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秋山の“反則”はプロとして致命傷になる

 大晦日K―1興行のメインイベントで、桜庭和志にTKO勝利した秋山成勲が一転、反則失格となり、ファイトマネー1000万が没収された。桜庭の猛抗議で、秋山が体に油を塗っていた疑惑がファンの間で大騒ぎとなり、主催者が異例の対応をした。処分の理由は、秋山が身体にスキンクリームを塗っていたことが判明したから。だがK―1側が、ここまで厳しい対応した背景には、2つの要素があったとみられる。

 一つは、K―1がネットで行っている大晦日のMVP選出アンケート。15日現在の途中経過では出場26選手中、勝者だった秋山は最下位、対して敗者の桜庭が約6割の票を集めて断トツの1位だ。まるで亀田興毅が批判された反動で、相手のランダエタが支持されたのと似た現象が起きた。
 ちなみに亀田戦と同じTBSが放送した大晦日の番組は、2人の試合前、秋山が過去に勝利した映像が連続して紹介された後、桜庭の敗戦映像が流され、まるで秋山を主役にしようという“偏向報道”にもみえた。ところが、ファンの反応は真逆になったワケだ。
 もうひとつ、関係者によると、主催者に猛抗議した桜庭は、たとえ契約違反になろうとも、今後の参戦を拒否する姿勢まで示していたのだという。つまり、K―1はスター選手とファンの支持という2つの宝を失うピンチに陥っていた。
 桜庭本人は、いまだに「処分内容に納得していない」と話しているが、桜庭関係者は、その真意を「秋山が反則失格なら桜庭の反則勝ちのはずなのに、試合結果はノーコンテストなんておかしい」と代弁する。
 また、秋山は「悪意はなかった」と釈明したが、試合をビデオで検証すると、秋山側のセコンドが「滑らせろ」と盛んに指示している。桜庭関係者は「秋山は試合後、多汗症だから滑ったと嘘をいっていた。それは悪意があったからじゃないのか」とも指摘した。
 そもそも柔道家時代にも、秋山には自ら柔道着を滑るように工作した“前科”がある。試合で複数の相手に抗議を受け「洗濯時の石鹸が残っていた」と弁解したが、後に出演したテレビ番組で「石鹸を塗っていた」と告白までしていた。
 さらに、桜庭戦前の秋山は柔道着の着用をゴングの直前に決めるとしていたが、実際にリング上で道着を脱ぐと、すでにスパッツの上にトランクスを履いており、端から脱ぐつもりであったのは明白。それも相手に対策をとらせない姑息な手段といえる。
 プロとアマの差は技術面だけではない。秋山の一連の行動は、人気が重要なプロの世界ではファンの反感を買う。何をやっても批判を浴び続ける亀田同様、この「不人気」はプロとしての致命傷にさえなりそうだ。
(格闘技ジャーナリスト・片岡亮)(2007.01.16紙面掲載)

投稿日: 2007年02月02日

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