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新「W―ZERO3[es]」発売、ウィルコム社長インタビュー

喜久川政樹社長 PHS専業のウィルコムは今月19日、新型のスマートフォン「Advanced/W―ZERO3[es]」=写真下=を発売。携帯電話サイズの中にパソコン並みの機能を備えた新型機は、発売前から注目の的だ。音声・通信の定額制、スマートフォン、そして次世代PHSの開発と次々に新機軸を展開する同社の喜久川政樹社長(43)に「PHS復権」の戦略を聞いた。

デジタル家電ニュース20070703

――新型機の前評判は上々ですね。
 「W―ZERO3シリーズはすべてシャープ製で、今回は3代目の製品になりますが、シャープさんは毎回大変よい製品を作ってくださいます。今回も本当にいい。上級ユーザーだけでなく、一般の方々にも支持されると思います」

――他の携帯電話会社もスマートフォンに力を入れ始めています。
 「従来の携帯電話は、もはや行き着くところまできたと思います。音楽プレーヤーやワンセグ、ICカードなどが追加され、そろそろ限界でしょう。今後は、利用者が自由に機能をカスタマイズできる端末が望まれる。その点で(パソコン的な)スマートフォンが伸びると予想しています」

――W―ZERO3の登場で、PHS自体への注目も高まりました。
Advanced/W―ZERO3
 「30代後半以降の方は、PHSと聞くと『ピッチ』という呼び名を思い出すと同時に、“通じない”というマイナスイメージを思い起こすかもしれません。私も以前、マーケティングを担当していたころは『ピッチ』という言葉を消すのに苦労しました。しかし、現在のPHSはまったく違います。W―ZERO3の注目を機にPHSの悪いイメージも 払拭(ふつしよく)したいですね」

――PHSの利点とは何でしょう?
 「PHSは登場から20年以上たちましたが、当社の初期のアンテナ数は3― 4万基でした。それが、いまは16万にまで増え、エリアカバー率も99%になりました。初期の『つながらない』という現象は、もうほとんどありません。また、携帯電話のネットワークと異なり、1つのアンテナが数十から数百メートルの狭い範囲をカバーする方式ですから、アクセスが集中せず、高音質の通話と高品質の通信ができます」
 「回線に余裕があるため、音声や通信の定額制もいち早く実現できました。現在、2900円の月額基本料だけでPHS同士なら通話やメールは24時間無料。通信についても月額の上限は3800円の定額です。また、PHSは低電磁波なので病院内や小さなお子さんにも安心して使ってもらえます」

――次世代高速通信(周波数2・5GHz帯)の事業免許獲得でも本命とされていますが…。
 「現在のPHSは最大で数百bpsのスピードですが、これを20Mbps以上に高めるべく実験を重ねています。実現すれば、ハイビジョン映像も余裕で伝送できます。その“次世代PHS”技術が、2・5GHz帯の高速通信に関われることを期待しています」

――ずばり、PHSの今後は安泰ですか?
 「来年1月にはNTTがPHSサービスを終了し、ついに1社だけになります。それでも事業を続けているのは、ビジネス的な面だけでなく、PHSを自分の人生の一部ととらえている社員が多いせいでしょう。青臭いと言われるかもしれませんが、そういうのもいいんじゃないでしょうか」
 「私自身、PHSの開始とほぼ同時に社会人生活を始め、20年間この業界にいます。最近は一種のボランティアで発展途上国への技術支援にも出かけていますが、世界的に見れば、まだPHSが広がる余地は大きいと感じます。当社の業績も20年の間に2回V字を描きました。危機を乗り越えて何回も復活…まるでゾンビですよ(笑)。しかし、スマートフォンと次世代PHS抱えた今は、社員の士気今までになく高まっています」
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 同社CMに出演している俳優の筧利夫から「松平健にそっくり」と言われた喜久川社長。たしかに…(2007.07.03紙面掲載)

投稿日: 2007年07月19日

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