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次世代DVDって本当に必要か?

【デジタル家電ニュース】
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 次世代DVDの規格争いが注目されている。3月末に東芝がHD DVDの再生機「HD―XA1」=写真左=をようやく発売したが、対するブルーレイ・ディスク陣営のソニーは、“切り札”と言われる「プレイステーション3」の11月11日発売を発表。6万2790円という極めて戦略的な価格でHD DVDを突き放す算段だ。だが、ここでちょっと考えてほしい。次世代DVDの規格って、そんなに重要なことなのだろうか?(2006.05.23紙面掲載)

 HD DVDとブルーレイの規格争いを、かつてのVHSvsベータの争いになぞらえる報道は多い。実はこの紙面でも同様のことを何回か書いた。だが、最近私はVHSvsベータの当時と現在ではまったく状況が異なる(したがって、現在の各社の争いはあまり意味がない)のではないか、と思い始めている。
 VHSvsベータ当時、家庭でテレビ番組を録画したり映画などの映像コンテンツを見る手段はビデオカセットしかなかった。選択肢は「2つに1つ」だけだったわけだ。
 しかし、現在は違う。従来規格のDVDに加え、HDD(ハードディスク)でも映像は簡単に録画・再生できる。再生に限って言えば、ネット上のさまざまな映像をパソコンで見ることも可能だ。
 この「デジタル@フジ」面のレギュラー執筆者である経営コンサルタントの大前研一氏は、毎月第4月曜掲載の「IT時評」の中で、ことあるごとに「次世代DVDの規格争いは無意味だ」と述べている。

 理由は大きく2つで
(1)次世代DVDに録画するより、大容量のHDDに録画するほうが手軽
(2)インフラの整備により、たいていの映像コンテンツはネット経由で見られるようになるから、わざわざ次世代DVDのパッケージを買う人はいない
―というものだ。

 大前氏の意見に私も賛成だ。(1)については、すでにDVDレコーダーを使っている人なら十分理解できると思う。私自身、家庭で2台のDVDレコーダーを利用しているが、録画はHDDでしか行わない。保存用としてHDDからDVDにダビングすることもあるが、そのDVDを再度見ることは皆無に近い。新しい番組を見るのに忙しく、過去の番組を見直す時間などないからだ(新しい番組でさえ、見る時間がないほどだ)。おそらく、ほとんどのビジネスマンは私と同じ状況ではないだろうか?
 (2)については、ブロードバンド環境の整備や映像配信態勢の充実など解決すべき問題が残されているが、たとえばハリウッドの映画会社は従来の強硬姿勢から一転、ネット上に新作を流すことを積極的に考え始めている。ロードショー公開と同時に、ネット経由でもハイビジョン映像を見られる時代は遠からずやってくるだろう。
 また、金銭的な意味からも、わざわざ高額な次世代DVDレコーダーとディスクをそろえるより、最近飛躍的に安くなっているHDDにそのままハイビジョン画像を録画するほうが、はるかに経済的だ。
 「HDDには保存性がない」という人もいるが、そもそもハイビジョンで次世代DVDディスクに丸ごと残しておきたいと思う映像って何だろう? 前述の大前氏は「せいぜい、『風と共に去りぬ』ぐらいではないですか」と笑っていたが、私もたいていの映画やテレビ番組は現行のDVD画質で十分満足だ。
 ハイビジョンの美しさは私も認めるし、技術の進歩は大いにけっこうだとも思う。だが、代替手段がある中での次世代DVD規格論争は、少々過熱気味ではないだろうか?

投稿日: 2006年06月06日

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