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「夫・婦寝室」の間の「・」が肝心!
■狭・楽しく生きる
あっという間に子育てが終わり、子どもたちが出ていってしまう。すると、どの家も同じように、もとの子ども部屋を妻が寝室がわりに使うことが多いようだ。もともと夫婦の寝室が1階であったり、なぜか夫は早い時期から1階の和室あたりで寝起きしている! などという例も多い。
そんな1階と2階に分かれて寝ていた夫婦がある日…、今日は休みとはいえ、なかなか起きてこないと1階の夫の部屋に行って 震撼(しんかん)とした! 寝ているのとまったく変わらない状態で冷たくなっていたという…、再三にわたる心臓マッサージの甲斐なく帰らぬ人となった。
「そういえば明け方なにか物音がしたような、胸騒ぎがした…」と言うのだが、「こんな小さな家で、なんで…?」と奥さん。
確かに夫が隣の部屋か、せめて2階で寝ていれば苦しむ声や音が聞こえていたかもしれない。いずれにせよこうしたリスクの高まる年頃に夫婦が離れて寝ていること自体が危険なのだ。反対に妻が侵入者に危害を受けた例もある。
家づくりは夫婦が試されるときである。「おまえ、そんなことを考えていたのか?」で始まる家づくりやリフォームは、夫婦のホンネとエゴのぶつかり合いとなる。住宅雑誌で情報を仕入れる妻と、仕事が忙しく置き去りにされる夫。夫婦はまるで夢と現実のせめぎ合いとなる。そんなとき建築家は家づくりの設計はもとより、「犬も食わない」夫婦げんかの仲裁役のような役割となる。
中でもこの寝室はホンネでもめるテーマなのだが、なぜか、なかなか表面に現れてこない。子どもの夜泣きなどがきっかけで、別々に寝るようになり「同舟異夢」ならぬ「異室異床」の寝室となる。いくら仲の良い夫婦でも次第に日常生活の中で「時差」が生じ、さらに暖房やクーラーなどの「温度差」も生まれてくる。いびきや寝相などを含め、結局は別々に寝るようになる。
そんな寝室。夫婦の部屋を別にしたり、冷たく壁で仕切るより思いやりで仕切る方がいい。8畳ほどの寝室も間に分厚いカーテンか、引き込み式のふすまで互いのベッドを仕切る。これなら寝室は一部屋ですむし、相手の時差も温度差も気にならない。どちらか風邪をひいたときは仕切って寝られて便利。それが「同=異室異床」そう、これこそ「夫・婦寝室」なのだ。
「いやぁ、すーと、ふすまが開いてね。妻に呼ばれてどっきり!」ですと。(2007.11.12紙面掲載)

