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大相撲「八百長疑惑騒動」の“元凶”は「サラリーマン力士」

■久保武司編集委員「KUBOログ」
 これまで幾度となく騒がれた「八百長疑惑騒動」に揺れる大相撲だが、今回も「事なかれ主義」で終わることは確実だ。疑惑の中心とされている横綱朝青龍が「ハイ。やりました。白星を80万円で買いました」などと明言してしまったら、それこそ大相撲そのものを否定してまう非常事態になるからである。
 では、なぜこんなことが忘れたころに起きるのか…それは大相撲の関取衆の生活がガッチリ保証されているからにほかならない。

 実は関取衆は相撲協会が雇うサラリーマンなのである。番付があがればあがるほど、その生活は保障される仕組みになっている。定年まで協会で働けば退職金も出るし、年金もきちんと支給される。その番付が下がれば給料も減るという図式だが、関取衆になれば年収2000万円台という収入が何の努力もなく入ってくる商売。それが今の大相撲だ。本場所での優勝賞金は1000万円だ。朝青龍など外国人力士たちにしてみれば母国に帰ればそれが1億円近い価値になる。
 お金に余裕があるからこそ「白星」を買いに走るこの行為は相撲界の中では半ば習慣となって行われたのは確かだ。今回事情聴取を受けた力士の親方たちも現役時代には「八百長疑惑」をかけられた経験が多かれ少なかれあるから、イタチゴッコが続く。相撲協会をすでに退職したある大物親方は「15日間全力で相撲をとったら壊れる」とハッキリ言っていた。その反対に「土俵には命がけであがっています」と、この手の騒動が起きると横綱時代の貴乃花親方はこう答えていたが、今は八百長疑惑のない「ガチンコ力士」はほとんどいない弱小派閥になっている。
 相撲協会の中には『改革』しなきゃいけないと思う職員の人たちもいるが現体制ではそれが不可能だ。すべては『相撲界は保守なり』『相撲は国技』と変わることを御法度にしてきたことが弊害として出ている。相撲が国技などという定義など、実はどこにもない。
 相撲界から離れた人たちの方が実は相撲改革には意欲的という皮肉な現象も起きている。「相撲界には戻りたくても戻れない。僕が親方として戻れたら、まず肥満の力士なんて育てません。それくらい自信があるんです」と話すかつての人気の力士もいる。
 若貴時代が終わりどん底だった相撲界も人気が復活しているのは間違いない。ナマで見る大相撲はホントウに魅力的だ。八百長疑惑のないガチンコと呼ばれる取り組みにおいては、体がぶつかり合うなんともいえない『音』がハッキリ聞こえる。
 21世紀にふさわしい相撲界に生まれ変わるチャンスは残念ながら来年までない。そのきっかけとなるのが、現体制の任期切れから行う役員改選である。

投稿日: 2007年01月30日

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