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働きすぎは “記録”して過労死防げ!

 サービス残業や長時間の時間外労働が“違法”だとは承知していても、リストラ花盛りの昨今、なかなか拒否はできないもの。とはいっても、命あっての物だね、過労死や自殺に追い込まれては本末転倒だ。ではどうすればいいか。労働問題に詳しい小川英郎弁護士に傾向と対策を聞いた。

■タイムカード
 事務系サラリーマンは、タイムカードがなく自己申告制の勤務スタイルも多いだろう。これがサービス残業の温床だ。

 「部や課の予算も限られ、成果主義も広がり、『評価を下げたくない』と過少申告するケースも多いよう。しかし、労使とも勤務実態が把握できないと、トラブル時に問題解決が困難になる。事務系でもタイムカードは望ましい制度です」

 会社側にとっては、過労死や過労による自殺リスクを未然に防止できない。働く側も、残業代請求の事態になっても記録がないと不利だという。

■私的な業務日誌
 「理想を言えば、会社にタイムカード導入を働きかけるのがいいが、会社申告とは別に、詳細な業務日誌を私的に記録しておくべきです。『今月は働き過ぎだ…』などと自己管理の目安にもなるのです」

 《○○時―○○時 ××の仕事》と具体的な記載をしておけば、「裁判になっても証拠能力が高いのです」。

 ちなみに、“過労死ライン”といわれるのは、2―6カ月の平均残業時間が月80時間、または直近1カ月で100時間超。こうした勤務実態で脳や心臓病で突然死した場合、厚生労働省の認定基準では「業務死の可能性が高い」とされる。

■休憩時間とは
 ただし、そもそも労働時間とは何かということも問題になっている。
 「始業前に来て仕事の準備や掃除を命令されたら、これは労働時間。昼休みに電話当番をしても同様。ほかに着替えや仮眠時間をどう扱うか争いは多いのですが、原則は“休憩時間とは確実に自分のために使えるかどうか”です」

■外回りでも残業アリ
 外回りの営業など労働時間を把握しづらい場合は、一定時間を労働とみなし、残業が付かない。

 「これも社内の誰からも勤務を把握できない場合に限られるのが原則。現実には、昨今は携帯電話が普及しているので、みなしではなく、実態を記録すべきです。この手の裁判では、会社側の負けが増えています」

 残業代が固定額というのも、「本来の姿ではないが合法ではある。しかし、残業予定時間を超えたときは請求できます」

■管理職でも
 管理職についても、「肩書があるから残業代ゼロという大半が違法でしょう」という。

 「管理職とは▽出退社の自由裁量▽給与やボーナスの優遇▽重要な職責と権限―があって経営者と一体と見なせる役職。大企業の部長クラスの感覚で、飲食店や小売店の店長や中間管理職は範囲外なのです」

 最後に話題の「ホワイトカラーエグゼンプション」について、小川弁護士は「日本は労働時間が長く、その結果、健康被害―とくに精神的障害も多い。しかも今どき、残業代が欲しくて長時間働くわけではないから、立法の必要性には極めて疑問。フレックスタイムなど現行の労基法で工夫して十分対応できる」という意見だ。

■自己防衛のポイント■
(1)自分向けに詳細な業務日誌をつけておく
(2)労組に期待できない場合でも、匿名で監督署に申告できる
(3)仲間と飲み会も含めたコミュニケーションは有効。チームワークで仕事の融通を
(4)休日に自己啓発もいいが、心身を休める時間は必要
(5)最終的には自分の体や家族のことが大切という自覚を持つ

■セミナーも■
 都労働情報センター池袋事務所では12月4、5日、小川弁護士を講師に、事業主や人事労務担当者を対象として、労働時間法制を解説・啓発するセミナーを開く。申し込みは同事務所(電話03・5954・6505)か、ホームページ「はたらくネット」で。(2007.11.12紙面掲載)

「はたらくネット」

投稿日: 2007年11月29日

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