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パソコンの余力を利用して新薬開発
年間1億人もの患者が発生しているデング熱や北米で猛威をふるうウエストナイル熱には、現在のところ治療薬はない。そして治療薬開発にはコンピューターで膨大な計算が必要なのだが、一般の人がパソコンの余力を提供することで、短時間で開発が可能になるかもしれないという。一体どんな仕組みなのか。
米国の非営利団体「ワールド・コミュニティー・グリッド」(WCG)が8月に開始したのは「力をあわせてデング熱の治療薬を発見しよう」というプロジェクト。
内容はというと、インターネットで世界中のパソコンを接続することでスーパーコンピューターに匹敵する能力を持たせる「グリッド・コンピューティング」を活用。個人が無料ソフトをダウンロードしてパソコンに導入するだけで、パソコンの空き時間に自動的に演算を始めて結果を送信する。今回は薬になりそうな分子の候補を探し出すのだが、時間が5万分の1程度に短縮される可能性があるという。
WCGは2004年にスタートし、世界で31万5000人以上が参加。「がん撲滅支援」「ヒトタンパク質解析」などのプロジェクトが既に終了。「各プロジェクトは膨大な演算能力が必要な基礎研究であり、“がん撲滅”といってもすぐにできるわけではありません。ただ、基礎研究がないと新薬開発も進まない」とは、WCGに協力している日本IBM。
先のデング熱のプロジェクトが進むと、似たようなフラビウイルス属のウエストナイル熱、C型肝炎、黄熱病などの医薬品開発にも結びつくという。ボランティアで参加してみてはいかが。WCGのサイトは、http://www.worldcommunitygrid.org/(2007.09.25紙面掲載)
