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自宅でMac(1)―ビスタはやめてMacにする?
新連載「自宅でMac―デジタル“新生活”のススメ」
鳴り物入りで発売されたマイクロソフトの新OS「ウィンドウズ・ビスタ」。だが、残念ながら売れ行きは低調。理由は、この面でも再三指摘しているように、従来のウィンドウズXPからあえて買い替えたいと思わせるだけの“革新的な変化”や“楽しさ”に乏しいためだ。
そんななか、iPodが絶好調のアップルが、主力の「Mac(マック=マッキントッシュ)」で大攻勢をかけている。「(革新性に欠けた)ビスタの登場により、Macの先進性が改めて実証された」と勢いづく同社は、「アップグレードするならビスタではなく、Macにしませんか」という挑発的なキャンペーンも展開中。果たしてMacは、iPodが日常生活を変えたように、新しいデジタルライフを私たちにもたらしてくれるのだろうか?
■OS Xとインテル製CPUで一変
全世界で1億台を売り上げ、エリザベス女王やブッシュ米大統領も所有していると言われるiPod。その魅力は、洗練されたデザインと使いやすさにある。そして、そのiPodに魅せられたユーザーたちの熱い視線は、“兄貴分”とも言えるMacにも向けられている。
1984年の誕生時から先進的なパーソナルコンピューターとして注目されていたMacだが、一昔前までは「動作が不安定」「高価」「ソフトが少ない」など不評がつきまとっていた。しかし、新世代の基本ソフト「MacOS X(テン)」とインテル製CPUの搭載により、状況は一変。先進的でありながら安定したコンピューターとしての評価を高めつつある。
■頑健・安全なマシンに
「MacOS X」は、安定性とセキュリティーの高さで知られるUNIX系OSをベースにしている。このため、ウィンドウズよりもシステム的に安定している。具体的には、長時間使っていても「落ちにくい(フリーズしにくい)」。
また、ウイルスなどセキュリティー上の脅威にも強い。「Macはシェアが低いので、ウイルス制作者の標的にされにくい」という皮肉な見方もあるが、「ウイルスに強い」というイメージは確実に広まりつつある。そのため「最近は大学や研究機関、企業などでMacを一括導入する動きも広がっている」(アップルジャパン広報)という。
■先進的な操作性
「ビスタの新機能のほとんどは、MacOS Xですでに実現されている」という指摘がある。たとえば、半透明のウィンドウに象徴されるビスタの新しいインターフェース「エアロ」は、6年前に登場したMacOS Xの「アクア」によく似ている。また、ビスタで強化された「検索」機能は、Macでは「スポットライト」という名前で2年前に実現している。
開いているウィンドウを三次元風にまとめて表示するビスタの「フリップ3D」は見た目には派手だが、目的のウィンドウが探しづらい。これに対して、ウィンドウを縮小して一覧表示するMacの「Expose」=画面写真=は、とても実用的だ。また、時計や計算機、天気予報や株価情報などを表示するビスタの便利ツール「ガジェット」は、2年前に登場したMacの「ダッシュボード」とほぼ同じものである。
■ウィンドウズも使える!
こうしてみると、ビスタがMacの後追いをしていることは明白だ。とはいえ、利用者数ではウィンドウズ・ユーザーのほうが圧倒的に多いので、その存在を無視することはできない。
そこで登場したのが、Mac上でウィンドウズを利用できるソフト「ブートキャンプ」だ。これを使うと、Macのハードディスク内にウィンドウズXPをインストールでき、MacOSとウィンドウズを切り替えて使えるようになる。現在はベータ版だが、次期OS(通称Leopard)では正式に採用される予定だ。
また、プロトン社製の「パラレル・デスクトップ」というソフトを使うと、MacOSの画面内にウィンドウズ環境を表示し、両OSを併用できる。いずれの方式も、ウィンドウズを単体で購入する必要があるが、こうした救済策(妥協策?)が用意されている点は、Mac導入の敷居を低くするのに役立っている。さらにアップルは、プリンターやデジカメなど周辺機器の対応も積極的に進めている。
■「Macらしさ」とは?
以上は、ウィンドウズとの比較という視点から見たMacの概要。では「Macならでは」の特徴や魅力とは何だろうか?
ひとつは、ハードとソフトを同じメーカーが作っているため、マシン本体とOSのデザインに統一感があること。しかも、アップルのデザインはきわめて洗練されている。iPodが世界中で売れた理由のひとつは、本体が美しかったからだ。使って気持ちいい、というのはデジタル機器にとっても大切な条件である。
デジカメ写真や家庭用ビデオの映像を編集・整理したり、趣味の音楽などを簡単かつ楽しく扱える高度なソフトが標準で添付されている点も大きな魅力だ(このソフト群については、今後の連載で順次紹介していく)。iPodをはじめ、最近登場したAppleTVや今年6月登場(日本発売は来年)予定のiPhoneなど、デジタルライフを充実させる周辺機器やサービスが続々登場している点も見逃せない。
■自宅で使うMac
もちろん、物足りない部分も当然ある。周辺機器やネットサービスの中にはMac未対応のものがまだたくさんあるし、手軽に持ち運べるモバイルノートタイプの本体はまだ発売されていない。業務用ソフトウエアのほとんどはウィンドウズ用で、「会社でMacを使う」ことも現実には難しい。
だが、「自宅で使うコンピューター」として考えると、Macは文句なく魅力的な製品だ。映像や音楽ソフトに加え、ウェブ上にホームページを簡単に持てる仕組みやソフトもそろっているので、家庭での利用には最適。本体は、リビングにもマッチするデザインだし、価格も同等の部品を載せたウィンドウズ・パソコンより安いほどだ。とくに、「会社のパソコン」から卒業し、第2の人生を歩もうとしている団塊の世代の“パートナー”にはオススメだ。
そんなわけで、この連載では、「自宅でMacを使う」という視点から、しばらくこのコンピューターの魅力を探っていこうと思う。(2007.04.26紙面掲載)

