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保険?自費?混合診察の不思議

 がん患者の男性が国に対し「混合診療を認めないのは違法」との訴えを起こし、東京地裁がそれを認めた。「禁止」の国に対して、「認めるべき」との声も多かっただけに、今回の判決は波紋を呼んでいる。ところで、混合診療とはそもそも何か。調べてみると、特例も多く、混合ならぬ“混同”診療だった。

 健康保険で受けられる診療と、自費で受ける自由診療を、読んで字のごとく「混合」して受ける診療が混合診療だ。現在、日本では認めていないので保険診療と自由診療両方を、つまり混合診療を受けた場合は、保険適用分の治療についても自費扱いとなっている。が、実際には「一部は混合診療(保険適用外での併用)を認めている」(厚労省)と言うから、ますますわかりづらい。

 たとえば歯科のケース。虫歯を治療した場合、歯にかぶせるものを保険適用の金属にするか、セラミックか選択を迫られるだろう。ここで、セラミックを選択した場合、その分は自費負担で、検査や虫歯治療は保険適用、つまり混合診療になる。だが、抜歯後にインプラントを入れる場合に、「見た目も良いし、長持ちするから」といった理由だと保険適用にならず、すべてが自費負担に。

 ところが、「インプラントでも、患者さんの状態で『先進医療』と認められ、その実施を認められた医療機関で受ける場合には、保険適用外の診療も併用できる」(厚労省)。厚労省が認めた先進医療技術は123種類あり、それを行う医療機関も定められている。それ以外の医療機関で受けると、患者が同じ状況でも混合診療は認められない。

 こうした現状に医学ジャーナリストの松井宏夫氏は、「医療現場の人も、混合診療についてすべて把握しているとは思えない。結果として、今回の裁判のようなことが起こってしまう」。混合診療の是非はともかく、医療費は“明朗会計”でお願いしたいものだ。(2007.11.12紙面掲載)

投稿日: 2007年11月29日

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