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盗撮カード偽造で500万円の損失、銀行に補償してもらえるか?
【サラリーマン実用辞典】
「おれにまかせろ」法律事務所・宇都宮健児弁護士
Q 先日突然、警察から連絡がきて驚きました。私が預金口座をもっている「大日本銀行」のATMに盗撮カメラが仕掛けられていて、私が現金を引き出した様子が盗撮されていたというのです。調べると、預金約500万円すべて何者かに引き出されていました。盗撮画像からカードが偽造されたようです。盗まれた預金は銀行に補償してもらえるでしょうか。(自営業、52歳、東京都八王子市)(2006.03.20紙面掲載)
A カード偽造を行う犯罪グループは、「スキマー」という小型の磁気情報読み取り装置を使ってカードの磁気データをこっそり読み取る「スキミング」という手口や、ATMに小型の隠しカメラを設置し、入力する暗証番号やカードに記載されている口座番号などを把握する手口で偽造カードを作っています。
こうした偽造キャッシュカードによる預金引き出し被害が多発しているにもかかわらず、銀行は銀行のキャッシュカード規定をたてにとって被害を補償しませんでした。偽造・変造・盗難その他の事故があっても、最終的に暗証番号が一致して銀行が預金を払い出した場合、銀行は責任を負わないという規定です。
これに対して補償を求める世論が高まり、2005年8月3日、偽造・盗難キャッシュカードによる不正な預金引き出し被害の補償を金融機関に義務付ける「偽造・盗難カード預金者保護法」が成立、今年2月10日から施行されています。
同法によれば、偽造カードによる不正な引き出し被害は、預金者に「重い過失」がない限り金融機関により全額補償されます。盗難カードの場合、預金者が無過失であれば全額補償、「軽い過失」の時は75%補償、「重い過失」があれば無補償ということになっています。預金者の過失の立証責任は金融機関が負っています。
具体的には、
(1)暗証番号を他人に知らせた
(2)暗証番号をカードに書き記していた
(3)カードを他人に渡した
―といった場合は「重い過失」があるとみなされます。
また、
(1)金融機関から変更の働きかけがあったのに生年月日や電話番号などを暗証番号にしていた
(2)暗証番号をロッカーや貴重品ボックスにも使った
(3)カードを入れた財布を自動車に放置するなど他人に奪われやすい状態にした
―などの場合は「軽い過失」とされます。
ご質問のケースは、偽造カードのケースであり「重い過失」があるとはいえないので、今年2月10日以降の被害ならば全額補償が受けられます。
なお、預金者保護法では、盗難通帳やインターネットでの不正引き出しは補償対象外とされているので、注意が必要です。また偽造カードによる被害は、預金者に重い過失がない限り補償期限がありません。一方で盗難カードによる被害は、金融機関に被害を届けた30日前以降に引き出された被害しか補償されませんので、カードを盗まれていないか最低1カ月に1回くらいはチェックするようにしてください。
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