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伊那市の名物「ローメン」に舌鼓
■ゆめとツーリング
もう陽は大きく傾いていました。信州・高遠(たかとう)で私が感傷にふけっている間に。急いで伊那市中心部まで帰らなければ…。高遠のホテルや旅館は満員!! 予約が取れなかったんです。それで天竜川を渡った伊那市で泊まるところを見つけておいたのです。
高遠から伊那市中心部へは、西に一直線です。通称「権兵衛道路」。おかしな名前ですねって、高遠の人に聞いたら、この道は伊那と木曾を結んでいて、高遠はその東側の起点なんだそうです。伊那から木曾の真ん中にあるのが中央アルプス。江戸時代にナントカ権兵衛さんが苦労して道を開き、今も「権兵衛トンネル」というのがあって名所になっているとか。
それにしても道はあんまり広くないし、暗い夜道は危険。もう必死にペタルをこぎました。さいわい高遠からは下り道だったので、行くときの3分の2ほどの時間で伊那市の小さなホテルに着いたのでした。
さあ、ここで大事なのが夕食です。フロントで名物は?と尋ねると、「ローメン」だとか。ナニそれ? 教えていただいた「うしお」という店に出掛けました。ぱっと見はオジさんの居酒屋みたい。田舎ですので周囲は暗いし、静かだし、もう閉店かな、と耳を澄ましてみると、人の話し声が…。思い切って扉を開けると、外の様子とは大違い。お客さんがいっぱいいて、会話が盛り上がっています。オジさんだけでなく、若い女性や子供もいて、ファミレス・居酒屋バージョンといった感じ。
「あのう、一人なんですけど…」「ハイ、どうぞ、どうぞ」とカウンターへ。出てきました、うわさの「ローメン」が。ちょっと見ると、焼きそば。と言うか、焼きそばそのものです。濃い目のスースがかかっていて、う~ん、匂いも最高!! お皿にはたっぷりのお肉。それも大きい。ばら肉のようです。
口のそばまでお肉を運んでビックリしました。お肉では珍しい匂い。すっごくクセがあります!! マトンだったんです!! キャベツとかは、すごくフツーなんですけど、羊の肉というのは初めて。これが「ローメン」なんだ。もしかしたら、匂いがきつくて食べられない人がいるかも。私は全然、平気だったので、マトンだけ最初に食べてしまいました。おそばの方も結構いけます。
「オレさ、昨日、スナックのママから相談持ちかけられてよ。」 隣のオジさん・グループの声が聞こえてきます。「ママ、フィリピン人だろ。ビザを延長するには、どうしたらいいかって、さ。」「そりゃ、お前、結婚してくれってことだろ」…。ホントに楽しそうでした。
最近、テレビでアニータさんが何度も何度も登場してましたけど、あんなシーンを見るたびに、伊那のオジさんたちのことを思い出すのです。
(吉原 ゆめ)
