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「かぜ」から始まる異様なだるさ、実は慢性疲労症候群

kenko20061018.jpg 兵庫県に住む会社員のKさん(39)の気の毒な体験の始まりは、4年前にさかのぼる。日頃から体力には自信のあるKさんだったが、珍しくかぜをひいた。せき、鼻水、発熱と、かぜの諸症状を網羅し、医者嫌いのKさんもさすがに近所の開業医を受診。薬をもらって会社も2日ほど休んで家で寝ていた。

 かぜは治ったがだるさが残った。「だるいくらいで仕事を休めない」と、Kさんは出社を再開。しかし、だるさは次第に深刻なものになっていく。
 朝、目が覚めても起き上がれない日がある。無理して出勤しても会社まで行けず、途中で電車を降りてタクシーで帰宅することも…。たとえ会社にたどりついても仕事どころではない。そんなつらい日々が断続的に1年近くも続いたという。
 あまりにつらそうな様子を気の毒に思った上司が会社に掛け合い、「しばらく休め」となった。
 しかし、家で寝ていても一向によくならない。妻に無理やり大学病院に連れて行かれ、さまざまな検査を受けた結果、下された診断名は「慢性疲労症候群」だった。
 「かぜなどの体調不良をきっかけにして深刻な疲労状態が続くというのは、慢性疲労症候群の典型的な症状の出方です」と語るのは、大阪市立大学客員教授の倉恒博彦医師。同医師によればこの疾患、「疲労を発症しうる他の疾患(がんなど)がないのに半年以上にわたって重い疲労感が続いている状態」をさす病名。そして原因にはストレスとウイルスが大きく関係しているというのだ。
 「Kさんの場合は『かぜをひいた』のが発症のきっかけ。かぜという生物学的なストレスにより神経系、免疫系、内分泌系のバランスが崩れ、体の中でおとなしくしていたヘルペスウイルスの再活性を招き、その結果“だるさ”という症状が現れたと考えられます」
 現在行われている治療法は、ビタミンCと漢方薬の投薬を基本線に、必要に応じてコエンザイム
Q10や向精神薬の投与、あるいは精神科領域のカウンセリングを組み合わせるというもの。しかし現状ではこの疾患に詳しい医師は非常に少なく、正しい診断に行き着くことなく寝たきりの生活を余儀なくされている潜在患者も多いと予想される。
 幸いにもKさんは、この病気の専門医の診察を受けることができ、その後徐々に快方に向かい、現在では無事に職場にも復帰している。
 「慢性疲労症候群の原因となるウイルスはヘルペス以外にもインフルエンザやEBウイルスなど決して珍しいものではなく、日常生活で普通に私たちのまわりに存在しています。つまり、誰もがこの病気にかかる危険性を持っているのです」と倉恒医師。
 あなたもいつ、寝たきりになるかもしれませんよ…。(2006.10.18 紙面掲載)

投稿日: 2006年10月31日

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