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「中庭の出来事」恩田陸著
「中庭」を舞台に起こるさまざまな出来事がくるくると入れ替わり、不思議な酩酊気分に誘われる長編小説である。
男性脚本家が一人芝居の主演女優を発表するパーティー会場の中庭で毒殺され、主演の座を争っていた女優3人が容疑者として取り調べを受ける…という芝居を書いた脚本家が、高層ビル中庭での怪死事件を目撃する。
“中庭殺人事件”をめぐる複数の話が同時進行。しかも、シナリオ形式と普通の文体を交互に登場させて物語が進むので、いささかわかりづらい感もあるが、ラストで糸がほぐれ、すべての話がつながっていく様子はさすが。また、山奥の劇場に出没するという幽霊についてのくだりは、著者ならではの幻想怪奇色に溢れていて魅惑的だ。(新潮社・1785円)(2007.03.06紙面掲載)
