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小学館、既存雑誌をネット化

pc20060907_01.jpg 最近の出版業界は元気がないと言われている。
 実際、書籍や雑誌の売り上げは下降中。その原因がネットにあるのは明白だ。わざわざ書店に行かなくても、パソコン1台でさまざまな情報が無料で手に入るからだ。そこで、このネットの特性を逆手にとり、有料の「ネット雑誌」や「ネット書籍」を販売しようという動きが加速している。

 その中心人物の1人が小学館ネット・メディア・センター執行役員ゼネラル・マネージャーの岩本敏氏=写真=だ。
 「今年中に、既存雑誌のネット版を少なくとも2誌発売します。内容やレイアウト、広告ページなど、すべて雑誌と同じ作りで、ページめくり機能も付きます。これまでも、ネット向けに横書きに直した“ウェブマガジン”は出ていますが、私たちは誌面そのままをネット上に表示することで、きちんと編集された雑誌や本の面白さをネットユーザーに伝えます」
 同社が今月半ばに正式発表するネット雑誌は、既存雑誌と同様の見栄えを再現する米ジニオ社の閲覧ソフトを利用。定期購読販売で実績のあるFujisan.co.jpに販売を委託する。
 ネット版の価格や発売日は紙版と同じ予定だが、購読者にとっては書店に買いに行く手間がなく、24時間いつでも購入でき、売り切れもないというメリットは大きい。しかも、何冊買っても物理的にかさばらないので、置き場所にも困らない。ネット版は当面、年間購読販売のみだが、「送料がかからないため、バックナンバーなどの一部売りにも向いている」と岩本氏は言う。
 「ネット版で内容をチェックし、実際に書店で手に取ってみて買うのもよいと思います。手に取ることも雑誌の楽しみのひとつですからね。紙版かネット版かは好みで選んでいただきたい」
 手軽で間口の広いネット版を通じて紙の雑誌や書籍の持つ良さを広く伝える、というのも狙いのひとつだ。
 「ネットに流すと紙が売れなくなるという声もありますが、本好きの人たちはこれからも紙版を買い続けるでしょう。ネット版は、そもそも雑誌を買ったことも見たこともない人たちに向けて出すものです。また、既存雑誌の忠実なネット化は、出版する側に新たな負担がかからないという利点もあります。出版社にとってネットは敵ではない、ネット雑誌でも潤うということを実証したいと思っています」
 岩本氏によると、ネット版に向いているのはコミック(漫画)誌だという。作者が1人ないし2人程度で著作権処理が比較的容易なことと、外国人にも受けるなど市場が広いのがその理由だ。そこで、コミック分野を中心に、同業他社にも積極的にネット雑誌の発行を呼びかけていくという。
 小学館は出版社の中でも早くからデジタル化を進めてきただけに、その動向は他社も注目している。ネット雑誌が出版界の新たな収益源となるか、その質や使い勝手に期待したい。(2006.09.07紙面掲載)

投稿日: 2006年09月25日

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