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対応のプロが教える、クレーマーとの戦い方

 クレーマーがジワジワと“増殖”しているという。とくに、従来はプロ(暴力団など)の仕業だった金銭や特別な扱いを求める「悪質クレーマー」が一般人の間でも増えているのだとか。いったいどう対処したらいいか。クレーム対応のプロに心構えを聞いた。

 「悪質クレーマーは生産性のない無益なやりとりを強要し、現場を困らせ、GDP(国内総生産)さえ下げています」
 こう語るのはクレームマネジャーの肩書を持つ援川聡さん(50)だ。大阪府警警察官、大手流通会社渉外担当の経験から独自のクレーム対応ノウハウを培い、年間120もの講演で、その極意を伝授。このほど、ノウハウ本「困ったクレーマーを5分で黙らせる技術」(幻冬舎)も出版した。

 同書によれば、クレームのタイプは4つある。「普通の」「困難な」「ハード」、そして「悪質」だ。通常の対応で理解してもらえるのが「普通」、なかなか納得しないのが「困難」、対応の不手際で火に油を注いだ結果の「ハード」、そして暗に金銭や特別扱いを要求する「悪質」。

 「大切なことは初期対応で、まずは誠心誠意の謝罪が必要。そこで注意したいのは、一般人によるクレームか悪質クレーマーによるものかという見極めです」

 そのヒントになるのが表1の「キーワード」で、これらが複数絡んでくればほぼ悪質なものと考えられ、顧客満足(CS)のためからリスクマネジメント(RM)のための対応が必要になってくるという。

 ただ、へたに(悪質)クレーマー扱いしたために事態を悪化させてしまうケースもあり、「大企業といえども、クレーム対応で明確な方針を決めかねている会社も多い」のが現実。マニュアルはあっても、分厚い説明書では、一分一秒を争う現場で役に立たない。

 そこで、ストーカーを乗り越えるために援川さんは5つのポイント(表2)をあげるが、大事なことは、組織が一体となること。そのためには「トップの意識」が要だが、一般社員もクレーマーには断固とした姿勢を見せ、「本気で対応すれば逃げ腰か、解決を焦っているのか、相手にはわかる。多少はったりでも、逃げちゃいけない」とアドバイスする。

 ストレス社会、格差社会で、「生きる上での負荷が増えて、キレる沸点も低くなっている。何とか勝ち組にという思いが大きく、知らなきゃ、言わなきゃ損をする、と非常に敏感になって焦っている」と援川さんはクレーマー増殖の背景を分析もする。

 企業にとって消費者の声は「宝の山」「天の声」であり、相手の立場に立って対応しないと、企業イメージは悪化し、口コミ、メールで広がれば大変な事態になる。一方で、悪質クレーマーのような落とし穴、ワナ、詐欺まがいのものもあり、「クレーム対応はまさに修行僧のようなもの。でも、気持ちで負けずに何とかがんばって」と援川さん。

 最後に、どのご家庭でも最も手ごわいはずの“山の神”(奥さん)のクレーム対策を聞くと―。

 「それは…私も対処のしようがない。絶対断れないですから(苦笑)」

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グレーゾーンを見極めるキーワード
・どうしてくれる!
・マスコミ、インターネットに流すぞ
・営業問題に発展するぞ
・いますぐ結論を出せ
・ライバル他社はこう対応したぞ
・誠意を見せろ
・○○を連れてこい
・精神的苦痛で仕事が手に着かない
・謝罪文を出せ
・責任者としてのお前の力量を見せろ

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クレーマー対応5つのポイント
経緯をしっかりと録音、記録する
安易な約束、いい加減な言葉は口にしない
交渉は複数で
自宅や携帯電話の番号は教えない
交渉のスタンスはあくまで対等・平等
(2007.10.23紙面掲載)


投稿日: 2007年11月08日

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