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成長した中村俊輔、なぜオシム監督は酷評するのか?
■久保武司編集委員「KUBOログ」
サッカー日本代表のエース中村俊輔が酷評され続けている。その発信源はオシム監督とくるから聞き捨てならない。「天才的なパスは何回に1回でいいんだ。天才ばかり求めると結果は無残になる」と、今季開幕戦(先月24日・ペルー戦)の公式記者会見で確かにこう言った。
口にこそしないが中村の気分はいいものではないはずだ。先月31日には渡英2日目でむかえたリーグ戦で素晴らしいFKを決めるあたり、長年みてきた番記者たちは「俊輔の成長」を口にする。そんな中村だが、試合後には常に最後に出てくるという。その事情を知った知人が「試合後にバーベルをあげているんです。それも60キロ以上を軽々と。驚きました」と、明らかに大人になった中村を回りは認めているのだ。
しかしオシム監督は「彼だけが代表ではない。FKだけではサッカーは勝てない」と言い放つ。あげくの果てに代表開幕戦の後の記者会見での中村に対する感想は「あれは苦言ではなく、不満」と話した。また「オシム、俊輔を酷評!」という見出しが躍る新聞を訳させたそうで「あなたの訳が違っているのでは…」と担当通訳にまでかみついたという。
もちろん、こうなるとわれわれの格好のネタになるだか、そんな些細(ささい)なことよりも開幕戦に6万人以上集まった観衆は明らかに生まれ変わって強くなった中村に「感動」していた。それはなぜかというと、「とにかく今回は日本代表のために帰りたかった」という中村の気持ちがプレーにしっかり出ていたからだ。チケット都合したある少年ファンからは「俊輔でさえ、あんなに一生懸命に走っていたんだから僕もガンバリマス」と目を輝かせて話していた。
反対に22歳以下で編成する反町ジャパンはいまだに光がみえてこない。反町康治監督は居並ぶうるさ型のライターに記者会見で「何か方法があったら教えてほしい」とまで発言した。選手たちも「若さ」がなく、日本サッカー協会・川淵三郎キャプテンにいたっては「ピチピチ感がない」と表現した。
「答えは簡単だよ」とあるJリーグで優勝監督の経験がある関係者が続けた。「頭でかっちなんだ。3バック?4バック?笑わせるな!といいたい。今の若い選手がことさらに戦術に走りすぎ。最後は気持ちだよ。だから反町ジャパンに感動しないんだ」と話した。確かにその通り。40歳で現役にこだわるカズも「3・5・2?4・4・2?そんなこと言われても解らない。ただサッカーが好きでやっている」と話しているからこそ、全盛期を過ぎても根強い人気があるのだ。
頭でっかちにならずに前向きな気持ちで。実に簡単だが忘れがちなことを「日本代表監督」から教わらずに、日本を代表する「選手」から教わった1週間だった。
