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コンビニで「おでんバトル」拡大
秋も深まり、おでんの季節が到来した。コンビニのカウンター上では定番人気商品として、熱き戦いが展開されている。具材、ダシは年々、進化を続け、売り上げも急増中だ。コンビニ『おでん戦争』は今、どうなっているのか。地域の限定戦まで勃発した舞台裏を徹底チェックした。
■秋が本番
「1、2月より寒暖の差が激しい今の季節(9月―)が売れる。毎日が寒いよりも『今日は冷えるな』と思った日に、暖かいものがほしくなるんでしょう」
75年に発売し、“コンビニおでん”を定着させたセブン―イレブン(以下セ社)の広報担当者は秋口から力を入れる。
「コンビニは男性客が多いのですが、おでんは女性の(購入)比率が高い。カロリーが少ないわりに、おなかが大きくなるからでしょうか」。“ダイエット効果”として、女性の心までホットにしているようだ。
86年から、開始したローソン(以下ロ社)は今年、「涼しくなってきたと感じるのは8月から。ピークの前から販売していると、お客さまにアピールできる」と、本格参戦を例年より1カ月早め、真夏から開始した。
2002年から本格的に発売を始めたファミリーマート(以下ファ社)は、9月の売り上げが昨年比150%強を記録。今年のおでん人気は、例年より早いようだ。
売り上げもセ社は、03年=2億3000万個、04年=2億4900万個、05年=2億8000万個―と右肩上がり。
■進化するダシ
どこにでもあるコンビニだからこそ、3社は差別化に躍起だ。
セ社は昨年、北海道・東北・信越、関東、九州の4種類だったつゆのダシを今年から東海、関西・四国を加え、6種類に拡大した。
「地域の食文化を考え、ライインナップした。各エリアに調味料工場があり、地域ごとに作っている。素材(具)も地区特性のものがあり、具材同士がこすり合い、鍋の中でハーモニーを奏で、さらに地域色の強い鍋が生まれる」
ファ社も4種類から5種類に細分化。「今年は西日本から中部地区を独立させた。中部は独特な食文化があり、そのエリアのお客さまに好まれるよう、しょうゆは中部で最も売れているメーカーのものを使用している」
他社よりも多い8種類を揃えたロ社は、「小さいころから慣れ親しんだ味を開発するのが難しかった。食文化は地域によって違う。今後は、もっと多く分けたい」とさらなる進化を目指す。
■具材バトル
具材も、3社は激しいシノギを削る。
定番の人気商品は、どこも大根・玉子・白滝がベスト3だが、つゆ同様に地域色を生かした具材で勝負する。
セ社(全国共通約25種類、エリア別30種類)は、「今年は、おでんの活性化のため、静岡の黒はんぺんを共通の具材に入れた」と、目玉商品のひとつに加え、つみれは旬の魚を用意した。
ファ社(同25、同25)は、「男性はもちろん、女性や中高年の方にも食べていただきたい」と、今年から練り物系に食物繊維を配合し、ヘルシーさをウリにする。
ロ社(同19、同18)も沖縄にテビチ(豚足)が加えるなどバラエティーの富むが、「弁当やアイスは新商品が1番売れるのですが、おでんは定番が強い。新商品が1番になることはない」と付け加えた。
■レジ前の攻防
おでんの小宇宙ともいえる仕切り鍋があるカウンターの攻防も激しい。
セ社は、「おでんは作っておけばいいものではない。放置するのではなく、つゆは8時間ごとに替える。具材が乾かないよう、つゆをかけてあげる」と、各店舗では手間ひまを惜しまない。
ファ社は、「今年から、おでんなどレジ前商品に“できたてファミマキッチン”というブランドをつけています」と、販売強化を心がける。
ロ社も、「おでんはメンテナンスをかける商品。常につゆをかけ、干からびないようにしてる。おでんは、『おすすめはこれです』など、お客さまとの会話を生み出せる。『夕飯にしたいから』と鍋ごと持って買いに来た方もいました」と、昔懐かしい光景もあったという。
まさに“地域密着型商品”のおでん。今日は、おでんを買って帰ることにしようか。
【はんぺん物語】
今や全国共通の具材となった「はんぺん」。江戸時代初期から作られていたという文献も残るが、関西・中国・九州などには存在しなかった具材を昭和25年から作り、全国に広めたのが「紀文」だった。
同社の担当者は、「全国に広まったのはパッケージ化が大きかった。スーパーや百貨店がなかった時代は、そのまま置いてました。でも、パッケージで百貨店で売り出し、その後、スーパーへ。流通の発展も大きかった」と振り返る。
「昭和40年代、はんぺんを広げましょうということで、全国ではんぺんにマヨネーズをつけた試食キャンペーンを行いました。面白いことに、このとき、1番売れたのが大阪・梅田の阪急百貨店でした」。現在は売り上げの50%が首都圏、9%が関西地区という。
8月からは静岡名物「黒はんぺん」の発売を開始。黒はんぺんとは、イワシやサバで作られ、色が黒いはんぺん。
「おでんは多様化しています。最初は家でおでんという形だったが、ここ数年は夏に冷やしおでんがあるなど、『おでんはひとつじゃない』と皆が思うようになった。そこで、昨年、テレビなどで特集された黒はんぺんを商品化しました」
【各社エリア別 つゆの特徴】
■セブン―イレブン
北海道 かつお節+利尻昆布+いわし節
東北・信越 かつお節+利尻昆布+煮干+宗田鰹節
関東 かつお節+利尻昆布
東海 かつお節+利尻昆布+むろ節
関西・中国 かつお節+真昆布+牛肉だし
九州 かつお節+利尻昆布+鶏肉だし
■ローソン
北海道 しょうゆと昆布の効いたつゆ
東北 魚介系だしの効いたつゆ
関東 甘味と旨みの効いたかつおベース
中部 かつおとむろ節、名古屋コーチンのだし
をベースに三河本みりんのマイルドな味
近畿 昆布だしの旨みを効かせたつゆ
(藻塩を使用)
中四国 昆布と魚介系だしを中心にしたつゆ
(いりこを使用)
九州 かつおだしをベースに鶏がら・あご、
九州で好まれている椎茸を使用。
沖縄 全国共通素材をベースに昆布だしを
効かせたすっきりつゆ
■ファミリーマート
東日本 かつおだしが強め
中部 かつお節とムロアジ節のだしを強く、
関東と関西の中間のしょうゆ感仕立て
西日本 昆布が強め
九州 しょうゆが甘め。桜島鳥のだしを使用
沖縄 東日本とほぼ一緒
【地域別の主な具材】
■セブン―イレブン
北海道 ほたて串
山形 玉こんにゃく
静岡・愛知 豚もつ串
関西 ひら天
広島・岡山 絹ごし厚揚
九州・山口 丸天
■ファミリーマート
北海道 ほそ竹・ふき
北陸 宝袋
山形 玉こんにゃく
静岡 黒はんぺん
九州 とび魚棒天
■ローソン
九州 餃子巻
東北 玉こんにゃく
東北、関東 チーズはんぺん
四国 じゃこ天
沖縄 テビチ
ミミガーさつま
【セブンイレブン地域別ベスト3】
エリア 1位 2位 3位
北海道 大根 玉子 白滝
東北・信越 大根 玉子 白滝
関東 大根 玉子 白滝
東海 大根 玉子 牛すじ串
関西・中国 大根 玉子 牛すじ串
九州 大根 玉子 牛すじ串
(2006.11.13紙面掲載)


