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肺炎になりたくなければ歯を磨け!

kenko20070124.jpg 新宿区に住む会社員のHさん(48)に異変が起きたのは1カ月前。数日前から熱が出たが、かぜだと思って寝込んでいた。しかし丸2日経っても一向によくならない。「明日は病院に行こう」と思って床に就いた夜半、呼吸困難に陥った。

 救急搬送され、そのまま入院。検査の結果言い渡された病名は「肺炎」だった。医師からは「今回は早い段階で治療に入れたので助かったが、もう少し遅れたら命も危なかった」と告げられHさんは青ざめた。
 しかし、それ以上に驚いたのが肺炎の原因だ。その原因とは、歯を磨かないで寝たこと―。Hさんの痰を顕微鏡で見ると、白血球がブドウ球菌を飲み込もうとしている特徴的な像が映し出されたという。東京厚生年金病院呼吸器内科医長の溝尾朗医師が解説する。
 「健康な人でも口の中や唾液の中にはいろいろな細菌が棲み付いていて、これが何らかの原因で肺に入り込むと炎症を起こしやすくなる。特に高齢者や嚥下機能(ものを飲み込む機能)が落ちている人は要注意です」
 じつはHさん、1年ほど前に軽い脳梗塞(こうそく)を起こしたことがある。その時はカテーテル治療で事なきを得たのだが、術後しばらくは軽いマヒが残っていた。ただ、梗塞を起こした箇所が比較的 末梢(まつしよう)に近かったことや、発作の翌日からリハビリに入れたこともあり、日常生活に支障が出るような重大なマヒは残らなかった。
 しかし、本人に認識がないだけで、嚥下機能は落ちていたようだ。そのため食後に歯を磨かないで横になったために、細菌を含んだ唾液が肺に流れ込み、炎症を起こしたのだ。
 「これは誤嚥性肺炎といって高齢者にはよく見られますが、脳梗塞のようなマヒを伴う病気を経験した人などは若くても起こすことがある」と溝尾医師。対策は、食後の歯磨きの徹底。これを励行するだけで肺炎の発症率は半減する。
 「単なる歯磨きだけでなく歯間ブラシを使ったり、舌の苔も落とします。入れ歯は毎食後はずして洗うのが理想的です」
 もう一つ注意しなければならないのが、食後すぐに横にならない―こと。嚥下機能が落ちている人は、特に食後2時間は横にならないようにすることが大切だ。
 Hさんのように脳梗塞を経験した人でなくても、本人が気付いていないだけで、じつは嚥下障害を起こしていることもある。
 「10ccの水を1回で飲み込むことができれば大丈夫ですが、2回に分けなければ飲み込めない、飲み込むのに10秒以上かかる、あるいは飲むたびにむせるようであれば一度検査を受けるべき」と溝尾医師。
 オーラルケアを怠ると、命にかかわることもあるのだ。自身が療養中のカトちゃんに代わって、あえて言う。
 「歯みがけよ!」(2007.01.24紙面掲載)

投稿日: 2007年02月13日

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