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京都の「変わってはる」獣医さん、実は有名料亭の社長
以前、当欄で紹介した幻想系官能画家の馬場京子さんから「知り合いの獣医が畸人だ!」と連絡があった。
先方から指定された京都・木屋町の高級料亭『幾松』=別項=前に、笑顔の久保義介氏(64)が立っていた。近くにある久保氏の動物病院は、内部がスゴイという。
「動物の頭蓋骨(ずがいこつ)が一杯あります。人間はないけど…。でも、大学生(麻布大)のころは人骨を掘り出したな。湘南の砂浜に骨のかけらがあった。気になって掘ったら人骨とわかり、熱中して全部掘り出したら午後11時になっていた。7時間連続で掘っていた(笑)」
人骨は警察に届けたが、約450年前のものと判明し、事件性はなかったという。この行動からも久保氏が凝り性とわかるが、現在も熱中する大テーマがある。
「人の心がどうできるか知りたくて、人のいないところに行っています。そんな極地で人に出合ったときの反応が面白い」。アイスランド、パプアニューギニア、アラスカなどを歴訪。旅行のたびに、イッカクの角、現地の砂、ストロマトライト化石(地球の酸素をつくった藍藻類)を入手する。病院は、そんな蒐集物であふれ返り、「あの獣医はん、変わってはるわ」と評判なのだ。
ただ、人の心についての答えは当然、出ていないため、今後も旅行は続くのだという。そんな極地旅に久保さんは最適の特性を持つ。
「ちょっと待て…」。久保氏はワイシャツをまくり腕を見せ、力瘤のポーズをすると、なんと毛が逆立った。「私は40万人に1人の男!」。つまり、ネコのように随意で毛を逆立てる能力を久保氏は保持するようだ。
「他にもこんなことが…」といい、久保さんは耳をパコパコ動かし、両目を別々に動かした。「足の指も自由自在で、筆で字も書けます」
地震の予知能力まであり、「地震の前は落ち着かない。何かに追われているみたいで…」と、阪神大震災も予知したという。いやはや久保氏は古代超人なのだ。
なぜ、そんな久保氏が料亭を指定したのか。
「ここは私の家で、妻の実家です」
京都は奥が深過ぎる。(畸人研究学会、今柊二)
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【幾松】
久保氏は、「幾松」の社長でもある。
「幾松」の建物は江戸時代、長州藩控屋敷として使われていた。屋敷には倒幕の志士、桂小五郎と芸者、幾松が住んでいた。後に小五郎は木戸孝允と改名。明治維新では文明開化を推進し、廃藩置県を実施するなど、日本の近代化に大きな功績を残した。幾松は木戸の妻となった。
現在も「幾松の部屋」は当時のまま残されており、国の登録有形文化財でもある。(2007.03.05紙面掲載)
