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語の構成が怪しい言葉の「統廃合」
あらゆるところで合理化、再編が進んでいる。そこでついつい「組織の統廃合」「店舗の統廃合」などと言ったりしがちだが、この「統廃合」は語の構成から見て、実に怪しい言葉だと言わざるを得ない。
たとえば「登校+下校」がつづまって「登下校」に、「与党+野党」がつづまって「与野党」になるというのが、標準的な構成である。これを数式ふうに言うなら、ax+bx=(a+b)xということになる。
統廃合だって「統合+廃合」だと言う人もいるかもしれないが、実は「廃合」という言葉そのものが「廃止と合併」という対立するふたつの意味をすでに備えているのである。
だから本来は「廃合」だけで十分なのに、新聞・テレビなどのマスコミには「統廃合」が洪水のように出ているのが現状だ。実際にこの語を載せる国語辞書もあるほどで、もはや市民権を得たものと考えられようか。
統廃合とよく似た例に、航空機の「離発着」がある。発着だけで出発と着陸の両義を備えているにもかかわらず、つい離発着と言ってしまう。離着陸とすれば「離陸+着陸=離着陸」の数式にのっとった熟語になる。
マスコミの多くはまだ、この「離発着」を認めてはいない。「統廃合」を認めておきながらなぜ…という声もあるかもしれない。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)(2007.10.25紙面掲載)
