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いまや“モンスター市場”と化したポケモン

■森永卓郎「B級コレクション」
ポケモン ポケモン映画10周年を記念して、7月5日からセブンイレブンで、ペットボトルに海洋堂製作のフィギュアがおまけとして付けられた。だが、多くの店舗で、あっという間に完売になった。それほどポケモン人気は続いている。それどころか、いまやポケモンは世界的な人気キャラクターとして定着しているのだ。

 なぜ、世界的な商品になったのか。それは、ポケモンが子供たちの心をとらえるように、綿密なニーズ調査と十分な開発期間を踏まえて発売されたからだ。
 ポケットモンスターは、もともと、任天堂のゲームボーイという携帯ゲーム機のソフトだった。ポケットモンスターを収集し、育て、対戦させ、友達同士で交換するという遊びの基本をふんだんに盛り込んだ。さらに、モンスターのキャラクターも、子供たちのニーズを踏まえて作り出された。

 ポケットモンスター のゲームボーイ用ソフトが発売されたのは96年2月で、当初からポケモンの種類が異なる赤と緑の2バージョンが存在した。そして8カ月後には青バージョンが登場したが、当初この青バージョンは限定発売で、『コロコロコミック』の通信販売とローソンでしか買えなかった。雑誌で連載をしていたコロコロコミックは当然として、なぜローソンだけが“青”を売れたのか。

 実は、ポケモンの発売までには、6年もの年月がかかっていて、その間いくつかの企業が開発を支援している。そのうちの1社がリクルートだった。だから、リクルートは一定の権利を持っていた。当時、リクルートの親会社がダイエーで、ダイエーの子会社がローソンだったから、ローソンはポケモンの青を売って、もうけることができたのだ。

 海の物とも山の物ともつかないポケモンを支援したというエピソードは、リクルート社の柔軟性を明確に物語っている。

 実は当時、私は銀行系シンクタンクに勤めていた。そこで役員に「ウチの会社もポケモンに投資しましょう」と提案したが、即刻却下された。

 「なぜシンクタンクがモンスターに投資する必要があるのか」。その通りだが、いまにして思うと、他の投資よりずっと効果的だったと思う。
  (経済アナリスト)(2007.07.24紙面掲載)

投稿日: 2007年08月13日

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