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欧米で続々と使用規制、「トランス脂肪酸」はホントに悪玉?
フライドポテトなどに使われる食用油の添加物で肥満や心臓病を引き起こすというトランス脂肪酸。米国内では“悪玉油”の使用禁止措置が相次いでいる…といっても、これは海の向こうの話。日本はどうか?
昨年末、NY市は市内飲食店2万4千軒に対し、トランス脂肪酸の実質的な使用全面禁止を決めた。大手ファストフードチェーンや米スターバックスも使用中止を発表。米国のみならず、デンマークでも食品すべてにトランス脂肪酸含有量の制限を設け、カナダでは食品に同脂肪酸含有の表示を義務付けるなど、各国が危機感を募らせている。
なぜトランス脂肪酸がそこまで恐れられるのか。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロール値を上げ、善玉コレステロール値を下げる働きがあり、過剰な摂取は動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるからだ。米国の疫学調査では1日の食事の総エネルギー量に占めるトランス脂肪酸の割合が2・8%になると、1・3%の人に比べて心筋 梗塞(こうそく)のリスクが3― 4割上昇するということが分かっている。
一方、日本。食品安全委員会の食品健康影響評価には≫諸外国と比較して日本人の摂取量が少ない食生活からみて、健康への影響は少ないと考えられる≫とあるように、表示義務化の動きすらないのが現状だ。
主にどのような食品に含まれるのか。専門機関「食品総合研究所」の食品安全研究領域長・永田忠博氏によれば、「食事でとっているトランス脂肪酸は、植物油への水素添加によって生成するものが最も多いでしょう。たとえばマーガリン、あるいはショートニングと
いわれる食用油脂で、菓子類やパン類に用いられるもの」。
ファストフードのみならず日常、われわれがよく口にしているものにも含まれているのだ。
食品安全委員会の『摂取量は少ない』とする根拠となっている国民栄養調査によれば日本人1日あたりのトランス脂肪酸の平均摂取量は1・56gで、摂取エネルギーに占める割合は0・7%。比較して米国成人平均は5・8グラムで、2・6%。WHOが勧告する総エネルギー量の1%未満を日本は確かに下回っている。だが、これは99年の調査。
永田氏は「日本人の摂取量については十分なデータがない。不十分な資料による、あくまで平均値での話」と疑問を投げかける。
だが、日本企業としては「行政の検討結果を見ながら取るべき措置を考えたい」(日本マクドナルドホールディングス)。
「日本とアメリカでは扱っているフードが違う。トランス脂肪酸の含有量については独自で調査し国が定めた基準値よりも大幅に下回っている。即使用を取りやめるという動きにはならないと思う」(スターバックスコーヒージャパン)
行政が動かない限り静観するしかないのが実情だ。
(2007.03.19紙面掲載)
