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緊張すると必ず臭う「口臭」のナゾ
口がクサイ―。
人に言われて受けるダメージの大きさでは他を圧倒する加齢現象だが、じつはこの口臭、ストレスと大きく関係しているという。
会社員のNさん(44)は、最近自分の口臭が気になっていた。以前はたばこを吸っていたので、口のニオイといってもたばこのニオイだったのだが、禁煙が成功してすでに4年。今でははっきりと自分の口のニオイがわかるようになっていた。
朝晩の歯磨きはきちんとしている。たまに行く歯科の定期健診でも、虫歯や歯周病を指摘されたことはない。それでも気になる口のニオイ。
特にひどいのが得意先との商談や会社の上層部との会議など、緊張する局面になると決まって口臭が出てくるのだ。
といっても、以前に妻を含めて誰かから口が臭いと言われたわけではない。それでも確かに自分の鼻でニオイがわかる。そんなときは心なしか、会話している相手が自分から距離を置こうとしているようにも見えるし、鼻の下に手を持っていく回数が多いようにも思える。
そんなことが気になりだしてからNさんは、会社の机の引き出しや通勤カバンの中に携帯用の洗口剤を忍ばせて、日に何度も口をゆすぐようになったという。
「Nさんのような人は少なくありません。特に小さなことを気にする神経質な人に多く見られます」と語るのは、日本歯科大学教授で 口腔(こうくう)衛生が専門の八重垣健教授。背景にストレスが介在していることを指摘する。
「ストレスが加わることで唾(だ)液(えき)の分泌量が減ることははっきりしています。その結果口の中が乾いて口臭がおきる―という仕組みです」
ストレスがかかると唾液が減るのは、一説には自律神経のアンバランス、具体的にいえば交感神経が刺激されることによるものとされているが、八重垣教授はそれだけではなく、中枢神経も微妙に関係しているようだと指摘する。
1分間に分泌される唾液の量が0・1ミリリットル以下となると、唾液分泌低下症という疾患の部類に入り、確かに口臭が大きくなるという研究もある。しかし、原因がストレスであれば、それを克服しさえすれば唾液の量も復活し、口臭もなくなるという理屈になる。
いわゆる“口臭外来”などでは、多くの場合カウンセリングを中心としたメンタル面からのアプローチでストレス軽減を図り、状況に応じて抗不安薬などを使って治療を行うこともあるという。しかし八重垣教授はいう。
「口の中が乾いたときだけガムを噛めばいいんです。ガムを噛めば、それで刺激されて唾液は出るし、“噛む”という行為そのものにリラックス効果があるのでストレス軽減にもなる。それで気にならなくなれば、その人は健康だということです」
気にしはじめたらキリがない。明日から駅の売店では「夕刊フジ」と一緒にガムを買いましょう。(2007.03.28紙面掲載)
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