この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
人気急上昇!ドクターフィッシュの効能は?
【働き盛りのための健康法】
いま「ドクターフィッシュ」と呼ばれる輸入魚の習性を肌で体感するイベントが各地で人気を集めている。水槽に手を入れるとこの魚が皮膚の古い角質をついばんで「美肌」になるというからだ。海外では皮膚病治療にも使われているこの新感覚のリラクゼーション、実際のところはどうなのだろう。(2006.06.09紙面掲載)
【各地で大評判】
「すごい人気で休日などは数十人の列ができたほど。これが目的で来館する人も多かった」と話すのは、4月末まで2カ月間ドクターフィッシュの体験展示を行っていた「新江ノ島水族館」(神奈川・藤沢)の担当者。
4月に2日間の展示を行った「さいたま水族館」(埼玉・羽生)や常設展示している「のとじま水族館」(石川・七尾)などでも、連日長い行列ができるほどの人気。さらにこの魚を放った足湯を設置している日帰り入浴施設「小湧園ユネッサン」(神奈川・箱根)は、4月末までの企画だったが、大好評のため6月末まで期間を延長した。
また入浴施設「大江戸温泉物語」(東京・お台場)は常設されたドクターフィッシュ専用の足湯「舶来魚癒し処」を4月にオープンさせた。4メートル四方の浴槽には、体長3-6センチの魚が約2000匹放たれており、利用時間は1回15分間。
実際に足を入れて体験してみると、つま先、指の間、かかと、くるぶしなど角質が出やすいところを中心に無数の魚が寄ってくる。はじめはくすぐったい感じだが、次第に低周波マッサージを受けている気分になる。これは角質を食べるとき、歯がなく吸い付くようになめるので、その感覚がまるで微弱電流が流れているように感じるのだ。
【肌はキレイに?】
大江戸温泉物語では“国内初のフィッシュテラピー”と銘打っているが、これを仕掛けているのが、香川県高松市で2年間かけてドクターフィッシュの繁殖に成功したエコマネジメント社(東京・東新橋)。
担当の本山幸子さんは「15分を週2、3回ぐらいやれば皮膚の代謝をよくして美肌にいい」と話す。
皮膚病については、「医学的根拠はないが、重度のアトピーの人2人にモニターになってもらい、1カ月顔をつけてもらったらだいぶ改善があった。これから琉球大学や皮膚科専門医に協力してもらい、本格的な臨床実験を行っていく予定です」とする。
秋には大阪、年内には福島の入浴施設で同じようにフィッシュテラピーを展開する予定で、全浴スタイルも検討中だ。
【皮膚病への効果は】
そもそもドクターフィッシュと呼ばれる由縁は、トルコ中央部カンガル地方の温泉に生息していて、入浴者の古くなった皮膚の角質を餌としてついばみ、皮膚病、とくに“ 乾癬(かんせん)”の改善に効果があるといわれているからだ。
ドイツで医療機関の治療カリキュラムにも取り込まれるほど、欧州では認知されているというが、今のところその効果についての明確な医学的根拠はないものの、西新井皮膚科・形成外科の簡野晃次院長は、皮膚病に対するドクターフィッシュの効果についてこう話す。
「欧州で乾癬治療に取り入れられていることは確かだが、補助療法の一つです。それも魚だけの効果ではなく、あくまで複合的な評価。トルコの大学の研究発表によると、皮膚表面がきれいになることで薬の吸収がよくなる。それに、そこの温泉水が含有するセレンの吸収もある。また乾癬治療には紫外線照射が使われる。温泉地は屋外なので、紫外線の効果もすべて含んだ相乗効果が期待されているのです」
また、美肌効果、アトピー性皮膚炎などに関しても肌がきれいになり、化粧水や薬の吸収がよくなるという点ではプラスの面があるということだ。
----------------------------
■家で飼える?
普通の熱帯魚と同様に家庭でも飼えるが、もともと品薄で入手が難しい。
つい最近まで1匹1200円で販売していた奈良県のアクアショップでも、「このブームで入荷してもすぐに売れてしまい、在庫切れ」と話す。
「トルコは輸出をしていないので、ドイツやチェコの繁殖業者のルートで出荷されないと市場になかなか流れない」(ショップ)ため、予約しても1-2カ月単位で待つことになるという。
大江戸温泉物語は4月に常設の足湯施設をオープンさせ、大人気だ。
------------------------------
【ドクターフィッシュ】
学名はガラ・ルファ。トルコ、シリアなどの西アジアの河川に生息するコイ科の淡水魚で、37度の温水でも生存できる。成長すると体長12―14センチになる。口は平たく三日月形で、歯はなく、代わりに咽喉に臼状の歯(咽頭歯)がある。
寿命は7―8年。人に寄ってくるのは警戒心の薄い生後2―3年。雑食性で普段は藻やプランクトンなどを常食としている。
------------------------------
【乾癬(かんせん)】 皮膚から少し盛り上がった赤い 発疹の上に、銀白色のフケのようなあかが付き、ポロポロはがれ落ちる病気。約半数にかゆみを伴う。原因は複合的でまだ未解明だが、ストレスも発症因子になるので温泉などのリラックス効果はよいとされる。プールや温泉で他人にうつることはない。

