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「毎年、夏風邪」というアナタ、夏型過敏性肺炎かも…

【サラリーマンを襲う病気】
 「毎年決まって夏風邪をひく」という人は要注意―。単なる風邪と思っていると、カビが原因となり季節性の肺炎を起こしているケースもあるのだ。誤診されやすく、発見されにくい「夏型過敏性肺炎」について専門医に聞いた。(2006.07.25紙面掲載)

【誤診されやすい】
 梅雨から夏にかけて、自宅内の腐った木などに「トリコスポロン」というカビが生えることがある。夏型過敏性肺炎は、主にこのカビの胞子を吸い込むことでアレルギー性の肺炎症状を引き起こす病気。症状が出るのはカビが繁殖する夏季(6-10月)に限られるのが特徴だ。
 また、症状が風邪と酷似しているため勘違いして放置すれば、秋になって胞子の放散が減ると症状は自然に収まる。だから気づかず毎年繰り返している可能性が高いのだ。
 過敏性肺炎に詳しい東京医科歯科大学附属病院呼吸器内科の吉澤靖之教授は「専門医以外には認知度が低く、発症頻度がよく分からないのが現状だが、潜在的な発症者はかなり多いはずです」と指摘する。
 「発症した年はX線では影が映らないほどで、CTをとらなければ分からないことがある。最もいいのが聴診器を当てて呼吸音で鑑別する方法だが、これも専門医でないと聞き分けは難しいのです」
 だから医師でも最初は風邪やぜんそくと思い込んでしまうケースが多いのだ。
 「38度の熱でも出て入院となれば、抗原(カビ)から離れるので症状は治る。が、医師は抗生物質で肺炎が治ったと勘違いしてしまう。患者は退院してもまた悪くなってやってくる。3回も繰り返すと『これはおかしい』となるのです」

【怖い慢性化】
 この肺炎は胞子を3-4年ぐらい吸っていて、免疫反応の抗体ができた人に発症する。最初の年は夏の後半から9月ごろになって何となく調子が悪いことに気づくが、翌年からは6月ごろには症状が出るという。
 では、適切な治療をせずに症状を繰り返しているとどうなるのか。
 「発症から5年も続くと体質によっては慢性の夏型過敏性肺炎になる。慢性では熱は出ず、1年中せきがでて息苦しくなる。『肺線維症』の状態になってなかなか治りません。こうなると亡くなる人もいます」
 肺線維症は、肺胞に線維組織が増えて固く縮んでしまい、酸素と二酸化炭素の交換ができなくなって呼吸困難を引き起こす。線維化が広い範囲にわたると生命にかかわる怖い病気だ。
 慢性になるまでには年数がかかるが、「タバコを吸う人では、最初から慢性症状ではじまる人もいる」というから要注意だ。慢性に移行させな
いためにも夏の風邪症状が2週間以上続くようなら、専門医のいる呼吸器内科できちんとみてもらおう。

【治療はリフォーム】
 治療は、原因となっている自宅のカビを取り除く以外に方法はない。が、そう簡単ではない。
 「カビキラーなどを使って表面だけを拭いたり、腐っている木の上から何かでカバーをするのではダメ。とにかく 腐木(ふぼく)を取り除かないといけません」
 清潔なアパートなどに一時避難して、急性で症状が強い人はステロイドの内服薬を、慢性の人はさらに免疫抑制剤などを投与する。自宅では、その間にカビの発生場所を突き止めリフォーム、もしくは引越しをする。
 原因のトリコスポロンが生えそうな要注意場所は別表2の順位だが、家を建てた場所がもともと畑だったのか、水田のような湿地帯だったのかが、カビの生えやすさを大きく左右する。床や畳を踏んできしむような個所があったら、床板が朽ちてカビが生えている可能性があるのでチェックをしておこう。
 カビ対策について吉澤教授は、「カーテンの下の結露など、水にぬれる場所はこまめにふき取ることが一番大切」と話している。
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夏型過敏性肺炎の症状と特徴
《症状》
・ひどくはないがせきが出る
・何となく体がだるい(全身 倦怠(けんたい)感)
・微熱が2週間以上続く
・漠然とした風邪症状
《特徴》
・旅行や出張へでかけると治る
・会社から家に帰ると調子が悪い
・週末自宅で過ごすと症状が重くなる
・毎年、夏季(6-10月)になると症状がでる
・涼しい季節になると治る
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トリコスポロンが発生しやすい場所
(1)風呂場と脱衣所の間にあるドアの木枠が腐っているケース
(2)台所の水漏れ個所
(3)洗濯機の水漏れ個所
(4)床下浸水を経験している家

投稿日: 2006年08月09日

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