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数独の父・鍜治真起(かじまき)の「競輪百景」 第5景「タクシーの中での競輪ライブ」
先日、私は福岡にいた。武雄競輪場がライブで、小倉メディアドームは松山記念の場外の日だった。迷った末、小倉に行った。うーむ。なんか物足りない。
東京から来たのだから、やっぱりライブがいいなあってんで、さらに迷った末、若松競艇場のナイターに行くことにした。小倉では2コRやって負け、あとは前売りを買って。
ローカル線に乗っての旅打ちも久しぶりだ。のどかすぎて、大儲けの野望もなくなっていく。しかし、ほのかな希望は、ある。この”バクチとの距離”が何とも言えず、楽しい。のめりこまず、はしゃがず、めげず。
賭場に行くまでのバカな心理と遊ぶのが楽しいのだ。
若松競艇場は艇王・植木通彦のラストランがある日で、普段より入っているのではないか。初めての当地なので、よく分からないけど。
いつのまにか私は、しがないギャンブラーではなく、観光客になっていた。熱く賭ける気分、まるでなし。
いいなぁ、九州のお父さんたちと一緒に遊べて。
帰りは、競艇場からタクシーで小倉まで。
聞くと運転手さん(推定60歳)、生まれは久留米で、ずっと競艇ではなく、競輪をやっていたのだった。中野浩一には自転車ももらったと言う。へえぇ。
「運転手さん、今まででいちばん好きな選手は?」
「ナカタだねえ。四国の選手でね。マーク屋でガッツあったよね」
「それで、それで?」
帰り道ずっと、おなかいっぱい昔の競輪の話を聞けて満足。こういうライブもある。 ((株)ニコリ”非常勤”社長)
