころ、もっとも少なく、それをすぎると同10時前後までV字型に急増する。その後、少しずつ増えて午前2時ころにピークに達し、それから少しずつ減って、早朝の6時前後から急減するというパターンだ。
BMAL1の量が暗いうちに増えて脂肪をため込むのは、「もともと生存するために必要なエネルギーを確保するためと考えられます」
ただし、BMAL1の量の差が20倍あるといっても、ため込む脂肪の量が20倍になるという意味ではない。
「BMAL1と脂肪との量の関係の解明は、今後の課題です」
★朝の日光がカギ
午前6時前後というのは、つまり朝日を浴びることを意味する。
「朝日を浴びれば、BMAL1の量がぐんと減って体内時計がリセットされるとともに、ため込む脂肪の量もぐっと減るというわけです」
太りたくないなら、食事は明るくなってから、夜は10時までに、というわけだ。
もしも、朝日を浴びずに寝ているなど、不規則な生活を続ければ、どうなるのか。
「BMAL1の量がそう大きくは減らないため、食事によって脂肪細胞がため込む脂肪の量も減らず、太ることになります」
太りたくないなら、(1)朝日を浴び、(2)夜食を避ける。これが科学的根拠に基づいた2大鉄則だ。
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■体内時計のしくみ
本文で説明した通り人間が本来持っている生活リズムは「1日=25時間」だが、寝たり起きたりして、「1日=24時間」にリセットできるのは、朝の太陽光の力が大きい。
図の通り、目から光を感じると視神経を通じて視交叉上核に伝わる。ここから松果体に信号が送られ、松果体からメラトニンが分泌される。
このメラトニンは約14時間後に睡眠に誘ってくれる大切な「時計ホルモン」であり、血液を通じて、体の末端まで時を知らせてくれるのだ。
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