この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
「息子たちと私」石原慎太郎著
【夕刊フジ「ライブラリー」】
三十余年前、著者の『スパルタ教育』と羽仁進氏の『放任主義』という本についてインタビューしたことがある。
切抜きが見当たらず、具体的な内容は忘れているが、石原氏が早口のうえ、横文字の言葉が頻繁に入るのでメモを取るのに苦労した(当時、テープレコーダーなどなかった)のは覚えている。(2005.12.13掲載)
その教育の結果だろうが、子供たちは上から順に前国土交通大臣の伸晃氏、俳優の良純氏、先の総選挙で衆議院議員となった宏高氏、画家の延啓氏と見事に育っている。
したがって、今度の本は、スパルタ教育の成果を誇示したものか、不良息子やバカ娘の横行を嘆く、しかつめらしい教育論かと思ったら違った。長男伸晃氏誕生のとき、自分の父親が死んだときのことを思い出し、人間存在の輪のつながりを感じたという話に始まる。子供たちとのさまざまなエピソードを通じ、むしろ父親としての反省もあり、そうは書いてないが“よく育ったものだ”といった素直な感慨が底にあるように感じられた。
だいたい『スパルタ教育』の一章に「親は子供を殴ることに躊躇するな」と書いた本人は、あまり子供に手を上げたことはなく「これは家内の日頃の仕付けのお陰」と言っている。一度、大学生だった伸晃氏の母親への言葉に激怒し、殴ろうとしたら少林寺拳法で逆手を取られた話もある。
その伸晃氏が行革担当相のとき、族議員にいびられているのを見て著者が腹を立て、その中のS議員(鈴木宗男氏と思われる)を殴れ、と言うと「そんなことはいたしません。私は父上を反面教師にしておりますから」と言われたそうだ。(幻冬舎・1575円)
<「息子たちと私」>


