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おならの我慢が「大腸がん」引き金に

kenko20060906.jpg オフィスでのおならは勇気がいる。キムタクほどの確固たる支持基盤でもない限り、女性社員の評価下落は免れない。
 とはいえ、おならごときでトイレに行くのも女々しい話で、結局のところはいつの間にかおならがどこかに行ってしまうのを期待して我慢し続けることになる。世に言う「放屁耐久自然消滅の法則」だ。

 ところが、この“我慢”に大腸がんを引き起こす危険性がはらんでいるというのだから穏やかではない。千葉県野田市のキッコーマン総合病院内科部長・三上繁医師が解説する。
 「おならを我慢すると腸内にガスがたまって便秘を引き起こします。すると腸内の悪玉菌が増加して発がんに適した環境ができあがっていくのです」
 もちろん、今日おならを我慢したからといって来月がんになるというわけではない。10年以上の長い年月をかけてがんが育っていくのだが、三上医師によると現在大腸がんと診断されている人の何割かは、そうしたプロセスを経てがんに進展していったものと考えられるという。
 ところで、我慢しているうちにおならがどこかに行ってしまうのはどういうわけなのか。これも三上医師が明解に答えてくれた。
 「我慢したおならは、少しずつ腸壁を経て血管の中に入り込み、血液に混ざって肝臓で処理されます。そもそも体に必要がないから 排泄(はいせつ)されようとしていたものを、無理やり肝臓に始末してもらうわけだから、肝臓には余計な負担がかかることになります」
 女子社員への体面を保つために陰で肝臓が泣いていることを、知る人は少ない。
 ちなみに、おならのニオイは健康度を示している。無臭や微香程度ならまだマシだが、強烈なニオイがする場合は腸内環境が悪化している証拠。がんだけでなく、さまざまな大腸疾患が起こりやすい状況であることが疑われるのだ。こうなると、おならは我慢するのではなく、積極的に放出して、そのニオイを検証することこそが健康への近道となる。
 最後に、おならを発生させない工夫を三上医師に聞いた。
 「おならの7割は口から飲み込んだ空気だといわれています。早食いをするとどうしても空気を一緒に飲み込みやすいので、ゆっくり食べたほうがいいですね。あとストレスを抱えている人は無意識につばを飲み込む回数が増えるので、これも空気を飲み込む原因になります」
 おならを気にしてストレスをため込んで新たなおならを作り出す「おならスパイラル」。そしてその先に控えている大腸がんの恐怖―。おなら我慢はまさに命がけだということを肝に銘じておきたい。(2006.09.06紙面掲載)

投稿日: 2006年09月21日

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