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ひげそり痕で分かるストレスチェック

ひげそり痕 Iさん(36)は、ストレスの蓄積を「ひげそりあと」の肌の状態で知ることができるという。

 「ストレスがたまると、朝ひげをそったあとの肌が荒れるんです。血が滲んだり赤く腫れたりして汚くなる。そんなときは意識してストレス発散に努めますね」

 ひげそりあと以外にも、ニキビや吹き出物など、肌の状態が自分の精神状態の善しあしの判断基準になると自信を見せるIさん。本当にそんなことがあるのだろうか。

 「ひげそりあとの肌荒れとストレスとの関係は確かにあります。正確には尋常性毛瘡といって、ストレスが加わることで菌が繁殖しやすくなり出てくる症状です」と語るのは、東京・世田谷区にある用賀ヒルサイドクリニックの院長で皮膚科が専門の鈴木稚子医師。あの赤城前農水相も苦しんだ肌荒れ。そのメカニズムを解説する。

 「精神的なストレスが過剰にかかると免疫力が低下します。そうなると人の体のさまざまな部分で菌が増殖しやすくなるのですが、ひげそりあとの小さなキズなどはまさにそんな菌の温床。Iさんがいうニキビや吹き出物がぶり返すのも、同じ理由によるものです」
 治療法はそれぞれの症状に応じた薬物治療が基本となるが、原因のストレスを取り除かない限り、治療効果が出るのが遅れたり再発を繰り返したりすることになる。

 「精神的なストレスが脳の視床下部に影響を与えて自律神経のバランスを崩すと、自律神経の動きが鈍り、血管が縮んで血行不良をおこしたりリンパの流れを停滞させたりします。疲れがたまると“くま”ができる人がいますが、これはそうやって滞っている老廃物を含んだ黒っぽい血液が、皮膚を透かしてみえるためにおこる現象。ストレスと肌の関係は非常に強いんです」(鈴木医師)。

 他にも、ストレスによって新陳代謝のリズムが崩れると、肌の角質が厚くなって肌の表面がざらついたり、ニキビができやすい状態に陥ることにもなる。
 そしてもう一つ、鈴木医師が指摘するのが、アドレナリンというホルモンの働きだ。 

 「ストレス過剰状態では脳の下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、この刺激でアドレナリンが過剰に分泌される。アドレナリンの過剰分泌には 末梢(まつしよう)血管を収縮する働きがあり、体内の各所で栄養供給が不十分になるなど、肌にとっては不都合な状態が引き起こされるのです」

 以前小欄でも紹介した円形脱毛症もストレスが原因でおきる皮膚疾患。ストレスと肌は、太いパイプで結ばれているのだ。

 そうしたメカニズムは別として、「肌荒れ」をシグナルとしてとらえてストレス発散に取り組むIさんは、まだ“マシ”なほうといえるが、ならば一歩進んで症状が出る前のストレス予防に目を向けてみてはどうだろう。(2007.07.24紙面掲載)

投稿日: 2007年08月10日

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