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亀田“圧勝”お祭り騒ぎの舞台裏
「ハッキリ言って面白くない内容だった」
WBA世界ライトフライ級王者・亀田興毅が、ファン・ランダエタを下した初防衛戦を厳しく批評したのは、3万試合以上を裁いた実績で知られる元審判員の森田健氏。
森田氏が現役時代ならこんなコメントはできなかっただろう。逆に言えば関係者たちはオフレコでなら本音を口にする。
実は試合後のプレスルームなどでは辛口批評が飛び交っていた。
「こんな低レベルの試合、とても世界戦なんて呼べない」とボクシング専門誌の記者が漏らせば、別のボクシング記者は「世界王者でもないランダエタ相手に、スタイル変えてリスク回避の省エネ戦法なんだから情けない」とキツイ一言。
年間何百戦と試合を見ている人たちの本音だ。
「亀田の判定勝ちは認めるけど、ランダエタのチャレンジャースピリットが欠如していたのは腑に落ちない」と試合自体に疑問を投げかけたのは元日本王者だ。
「ランダエタは前回、興毅を苦しめたパンチをわざと封印したかのような動きだった。右フックと左アッパー、カウンターや相手の打ち終わりを狙った2種類の左ストレートの4つ。これらが全く出ていない。残ったのはジャブと先打ちの左ストレート、ボディと右アッパー。5回以降は、興毅が打ち合いに応じた最終回を除いて遠い距離のジャブを放つばかり。これじゃ金でも握らされたかとでも言いたくなる」
これら関係者の話とは真逆に、TBSやスポーツ紙などは「亀田圧勝」を喜々として報じた。
だが圧勝といっても実際のジャッジは割れていた。英国人がわずか2点の僅差を付けていたのに、米国人はフルラウンドを興毅優勢と仰天採点。同じ試合でナゼこんなに差が出るのか。それが亀田バッシングを招く一つの要因だろう。
弱い対戦相手でKOを量産し、本来はフライ級だったのに、下のクラスの王座が空位になるや、強引に決まった不可解マッチメークでの8・2世界戦。大半のマスコミはこうした事実を隠すような論調だ。ランダエタは世界王者ではなく、亀田とやる直前まで本来は2階級下のランカーだった。こんな選手に勝ったからといって大喜びできるようなものではないのだが、相変わらずの絶賛報道が続いている。
過剰に演出すればするほど虚像に見えてしまう亀田報道。某スポーツ紙の記者は立場上、亀田の批判もできず、「参りますよ、ホントに」と苦笑していた。
提灯記事を読むよりも、本音トークを聞いている方が面白い…それが筆者の本音である。
(格闘技ジャーナリスト 片岡亮)(2006.12.26紙面掲載)
