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「格差社会」を“ラテン流生活術”で乗り切ろう

【サラリーマンとおカネ】
kane20060307 (2).jpg 気がつけば、日本人の実に5人に1人が年収200万円以下の貧困層だという。格差社会というイ~ヤな言葉もはやりはじめた。ビンボーでも、何とかエンジョイできないものか。発想を換えればハッピーになれるラテン流生活術で乗り切ろう!(2006.03.07紙面掲載)

book20060307_01.jpg 厚労省の「平成15年度国民生活基礎調査」によると年収200万円以下の世帯は、何と18・1%にのぼる。所得中央値(476万円)の半分以下の層(貧困率)は、OECD諸国で最も格差が顕著なメキシコの20・3%をしのぐ勢いだ
 そこで、新しい生活スタイルを拙著『ラテンの秘伝書-格差社会を生き抜く最後の切り札』(東洋経済新報社)で提案してみた。すぐに使える10のポイントをご紹介しよう。

(1)格差社会は、人間性回復の良い機会ととらえる
 上昇志向、効率、スピード、それは高度成長時代の価値だ。格差社会でそれを過度に追求してもむなしい。むしろ、破綻、うつ、事故につながる。生活水準を上げるのは以前よりも難しい。効率やスピードは人間性を失わせるぎりぎりの所まですでに追求してきたからだ。ラテン庶民のように、身の丈にあった生活の楽しみ方を学ぼう。

(2)多様、相違こそ大切
 横並びの時代はとうの昔に去った。もう、他人と比較するのはやめよう。もしも、自分と同じ顔、同じ服装をした人がたくさん歩いていたらどうだろうか? 人種、文化、肌の色、生活様式など、移民社会のラテンではみな違う。だからこそ存在意義がある。

(3)縁をたぐりよせて、蜘蛛の巣を作ろう
 もっとお金がほしい、出世したいと思うのも人情。格差社会で普通の人が階層を上がる手立ては、人の縁だ。ラテン諸国では始終パーティーがある。親戚、友人、知人、恋人が、人と人を結び付け、蜘蛛の巣のようにネットワークを広げる。新旧の縁を大切に!

(4)靴は、ピッカピカに磨こう
 人は第一印象だ。パーティーや公式な場では、一張羅を着て、伊達男、伊達女に変身しよう。ラテンの友人はこう言っていた。「貧乏旅行中は、スーツを来て、靴をピッカピカに磨いて外出さ。社長の御曹司と思われて、モテモテ。おれの泊まるぼろ宿を見たら、ぶったまげただろうな」。
 彼は1日1ドルのドミトリーに泊まっていた。

(5)失敗の責任は、他の人(物)に負わせよう
 果敢に挑んでも失敗してしまうことがあるのも現実社会。そんなとき、必要以上に自己責任を感じると、はい上がれないばかりか、うつ病に陥る。
 ラテン社会にはこんな人生訓がある。「物事が悪い方へ進んだときに、微笑むことができる人は、そのときすでに誰にその責任を負わせるか、考えているからだ」。

(6)家族、地域社会へ回帰しよう
 格差社会では、解雇、倒産などあたりまえ。だから中南米では私生活や地域社会をずっと大切にする。会社は一時的な帰属先で、人が死ぬまで帰属するのは、家族や地域社会だ。
 そう考えれば、たとえリストラや倒産の憂き目に遭っても「次がある」と前向きに考えられるし、上司に強要されても企業の不正に加担することもない。また、地縁や血縁の支援も受けやすい。

(7)誕生日を手作りで祝おう
 ラテンでは、大人も年に一度の誕生パーティーを手作りのケーキや食事で盛大に祝う。自
分自身も生まれたことに感謝する。そういう国では、自殺はめったにない。

(8)悲しい気持ちを明るく歌おう
 悩みごとを頭で考えていると、悲観的な考えが浮かぶ。そんなときは歌い、踊り、体を動かすのが一番。踊り明かせば、友人も恋人もでき、悩みなど吹っ飛ぶ。日本でも「下手な考え休みに似たり」という。

(9)時には鈍行に乗ろう
 日本は通勤電車でさえ速い。私がかつて滞在したアマゾンでは、列車は週に1度や2度の脱線はあたりまえ。だが誰もケガをしない。なぜなら、牛のようにゆっくりと走るからだ。
 脱線の修復を待つ間に、人と人の出会いがあり、友情、恋愛、ビジネスが生まれる。人生はいっそう豊穣になる。

(10)目的を果たすよりも大切なことがある
 人は仕事の目的を果たすために生まれてきたのではない。愛し合い、友情をはぐくみ、時を共有することにこそ真の歓びはある。移民の多くは、富を求めて中南米にやって来た。が、富を得た人はまれだ。目的など持たなくても、よく生きることができる人こそ、人生の達人!
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かざき・しげる
 東京外国語大学スペイン語学科卒。メキシコ留学、中南米専門商社を経て、アマゾンで鉄道復旧工事に従事。投資・援助のコンサルタントとして中南米他、アジア、中東、南太平洋諸島など世界30カ国を踏査。研究所をリストラ解雇後、作家に転進。著書に『リストラ起業家物語』『ホームレス入門』など。


「ラテンの秘伝書-格差社会を生き抜く最後の切り札」


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投稿日: 2006年03月16日

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