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軍事の緊急用に大型高速フェリーが必須?
■週刊軍事情報
今月1日、青森と函館を結ぶ航路に高速フェリーとしては世界最大の「ナッチャンRera」が就航した。1万トンを超える大型フェリーなのに36ノット超(約67キロ)も出るなど、革新的な船だ。
全長約112メートル、全幅約30・5メートル。アルミ合金製の双胴船で、ウオータージェット推進器4基を装備。乗客約800人、普通自動車約350台を乗せられる。オーストラリアのインキャット・タスマニア社で90億円ほどかけて建造された。
イ社は「ピアサー」と呼ばれるこのタイプの船の建造では定評がある。そしてなんと、大口ユーザーは米軍なのだ。
なぜか。米軍は今、海外に駐留する兵力を減らし、その分緊急展開能力の向上に力を入れている。それで高速輸送艦を大量に調達し、有事の際には事前集積船(グアム島の周辺海域などに戦車や弾薬、燃料などを積んだまま常に待機している船)から積み替えた物資や兵員を素早く戦場に投入しようと考えているのだ。その試験段階として排水量1800トン前後のピアサー4隻をリースして使っている=写真、US・NAVY。
ところで、自衛隊も現在力を入れているのは緊急展開能力向上と離島防衛。例えば尖閣諸島を外国勢力に占拠された場合、本土の部隊を一度沖縄本島や石垣島に運んで、そこを拠点に逆上陸というシナリオが考えられるが、それにはピアサーのような船が適任だ。
実は日本にはナッチャン以外にも大型高速フェリーがある。船の形式が違うのだが約43ノット(約80キロ)も出せる「テクノスーパーライナー」が、建造された三井造船玉野事業所(岡山)に係留されたままになっている。東京―小笠原航路へ就航が計画されていたものの、燃料費高騰でお蔵入りになったのだ。三井造船によると「現在、活用法は決まっていない」という。
燃費が悪く運用コストがかかるなどの問題点はあるが、高速輸送艦を持っていない自衛隊が活用するのも一つの案ではないだろうか。(2007.09.11紙面掲載)
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