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エレベーターに閉じ込めら得た時の心得

【ビジネス特報】
 今月3日、東京都港区で起きたシンドラー社製エレベーターによる都立高2年の男子生徒(16)死亡事故は、その後の同社の不誠実な対応も相まって、国民を不安に陥れている。都市化、高層化が進み、エレベーター生活が当たり前の時代になっているが、改めてエレベーターに潜む危険を考えてみる。(2006.06.20紙面掲載)

過去にも例がない
 「エレベーターは本来、異変が起きれば止まることを前提に設計された乗り物。それが反対に動き出したというのは、関係者にとっても想定外の出来事でしょう」
 停止したはずのエレベーターが動き出して人が挟まれるという事故は、危機管理の専門家の間でも注目されていなかった。都市防災に詳しい森田武・K&T総合研究所代表もこの種の事故は記憶にないと話す。
 しかし、ドアを開けたまま動くことも例外的にある。高層ビルなどで災害が起きたとき、消防隊がいち早く現場に向かうためにエレベーターのドアを開けたまま動かすケースがあるのだ。ただし、この場合は緊急運転用のキーを差し込まなければ作動しないという。
 そのため、「今回の事故はそのシステムの一部が誤作動した可能性はあり得る」と森田代表は推測する。

まずは呼び出しボタン
 エレベーターのトラブルで最も一般的なのが、かごの中に閉じ込められる、いわゆる“カンヅメ”だ。地震の際も震度4~5の揺れがあると緊急停止するようになっており、この手のトラブルは珍しくない。
 「緊急停止した場合、まずは操作盤にある非常呼び出しボタンを押して通報します。よく、このボタンが消防署に直結していると思っている人がいますが、多くはビルの防災センターや管理事務所に通じているのです」
 それでも係員が留守ということもあり、事故の発覚が遅れることになる。しかし、ここで強い味方になるのが携帯電話。必ずしも電波が届くとは限らないが、電話の向きを変えたり、何人かいる場合はその中の1人でも通話できる可能性はあるので、あきらめずにトライを。
 「救助要請もさることながら、まずは付近にいる知人や家族に連絡して、現場に来てもらうことも大切。止まっているフロアまで来れば、扉越しに会話もできるので、安心感が高まります」(森田代表)
 以上は緊急性がない場合だが、「こうしたケースではすぐに119番しないで、まずは管理会社で対応するべき」と森田代表は訴える。近年、安易に救急車を呼ぶ傾向が強いことへの警鐘だ。

パニックにならない
 しかし病人やけが人が一緒にいた場合は、119番で救助隊の要請をする。その場合、救助隊はどう動くのか。
 現場に到着した救助隊は、二手に分かれて救助活動に入る。一方は屋上の機械室に急行してエレベーターの動きを完全に止め、もう一方は停止している階で扉を開けて救助を行うという。
 「基本的に、緊急停止であってもフロアレベルで止まるように設計されているが、階と階の中間で止まることもある。そんな時は救助に時間がかかります」
 特に高層ビルに多く見られる途中階を通過するタイプは通過階に出口がないことが多く、まさに煙突の中に閉じ込められた状態になり、救出作業の難航が予想される。
 しかし、通常のエレベーターであれば、救助隊の到着から10分程度で救出されることが多いので、パニックにならないよう落ち着いて行動することが大切だ。

1時間で救出されたが…看護師も泣くコワさ!?
東京・世田谷にある井上外科胃腸科病院では8年前、院内のエレベーターが故障し、看護師1人が閉じ込められた。井上毅一院長がその時の様子を語ってくれた。
 「看護師が2階から1階に下りてきたところで扉が開かなくなった。外からこじ開けようとしても開かず、天井板からの救出も考えたが、管理会社に『絶対にやめてくれ』と言われました」
 事故は7月中旬。かごの中では電灯も扇風機も止まり、看護師は暑さと恐怖で泣き出してしまった。暑いところで泣いたり叫んだりすれば、体力の消耗も激しい。井上院長は「落ち着きなさい」と声をかけ続けた。
 さらに困ったことに、中の看護師はトイレに行きたいと言い出した。
 「『非常事態なんだから、そこでしなさい』と言ったものの、我慢し続けました」
 結局、事故発生から1時間ほどで無事に看護師は救出された。
 それ以来、井上院長はエレベーターを過信しなくなった。月1-2回は点検し、患者の搬送など必要時以外は使わないようにしたという。
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エレベーターに閉じこめられた際の心得
・まずは非常呼び出しボタンを押して、管理会社や防災センターに通報
・誰も出ない時は携帯で友人・知人に連絡
・けが人や病人がいる場合は119番
・大地震などの際は管理会社や消防も手一杯で、すぐには来ないと思え
・天井の点検口からの脱出は映画の中だけの話
・体力の消耗を避けるため、大声で知らせるより、堅い物で壁をたたく
・複数の人間が携帯を持っているときは、順番にかけて電池の消耗を防ぐ
・トイレはレジ袋などを利用する

投稿日: 2006年07月03日

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