この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
心の悩みが原因の「円形脱毛症」
最近は日本人でもスキンヘッドの似合う男性が増えてきた。とはいえ、できることなら抜けないでほしい髪の毛。しかも脱毛の原因がストレスというのでは、悲しすぎる。
大手食品卸の営業マンAさん(33)には、半年ほど付き合った彼女がいた。ところがその彼女、Aさんと知り合う前に付き合っていた男と2カ月ほど前にヨリを戻し、Aさんはあっけなくフラれてしまった。ただでさえ失恋はつらいが、負けた相手が元カレとあってはAさんの精神的ダメージは底知れない。そのショックでAさんの右側頭部には直径5センチの“ハゲ”ができてしまったのだ。
「最初は気がつかなかったのですが、会社の同僚が教えてくれたんです。あわてて皮膚科に行ったらストレスが原因とのこと。他に思い当たるストレスはないし、間違いなく失恋のせいです」
そう言ってうなだれるAさんの頭を見るのも気の毒なのだが…。
「Aさんのケースは最も典型的なストレス性の円形脱毛症です」と語るのは、兵庫県芦屋市にある芦屋柿本クリニック院長の柿本香医師。同院にも同様の悩みを持つ患者が日々大勢訪れるという。
「毛根の根本には毛細血管が走っていて、これによって髪の毛は栄養を得ています。その毛細血管は自律神経の支配下にあるのですが、急激なストレスが加わると自律神経から誤った信号が出てしまい、髪の毛に送られるべき血液の供給が止まってしまうことがある。これが円形脱毛症のメカニズムです」
脱毛の範囲は人それぞれで、ほんの小さなハゲの人もいれば、生えている部分のほうが少なくなるほどに抜けてしまう人、また頭髪だけでなくまつ毛やまゆ毛までが抜けてしまう人もいるという。
「脱毛にはストレスが原因で抜けてしまう円形脱毛症と、加齢や遺伝によって抜けていく壮年性脱毛があり、壮年性―のほうは薬で脱毛の進行を止めることは可能ですが積極的な増毛法までは確立されていません。しかし、ストレス性の円形脱毛症は、時間はかかるもののほぼ確実に元に戻すことが可能なので、必要以上に心配する必要はありません」と柿本医師。その治療法とはこうだ。
ストレスによって止まってしまった毛根の血流をよくすればいいわけで、赤外線照射や血流改善作用のある塗り薬、ビタミンEなどの飲み薬を複合的に取り入れ、場合によっては液体窒素で毛根を刺激する局所冷却法を行うこともある。原因がストレスなので、心の悩みさえ取り除けることができれば自然に髪の毛はよみがえるのだが、治療をしたほうが治りは早い。
「治療開始から1カ月ほどで産毛が生えてきて、人にもよりますが1年くらいで元の大人の髪の毛に戻ります。人によっては最初は白髪が生えることもありますが、時間とともに色も戻ります」
しかし、いくら治療がうまくいっても、いつまでも悩んでいたのでは再発を繰り返すだけ。いまのAさんには、せっかくの治療も時期尚早か…。(2007.04.11紙面掲載)


