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祝・40周年!夕刊フジはどのようにしてできたのか?
夕刊フジはどのようにしてできたのか? 創刊当時を知る元編集局長、馬見塚達雄氏(73)に聞いた。馬見塚氏は創刊前年の準備段階から87年まで約20年にわたり夕刊フジに携わった。当時を知る現編集局長にそれとなく聞くと「切れ味鋭い文章を書く人」。そして「怖い人だった」とも。恐る恐るインタビューに臨んだ。
――夕刊フジのスタイルはどうやって作ったものですか?
「手本にするものがなかったので試行錯誤しましたが、僕が参考にしたオーストラリアのタブロイド紙。産経新聞の社会部にいたころ、海上自衛隊の実習生の遠洋航海に同行してシドニーに寄港したのですが、現地のタブロイド紙が1面大見出しで『また日本が攻めてきた』と載せたんです。なるほど、こんな記事の切り方もあるのか、と感心しましたね」
――題字がオレンジ色になったのは?
「実は最初、タイトルを『東京ニュース』にするという案があったのですが、 紆余曲折の末、『夕刊フジ』に決まりました。フジなので藤色にするのかなと考えたけど、なんだか弱々しい。それでオレンジにしたのです。人々の心を沸き立たせるオレンジ色で正解でしたね」
――どんな新聞を創ろうと思っていましたか?
「一般紙は“上半身”のことだけ書いていて、どうも物足りない。“下半身”もそろって初めて面白いものができるんじゃないか、と考えていました。これは(色恋やギャンブルなど)やわらかい話のことだけではなく、一般紙が報じないような視点で見るということです。たとえば、アポロ11号が月面着陸したとき、みんなアームストロング船長の話ばかり書いていた。そのとき僕は、船に残って月面に降りられなかった操縦士は一体どんな人なんだろうと思って調べたんですよ」
当時、馬見塚氏は34歳で、取材記者とデスク、競馬記者の三足のワラジを履いていた。メンバーも20代後半から30代そこそこ。編集局にはエネルギーがあふれていた。
「創刊前年の暮れに3億円事件が起きるなど物情騒然の時代で、学園紛争も盛り上がっていた。われわれも若かったし、世の中全体のテンションが上がっていた。時代にも恵まれていましたね」
――創刊当時の思い出に残るニュースは?
「プロ野球の黒い霧事件や、『ハイジャック』という言葉を日本で最初に使った、よど号の乗っ取り事件などですね」
――「ぴいぷる」などのインタビュー記事も、取材相手に切り込む斬新なスタイルでした
「大江健三郎さんや瀬戸内寂聴さん、新珠三千代さんらから文句が来たことがありました。それまで厳しい質問を受けていなかった人に、ズバズバ聞いて書いていましたから。ただ、政治家は人気商売のせいか、おちょくっても文句がくることはなかったですね」
――夕刊フジが果たしてきた役割は?
「われわれが夕刊フジを創刊しなかったとしても、たぶん夕刊フジ的なものはどこかで生まれたでしょう。政治の話でも、やわらかい話でも、そのとき一番関心の高いニュースのインサイドに切り込むという手法はその後、テレビのワイドショーにも引き継がれました」
――世相、とくにサラリーマンを取り巻く環境も変わりました
「創刊当時は終身雇用が定着し、会社で頑張れば出世はしなくても給料は上がる時代でした。いまは不安定な時代ですが、それだけにみんな情報や生きる道筋を求めているとも言えます。そんな時代に、人の生き方をホンネで報じる夕刊フジの役割はますます大事になるでしょうね」
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1969年はこんな年だった
【社会・事件】
東大安田講堂で機動隊と学生が攻防戦、入試が中止に
東京・八重洲地下街がオープン
連続射殺事件で永山則夫容疑者を逮捕
東名高速道路が全面開通
【政治・経済】
日本の国民総生産(GNP)が西ドイツを抜き世界2位になったと発表
八幡製鉄と富士製鉄が合併に調印、新日本製鉄誕生へ
住友銀行が日本初の現金自動支払機を設置する
佐藤栄作首相とニクソン米大統領の共同声明で沖縄返還を表明
【海外】
ソ連が宇宙有人ドッキング
米アポロ11号が月面着陸、アームストロング船長が月面に立つ
ロックの祭典「ウッドストック・フェスティバル」開催
【スポーツ】
大相撲で横綱・大鵬の連勝が45で止まる
高校野球決勝戦で三沢高と松山商が延長18回引き分け再試合
プロ野球「黒い霧」事件
金田正一投手が00勝を達成し引退
【ヒット曲】
「夜明けのスキャット」(由紀さおり)
「ブルーライトヨコハマ」(いしだあゆみ)
「長崎は今日も雨だった」(内山田洋とクール・ファイブ)
「いいじゃないの幸せならば」(佐良直美)
【テレビ・映画】
「水戸黄門」(TBS系)放送開始
「8時だョ!全員集合」(TBS系)放送開始
「クイズタイムショック」(NET系)放送開始
「巨泉・前武ゲバゲバ90分!!」(NTV系)放送開始
「サインはV」(TBS系)放送開始
「プレイガール」(東京12チャンネル)放送開始
「男はつらいよ」(松竹映画)第1作公開
【ベストセラー】
「天と地と」(海音寺潮五郎)
「赤頭巾ちゃん気をつけて」(庄司薫)
「ドラえもん」(藤子不二雄)連載開始
【流行語】
エコノミックアニマル、Oh!モーレツ!、あっと驚くタメゴロー、やったぜベイビー、オヨビでない
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まみづか・たつお
1934年、大分県生まれ。早大文学部卒。56年、産経新聞入社。68年、夕刊フジ創刊の特別準備本部に出向。69年の創刊から87年まで夕刊フジで報道部長や編集局長を歴任。その後、産経新聞論説委員。現在はフリー。著書に『「夕刊フジ」の挑戦―本音ジャーナリズムの誕生』(阪急コミュニケーションズ刊)、著・編書に『証言・長良川河口堰』(産経新聞社刊)。(2007.11.05紙面掲載)
