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おれにまかせろ法律事務所―居酒屋で消えた靴を弁償してほしい
【サラリーマン実用辞典】
回答者:青木孝 弁護士
Q 忘年会シーズン真っ盛りですが、私の職場でも先日、居酒屋で開きました。靴を脱いでげた箱に入れておく店でしたが、楽しく飲んで帰ろうとすると、靴がありません。間違われたのか、盗まれたのか。店に抗議しましたが、「責任は負えませんと注意書きもあり、弁償できません」の一点張り。彼女からプレゼントされた大事な靴でもあり、弁償してもらいたいのですが。(会社員、32歳、大阪市)(2005.12.12掲載)
A まずポイントから書きましょう。居酒屋が客から靴を預かっていた場合には、原則は居酒屋に責任があり、弁償の義務があります。ところが、靴を預かったとまではいえないときは、居酒屋に過失がない限り、責任を問うのは無理です。
なお、「責任は負えません」との注意書きは、居酒屋の一方的告示ですから、この注意書きだけで居酒屋が責任を免れることはできません。
そのうえで今回のケースについてですが、靴を脱いでげた箱に入れておくことは、居酒屋が客の靴を預かったことになるのかどうかが問題で、結論が異なります。
ちょっと改まった店では下足の引換券を発行してげた箱へ入れて保管するやり方があります。げた箱へ靴を入れるのも居酒屋側で行いますから、店が靴を預かったといえるでしょう。
しかし、げた箱の用意はあっても適宜、客が自分で靴を入れて入店する利用方法では、自分の携帯品を置き場所に置いたと同様にみられ、居酒屋へ預けたとまではいえないでしょう。
商法では、客から預かった物品を紛失するなどしてしまったら、店が不可抗力が原因であることを証明しないと損害賠償の義務があるとされています。
すなわち預かったといえれば、居酒屋の店主の責任は重くなっています。居酒屋などは多数の人が出入りし、客自身が所持品などをしっかり管理できないことが少なくないから、客を保護した規定といえます。
客が特に預けた物品でなかったとしても、客が店内に持ち込んだ物品を居酒屋の店主や従業員が過失で紛失させたら、店主は損害賠償の責任があると、同じく商法で決められています。
例えば、客が適宜、自らげた箱へ靴を入れておくやり方で、靴の盗難が頻発していたのにもかかわらず、店が防止策を尽くさず盗まれたとすれば、店主に商法の規定による過失があったといえるでしょう。
「責任は負えません」の注意書きは商法に違反していますから、この注意書きだけでは店主は責任を免れることはできません。客の携帯品につき責任を負わない旨を告示しても店主は責任を免れないとされているからです。
現実にはこのような注意書きはしばしば目にしますが、店主が一方的に告示しているだけであって、免責の特約としての店と客の合意があったとは全くいえないのです。
それにしても、靴を持ち去った人は、他人の靴をはいて気持ち悪くないんでしょうか。水虫の可能性だってあるのに…。
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トラックバック時間: 2005年12月19日 23:01
