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梅雨明け10日後ごろが危険、食中毒に気をつけろ
【サラリーマンを襲う病気】
7月といえば梅雨明けと本格的な夏の到来の季節だが、食中毒が発生ピークを迎えるシーズンでもある。過去に厚生労働省が行った対策で、減少傾向の食中毒菌がある一方で、増加傾向の菌もあるのだ。ほんの少しの油断が食中毒に結びつくだけに注意が必要だ。(2006.07.12紙面掲載)
■魚介類の常温放置で
厚生労働省の2005年の食中毒発生状況(速報値)によれば、発生総数1545件、患者数は2万7019人、死者7人。腸炎ビブリオ、サルモネラ、カンピロバクターが“3大食中毒菌”である。
腸炎ビブリオは、夏の20度以上の海水中で増殖し、魚介類を汚染。そして、調理器具などを介して、他の食材を汚染する“2次汚染”にもつながる。
「1999年に各都道府県などに、腸炎ビブリオの発生防止の徹底を通知し、2001年には、水産物に対する規格基準を徹底しました」(厚生労働省食品安全部監視安全課食品安全係)
結果として、ここ数年、腸炎ビブリオの食中毒発生件数は減少傾向に。しかし、対策を徹底しても、食中毒になる人がいるだけに侮れない。
「わずかに付着した菌は、室温でどんどん繁殖します。外食で出される料理も、すぐに食べないで室温に放置されていれば、腸炎ビブリオを増やす原因になるのです」
東京都健康安全研究センター食品微生物研究科の甲斐明美科長はこう説明する。
都内では、配達された弁当を食べて、99人が食中毒になった事件もあるのでご用心。
■少ない菌量でもアウト
ニワトリや牛、豚などの腸管に存在するサルモネラも、ワクチンの普及などの予防対策の徹底により、やはり最近では食中毒の発生は減少気味。ところが、このサルモネラには、幾つもの種類があり、そのひとつが「サルモネラ・エンテリティディス」で、これがやっかい。
「サルモネラ・エンテリティディスは、比較的少ない菌量で食中毒を引き起こします。そのため、仕出し弁当などで多数の患者を出す事件も発生しています。特に気温が25度以上になると増殖しやすくなるため、より一層の予防の徹底が求められます」(甲斐科長)
■食べて2,3日後に発症
腸炎ビプリオやサルモネラの食中毒が減少しつつある中、発生件数を伸ばしているのがカンピロバクター。ニワトリなどの腸管に存在する菌で、生食だけでなく、鶏肉と一緒に調理した食材の2次汚染で、食中毒に結びつきやすい。
「通常、腸炎ビブリオなどは、体内に100万個程度入らないと食中毒になりません。しかしカンピロバクターは、数千個と少ない菌量でも食中毒になるため、2次汚染にも結びつきやすいのです」(甲斐科長)
鶏肉を調理した器具で、別の食材を汚染しやすいのが、カンピロバクターの特徴だ。生食は避けるのはもちろんこと、2次汚染予防の徹底も不可欠である。
「カンピロバクター食中毒は潜伏期間が長く、食べてから2~3日たってから症状が出ます。下痢や38~39度の発熱などが主な症状です。その後、手足のしびれや、顔面のまひ、歩行困難などの症状を伴う『ギランバレー症候群』を発症する可能性もあるのです」(甲斐科長)
■梅雨明けからが要注意
ギランバレー症候群は、重症の場合には、呼吸困難に陥り命に関ることがある。たかが食中毒と侮ってはいけない。
「梅雨明けから10日後ころに、食中毒は一気に増えます。それだけに、食材に菌を『つけない』『増やさない』『殺す』という食中毒予防の3原則を心掛けていただきたいと思います」(甲斐科長)
家庭内での食中毒予防の徹底はもとより、外食でも注意が必要だ。食中毒菌が増えやすい時期と心得て、対処したい。
■外食の際の食中毒予防のポイント
・トリ刺しや生の牛レバーなど、生肉を食べるのを避ける
・焼肉などは肉を焼くときのはしと、食べるはしを分ける
・弁当は加熱調理済みの料理を選ぶ
・衛生的な調理場で作られたものを選ぶ
・仕出し弁当などは涼しい場所で保冷する
・届けられた弁当などは放置せずになるべく早く食べる
