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その道のプロが教える「鍋奉行」入門
【食とレジャー情報】
冬といえば鍋! 鍋といえば鍋奉行―。頼まれたわけでもないのに、率先して鍋の進行を仕切るこのお奉行さまの中には、意外に鍋の本質を知らずに、単にアクを取るのが好きなだけのダメ奉行も多い。そこで今回は、プロの“鍋師”のワザを伝授しよう。(2005.12.22掲載)
■入れる順番
鍋の“奥義”を教えてくれるのは、名古屋料理のレシピ集「でらうま・ドラめし」(東京新聞社刊)の著者で、東京・両国にある居酒屋「ごはち亭」のマスター、山本俊夫氏。まずは鍋の材料投入の基本から教えてもらおう。
「まず火をかける前にダシの昆布を入れますが、この昆布はお湯が沸騰する前に鍋から出してしまいます。いつまでも入れておくとダシだけでなく昆布のぬめりまでが出てしまい、全体の味に影響が出てしまいます」
少しでもダシを取ろうとケチらずに、早めの昆布撤収が大切なのだ。
「材料は肉やつみれのような“ダシが出るもの”から投入。根菜類、野菜と続き、最後は豆腐。ただし、これらを一度にドカンと入れるのはご法度。肉を入れたら沸騰するまで待ち、根菜類を入れたらまた沸騰するまで待つ―とインターバルをおいて繰り返します」
ここで気をつけたいのが魚介類。特にイカやエビ、カキなどは、長い時間煮てしまうと小さくなってしまう。「野菜のあとに入れるのが正解」だ。
「カキは鍋に入れる前にかたくり粉を少しまぶしておくと小さくなりません」。このへんに気を配るかどうかで、でき映えは大きく変わってくる。
■アクのとり方
鍋奉行の一番の腕の見せ場といえば、なんといってもアク取り。これの善しあしで、鍋の味はグンと変わるだけに、奉行にかかる期待は大きい。
「よく、ひっきりなしにおたまでアクをすくっている人がいますが、これは奉行失格。“おたま”と“ひっきりなし”というのが失格要因です」
ふつう、この2つこそ必須条件と考えそうなものだが、実はそうではないという。
「アクの中にも旨み成分が含まれているので、取りすぎると本来のおいしさまで捨ててしまうことになる」。つまり、こまめにアクを取るということは、どんどん鍋の中の旨みを捨てているようなものなのだ。
「全部の食材を投入し、一度沸騰させてから弱火にすると、アクも小さくなる。これこそが本当に余計なものなので、ここで初めてすくい取る。煮立っているときに何度もすくう必要はありません」
アク取りの道具についても、こうアドバイスする。
「おたまだとアクと一緒に水分も取ってしまうので、やはり鍋全体の味に影響が出てしまう。一方、網も網目の大きさによっては肝心のアクをすくえないこともある」
では、どうすればいい?
「最近、テレビで紹介された『一度丸めたアルミホイルを広げて鍋に浮かべてアクを取る方法』は、昔から料理人が落しぶた代わりにやっていた方法で、アク取りには効果的です」
しかし、自宅ならまだしも、お店でアルミホイルをもらってまで…という向きもあるだろう。そんな人に山本氏が推奨する秘密兵器が「アク取りブラシ」。アクの上をハケでなでるだけで、キレイにあくが取れてしまうスグレモノだ。
「鍋奉行を名乗るなら、マイブラシの1本も持っていくべき。最近は100円ショップでも売ってますよ」
■火加減に命をかけろ!
アク取りもさることながら、鍋奉行に最も求められるもの、それは「火加減の調整」だ。
「土鍋なら鍋の中がほぼ均等の温度になりますが、店によってはアルミ鍋のところもあり、この場合は鍋肌と中心部で温度差ができてしまう。外側のお湯を中心部に移すようにして温度の均等化を図ることが大切。アクの心配はそのあとです」
最後に山本氏から一言。
「真の鍋奉行は鍋の管理に徹するべきで、取り分けは女性にお願いしましょう。男奉行が取り分けるより、それだけで“ひと味”おいしくなりますよ!」
ごもっともです。
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■冬の疲れには「ポン酢」が一番!
鍋に付きもののポン酢には、疲労回復に役立つ有効成分が豊富に含まれている。
「疲労回復にはクエン酸が重要な働きをしています。食物として摂取した脂肪酸やブドウ糖は、エネルギーを作り出す際に、車のガソリンにあたる『アセチルCoA』という物質に変換され、細胞のエネルギー工場で燃焼されるが、うまく燃焼させるための最初の起爆剤として働くのがクエン酸の代謝物です。これに、消化管を活発にして唾液や胃酸の分泌を促す有機酸が加わると、疲労回復には非常に効果的。そして、この2つの成分が豊富に含まれているのがポン酢なのです」(大阪市立大学医学部疲労クリニカルセンターの倉恒弘彦医師)
Xマスは七面鳥より、ポン酢でお鍋の方が理にかなっているのだ。
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