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「電子チラシ」で大日本vs凸版印刷
印刷業界の両雄、大日本印刷と凸版印刷の2社が「電子チラシ」をめぐって熱い戦いを繰り広げている。ネットインフラの普及で紙の需要そのものが減少していく中、電子チラシは印刷業界のビジネスにどこまで貢献するのだろうか?
電子チラシは、新聞の折込チラシをパソコンモニターで見られるようにしたもの。専用ビューワーなどを使い、紙のチラシと同様に閲覧できる。コストも新聞折込より安価なため、採用する企業が増加中だ。
その電子チラシ市場をリードするのが、印刷業界の2トップ、大日本印刷と凸版印刷だ。それぞれ専用サイトを作り、ユーザーの囲い込みに力を入れている。
この分野で先行したのは、凸版印刷の「Shufoo!(シュフー)」(http://www.shufoo.net/)=画面写真左下。2004年、大手スーパーのイトーヨーカドーとイオンの両社が採用したことで閲覧者が急増。現在は4000店舗を超える電子チラシの掲載に成功し、ページビューも月間1000万を超えている。
電子チラシは、単に紙のチラシを画面に置き換えるだけではない。献立メニューなど、チラシに関連した独自コンテンツをいくつも掲載できるうえ、チラシ上をクリックすると動画が再生される仕掛けも施せる。
Shufoo!を発案した凸版アイデアセンターITビジネス部の山岸祥晃部長は「チラシを見るのは、圧倒的に主婦層が多い。そのため、主婦層向けの電子チラシが多いのは当然ですが、最近は車や紳士服なども電子チラシに掲載することで、男性ユーザーも意識しています」と語る。折り込みの場合、スーパーなどのチラシの山の中から目当てのチラシを見つけるのは男性にとって面倒だが、ピンポイントで見つけ出せる電子チラシなら読みたいという男性は多いだろう。
また、通販カタログが閲覧できる同社の「カタログデパート パラリー」も好調で、今年のお中元商戦では西武百貨店とそごうが採用した。「雑誌を手に取る感覚がパソコン上で再現できたことで、顧客満足度も高い。これからはRSS(ウェブ情報更新通知システム)を使って、チラシとカタログを直接パソコンに届ける『ちらしかたろぐ宅配便』=同左上=にも力を入れたい」と山岸氏は言う。
一方、大日本印刷も「オリコミーオ!」(http://www.dnp―orikomio.com/)=同右上=で凸版を猛追中。現在の電子チラシ掲載数は約3500店舗だが、年内に5000店舗超えを目指している。また、電子チラシ以外に、生活に役立つブログを紹介したり、プレゼントやポイント制度を充実させている。
オリコミーオ東日本販促グループリーダーの池頭守氏は「われわれは印刷会社であると同時に、コンテンツプロバイダーでもありたいと思っています。折込チラシは、レイアウトがとても美しい“作品”です。特売情報だけ載せるのではあまりにも芸がないし、私自身も読んでいてつまらない。消費者を楽しませる情報を発信しながら、販促のお役に立てるよう努力していきたい」と話す。
同社では今年7月から、携帯電話版の電子チラシ「オリコミーオ! ケータイチラシシステム」=同右下=もスタート。パソコンよりも携帯電話の方がなじみが深いユーザーの獲得に成功し、まずまずの出足だという。凸版も現在、携帯電話版を試験運用中。携帯分野では先行した大日本がどこまでアドバンテージを稼げるか注目だ。
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電子チラシは、広告主である企業にも好評だ。
「週に3回は折込チラシを作る」というイトーヨーカドーは「電子チラシは、あくまでも新聞折込の補助手段。折込はやめないが、費用的な問題から配布できない地域も発生する。そういう地域には電子チラシで情報を伝えたい。また、電子チラシ採用後、当社サイトのアクセス数は約4割伸びた。少しずつだが、電子チラシの効果は出ているようだ」と話す。
また、「オリコミーオ!」を使っている家電量販店の上新電機は「専用クーポンの使用率などを見ても、予想以上に効果があると感じている。また、電子チラシなら緊急セールの告知も可能で、販売のスピードアップにも役立っている。ネットインフラが整った現在、電子チラシは良い販促ツールになるのではないか」と語る。
電子チラシは流通業界以外からも注目されている。ある企業関係者は「折込チラシは小売り・流通業のものというイメージが強いが、電子チラシならどんな企業でも採用できる。有効な告知媒体になりそうだ」と期待している。(2006.11.02紙面掲載)



